山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015 の開催概要が決定いたしました。

名称:山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015
会期:10 月 8 日[木]〜15 日[木] 8 日間
会場:山形市中央公民館(アズ七日町)、山形市民会館、フォーラム山形、山形美術館ほか

●インターナショナル・コンペティション
International Competition

全世界応募された 1,000 本を超える作品の中から珠玉の 15 作品を選び上映(別紙の通り)。映画祭期間中に著名な国際審査員によって審査され、大賞のロバート&フランシス・フラハティ賞他各賞が決まります。セレクションに定評のあるこのメインプログラムは、いまや中国を代表する映画作家である王兵、カンヌなど世界三大映画祭でも常連となったアピチャッポン・ウィーラセタクンを始めとして先鋭的な作家・作品をいち早く紹介する部門として評価が高く、ヤマガタの顔となっています。

大賞 ロバート&フランシス・フラハティ賞(賞金 200 万円)
最優秀賞 山形市長賞(賞金 100 万円)
優秀賞(賞金 30 万円)
特別賞(賞金 30 万円)

●アジア千波万波(7 月に作品発表)
New Asian Currents

アジアの新進ドキュメンタリー作家の作品を紹介、応援するプログラム。応募作品から 20 作品程度を上映。国際審査員による審査によって、最も可能性のある作家にアジア作家との交流に情熱を傾けた小川紳介監督の精神を受け継いで設立した小川紳介賞を授与します。世界でのアジア作家の台頭著しい昨今、フレッシュで野心的な作品を長年紹介し続けてきたこの部門にはファンも多いようです。
河瀬直美、ヤン・ヨンヒといった作家たちがこの部門から羽ばたきました。
荒削りでもひと際光るものを感じさせるアジアの新進作家を発掘、応援するプログラム。

小川紳介賞(賞金 50 万円)
優秀賞(賞金 30 万円)

●日本プログラム
Perspectives Japan
日本のドキュメンタリー作品の様々な試みを世界へ向けて紹介するプログラム。

●ラテンアメリカ ̶ 社会変革とドキュメンタリー(仮)
I Land — Latin America: Social Change and Documentary(working title)

1960 年代には「第三映画(The Third Cinema)」と銘打たれた新しい映画の形式が模索され数々の伝説的な作家を輩出したラテンアメリカのドキュメンタリー。
独裁政権時代へ突入し、国境を越えた連帯が弛まない制作を底支えし、現在へと連綿と続く映画制作の活況へと繋がっている。
これまで日本でほとんど紹介されてこなかった 1960〜80 年代の社会変革へ挑んだ代表的なラテンアメリカ・ドキュメンタリーから現在までを俯瞰し、ラテンアメリカを糸口に今後のドキュメンタリーの可能性を探る。

●ドキュメント“映画” ̶ 探す人々(仮)

ドキュメンタリー映画において、映画を被写体として、あるいは主題として選択する行為は、映画による自分探しの旅でもある。家族によって撮られたホーム・ムーヴィー、子どもの頃から観てきた映画は、個人の記憶であると同時に、私たちを時間の流れに刻みこむ。映画史を辿ることで故国が甦り、フッテージが繋がれることで存在に生が与えられる。自閉的試みを越えて、映画的記憶の現在を再考する。

●アラブをみる ̶ ほどけゆく世界を生きるために(仮)
Another Story of the Arab Peoples(working title)

国境を越えて広がるアラビア語圏。そこには「アラブ」とひと括りにできない豊かな個々の物語が溢れている。
「アラブ革命」後、国家や共同体の枠に囚われず新たなつながりを模索する人々の姿を通して、変わりゆく世界と向き合うための手だてを探る。

●ともにある Cinema with Us 2015
Cinema with Us 2015

東日本大震災、それにともなう原発事故という未曾有の体験と、そこから生まれ続ける課題を改めて見つめ、伝えていくプログラム。映画・映像に何が出来るのかを問い、YIDFF 2011 からスタートしたプロジェクトを継続・深化させる。

●やまがたと映画
Film about Yamagata

山形の戦後 70 年を映像で見つめるプログラム。日中・太平洋戦争、そして戦後。出征、銃後、満蒙開拓、残留孤児、平和憲法、農地解放、高度成長、減反、出稼ぎ、跡継ぎ問題、東日本大震災、TPP…。
時代の変化と混乱を受け止めながら、山形の人々はいかに生きてきたか。

●審査員作品・特別招待作品
※各特集プログラムについては、7 月末に作品タイトルおよび詳細確定予定。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015
インターナショナル・コンペティション 15 作品ラインアップ決定!!
2 年に一度の山形国際ドキュメンタリー映画祭の年がやってきました。アジア初の国際ドキュメンタリー映画祭として、1989 年から隔年で開催されてきた本映画祭も今年で 14 回目を迎えます。
山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015 インターナショナル・コンペティション部門作品募集として2014 年 9 月 1 日より 2015 年 4 月 15 日(消印有効)の期間で受け付けた作品から、10 名の選考委員により厳正な選考を行い、15 作品を上映作品(別紙リスト参照)として決定いたしました。
●応募総数 116 の国と地域から 1,196 本(前回比 103.7%)
(アジア千波万波部門[現在選考中]は 59 の国と地域から 678 本)
2 つの公募部門を合わせると、124 の国と地域から 1,874 本(前回比 105.1%)
●比較 前回(YIDFF 2013 インターナショナル・コンペティション)は 117 の国と地域から 1,153 本
●応募傾向 撮影フォーマットは前回同様、圧倒的にビデオ撮影が多く、2K など高精細度画質のものが増えてきています。
応募国・地域 1 位 ドイツ 146 本(前回 139 本)
2 位 フランス 137 本(前回 124 本)
3 位 アメリカ 120 本(前回 113 本)
4 位 日本 93 本 (前回 113 本)
今回応募・制作国としての初参加国は、ギニア、ギニアビサウ、赤道ギニア、西サハラの4 ヶ国(地域)です。またフランス、イタリア、ポーランド、中国からの応募数が前回より増えています。東日本大震災を題材とした作品は海外からも応募がありました。

公式サイト http://www.yidff.jp
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執筆者

Yasuhiro Togawa