この度、「ヴェネチア史上最高の映画!(ポジティフ誌)」と絶賛!
アカデミー賞®受賞作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を抑え第71回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞(グランプリ)を受賞した『さよなら、人類』が8月8日(土)、YEBISU GARDEN CINEMAにて公開致します。

【予告編】https://youtu.be/3kclKuSNfd8

監督は、スウェーデンが誇る映画界の巨匠ロイ・アンダーソン。
スウェーデンといえば、近年話題の北欧独特のインテリアや空間デザインの魅力が先行されがちですが、実はこれまで映画界をけん引してきた巨匠・鬼才を数多く輩出した映画大国の一面も持っています。
独特の世界観で、人々を魅了し続けているスウェーデン映画の魅力とは?
そして、熱狂的なファンをもつスウェーデンが誇る映画監督ロイ・アンダーソンの魅力に迫ります!

熱狂的なファンをもつ、ロイ・アンダーソン監督の魅力とは…!?

『さよなら、人類』予告編でナレーションを担当した板尾創路さん(芸人)、倉本美津留さん(放送作家)、岡田利規さん(演劇作家)、
福里真一さん(CMプランナー)などなど…著名人からもアツいコメントが寄せられ、業界の垣根を越えて熱狂的なファンが多い、ロイ・アンダーソン監督。
既に、Twitter上では、最新作公開が待ちきれない!との一般の方々からの声も多い。そんなロイ・アンダーソン監督って、一体どんな人?!

◎デビュー作から、その才能を世界が絶賛!
弱冠26歳で完成させた、『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』 (‘69)は、初の長編映画にして、ベルリン国際映画祭で4つの賞を受賞。
少年と少女の淡い恋を瑞々しく描いた本作は、スウェーデンで70万人を超える動員を記録し社会現象にもなった。
以降、2作目『Giliap』がカンヌ国際映画祭併催の監督週間に選出。『Something Happened』(‘87)と『World of Glory』(‘91)の2本の短編がクレルモンフェラン国際短編映画祭で受賞。
人間の本質がシニカルな視点で描かれた“リビング・トリロジー”3部作の<序章>『散歩する惑星』(‘00)はカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞。
続く<第2章>『愛おしき隣人』(‘07)では、スウェーデンアカデミー賞にてグランプリを含む3冠に輝いた。
ロイ・アンダーソン唯一無二の、固定ショットや綿密に構想された絵画的なシーン、不条理な笑い、本質的なヒューマニティは各国の映画祭が大絶賛。
5作目となる長編映画『さよなら、人類』は、15年かけて完結した“リビング・トリロジー”の最終章として、公開前から高い期待を集めている。

◎独自の映画制作スタイルを確立!
自由に映画をプロデュース・制作できるよう1981年、巨大なスタジオStudio24をストックホルムに設立。
ロイ・アンダーソンにしかできない独自のユニークな映画制作スタイルを発展させた場所。
CG全盛の時代に、細部にまでこだわったセットを組みたてスタジオで撮影した『さよなら、人類』も、ここで4年の歳月を経て完成した。

◎CF界でも才能を発揮!
映画製作の傍ら、1975年にコマーシャル監督としてのキャリアをスタートさせる。
世界3大広告賞の一つといわれる世界最大級の広告フェスティバル、カンヌ広告祭ではゴールドライオンを8度受賞。国民的CMを数多く手がける

ロイ・アンダーソン独特の感性と、それを活かすための最高の環境から生み出された作品の数々は、日本でも多くのクリエイターから支持され、愛されている。
人間であるがゆえの愚かさ、滑稽さをユーモアに包みながら描き出してきた監督の魅力は、どこまでもこだわって1つの作品を完成させる、そのスタイルにあるのかもしれない。

ロイ・アンダーソンだけじゃない?
映画史に影響を与えてきたスウェーデン映画界の巨匠たち

昨年公開のものだけでも、『シンプル・シモン』 (アンドレアス・エーマン監督)、『ストックホルムでワルツを』 (ペール・フライ監督)、『100歳の華麗なる冒険』 (フェリックス・ハーングレン監督)等々…と、日本でもヒットを記録したスウェーデン映画が名を連ねる。
加えて、今年は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した『フレンチアルプスで起きたこと』(リューベン・オストルンド監督/7月4日公開)、そしてロイ・アンダーソンの最新作『さよなら、人類』(8月8日公開)と、公開前から評価も高く、期待も大きい作品ばかり。
今年もスウェーデン映画人気の勢いはとどまるところを知らない。ロイ・アンダーソンをはじめ、スウェーデンには世界中に影響を与えている監督が数多くいる。
一般には、意外と知られていない!?スウェーデンの巨匠たちをご紹介!

【ロイ・アンダーソンだけじゃない!世界で活躍・スウェーデン映画界の巨匠】
■イングマール・ベルイマン(1918-2007)
黒澤明、フェデリコ・フェリーニとならび「20世紀最大の巨匠」と称される、スウェーデンを代表する世界的な映画監督。
スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリックやトリュフォー、ゴダール…そして現在に至るまで、ベルイマンに影響を受けた監督は数多い。
『第七の封印』(‘57)『野いちご』(‘57)『処女の泉』(’60)で各国の映画賞を受賞し、世界的名声を確立。スウェーデン映画界の基盤を築く。

■ラッセ・ハルストレム(1946-)
『アバ/ザ・ムービー』(‘78)が世界的にヒット。『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(’88)がアカデミー監督賞にノミネート。
以後、ハリウッドでも活躍。『サイダーハウス・ルール』(‘00)、『ショコラ』など、アカデミー賞ノミネート作品を続々発表。
スウェーデンは勿論、世界的に評価の高いドラマ性のある作品を手掛けている。

■トーマス・アルフレッドソン(1945-)
ヴァンパイア映画『ぼくのエリ 200歳の少女』(‘08)で国際的に知られ、ハリウッドでは『モールス』(’11)としてリメイクされた。
またジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化で、ゲイリー・オールドマンを主演に迎えた『裏切りのサーカス』(’11)はヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、金獅子賞にもノミネートされた。

北欧の中でも、一際異彩を放つ監督を多く輩出しているスウェーデン。今後も、今まで観たことのない世界をみせてくれるスウェーデン映画から目が離せない!

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執筆者

Yasuhiro Togawa