この度シンカ配給「White God」(英題)が邦題を『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』とし、11月21日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開することが決定いたしました。

本作は、雑種犬に重税が課せられる法律の影響で飼い主の少女と離ればなれになった犬“ハーゲン”と、人間から虐げられ保護施設に入れられた犬たちの反乱を描いた物語。本作は、2014年の第64回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品、そのオリジナリティあふれる衝撃的なストーリーや類まれな着想が目の肥えた審査員やマスコミに驚きと賞賛を持って受け入れられ、今年『岸辺の旅』(黒沢清監督)が監督賞を受賞したことも記憶に新しい「ある視点」部門でグランプリを受賞しました。また、ハンガリーの首都ブタペストを数百匹の犬が疾走する迫力と緊張感あふれるシーンはなんとCGなし。タレント犬ではなく実際に施設に保護されていた250匹以上の犬への演出と犬たちの演技が評価され、ハーゲンを演じたルークとボディ(兄弟/二匹一役)にパルムドッグ賞が授与されました。
そしてこの独創的な作品は北米では限定公開ながら批評家の注目を集め、全米批評サイトRotten Tomatoで70名以上の批評家から92%の高い支持を獲得、カンヌでの受賞に違わぬ評価を得ています。

■カンヌ国際映画祭「ある視点部門」とは?
コンペティション部門とは別に、1978年から導入された部門。世界各国から独自の視点や切り口を持った先鋭的な作品が毎年20本ほど選出される。本部門での日本映画の受賞は08年『トウキョウソナタ』(審査員賞/黒沢清監督)14年『岸辺の旅』(監督賞/黒沢清監督)の2回。

■カンヌ国際映画祭「パルムドッグ賞」とは?
出品部門を問わず映画祭で上映された映画の中で演技をした犬1匹、あるいはグループが審査対象。(アニメーションの犬含む)受賞犬には”PALM DOG”と記された革の首輪が贈られる。2001年より実施。
過去の主な受賞犬・・・・・・11年アギー(『アーティスト』:アカデミー賞作品賞受賞)/09年ダグ(『カールじいさんの空飛ぶ家』)/06年モップス(『マリー・アントワネット』:ソフィア・コッポラ監督)/02年タハティ(『過去のない男』:アキ・カウリスマキ監督/同映画祭コンペティション部門グランプリ、主演女優賞受賞)

■批評抜粋
*上映から2日経った今でもまだ頭が呆然としている。これまでカンヌ映画祭で観た中で一番驚かされた作品だ。まるでワーグナーのオペラのようだ(サイト・アンド・サウンド)
*人間対動物の壮大な革命へと発展していく『名犬ラッシー/家路』をスリル満点にした現代版!感情をかき立てられる少女と犬の冒険物語(バラエティ)
*犬が自由を手に入れて街を駆け抜け、自らを殴りつけた人間に対峙する時、この作品は大胆な政治的メタファーへと跳躍し、大いなる雄叫びをあげる(ニューヨーク・タイムズ)

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執筆者

Yasuhiro Togawa