2010 年カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『神々の男たち』グザヴィエ・ボーヴォア監督の最新作、『チャップリンからの贈りもの』が、7月 18 日(土)より YEBISU GARDEN CINEMA 他全国順次公開されます。時を同じくして、誘拐犯との交渉や、身代金の受け渡しなど、ドラマチックな展開の多い誘拐事件を主題とした映画が、今月 5 月より 3 ヶ月連続で公開されます。小説原案の作品や、実話を元に描かれた作品、また一風変わった誘拐事件を心温まるドラマ仕立てに描いた作品など、多種多様な<誘拐映画>が揃いました。中でも本作『チャップリンからの贈りもの』は、まさかの実話であるということ、さらにチャップリン銀幕デビュー100 周年記念作品ともあって、注目を集めております。
いつの時代も映画やドラマのテーマにされ続けている“誘拐”というスリリングな設定は、夏に向けて立て続けに公開される映画によりブームになるかもしれません!

5 月 30 日より公開中のリーアム・ニーソン主演の『誘拐の掟』は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランドマスター賞など数々の受賞歴を誇る巨匠、ローレンス・ブロックの代表作“マット・スカダー”シリーズの一編「獣たちの墓」を映画化。交渉不可能な凶悪な誘拐犯と、リーアム・ニーソン演じる私立探偵の戦いが描かれます。また、ピーター・R・デ・ヴリーズの「The Kidnapping of Alfred Heineken」(1987)を原作として作られた映画『ハイネケン誘拐の代償』(6 月 13 日より公開中)は、1987 年に実際に起こった大ビール企業「ハイネケン」の経営者誘拐事件を取り上げている。武装した 5 人の若者に誘拐されたアルフレッド・ハイネケンは 3週間後、身代金を引き換えに無傷のまま解放。その後、犯人グループは逮捕されるも身代金の行方は解明されていないという実際に起こった事件を、誘拐した者と誘拐された者、両者の視点で描き事件の裏側に迫った作品となっている。

そして、7 月 18 日に満を持して公開されるのが、チャップリン 1978 年に実際に起こったチャールズ・チャップリンの遺体の誘拐事件を描いた『チャップリンからの贈りもの』だ。チャップリンの死からおよそ 2 ヶ月後に起こった遺体の誘拐事件、当時は世界中が衝撃を受けたニュースだった。2人の犯人は逮捕され事件は無事に収束したが、約40年のときを経てこの度、被害者であるチャップリン遺族の全面協力を得て映画化!
チャップリンの息子と孫娘が特別出演しただけでなく、『黄金狂時代』『街の灯』『ライムライト』など往年の名画名曲名シーンが散りばめられオマージュあふれる作品となっており、まさに「チャップリンからの贈りもの」といえる映画化が実現した。

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執筆者

Yasuhiro Togawa