スリーシェルズ、JCAは、作曲家 芥川也寸志の生誕90年を記念して、日本映画でも屈指の名作「八甲田山」「八つ墓村」「鬼畜」の音楽をオーケストラで再演する。とくに「八つ墓村」は行方不明の楽譜を三年かけて復元した。ほかにも、芥川の父である龍之介の小説「河童」によるバレエ音楽や、NHK大河ドラマ「赤穂浪士」による組曲などが演奏される。新聞やラジオで話題となっているコンサートをお聴き逃しなく。
日本映画の傑作「八つ墓村」「八甲田山」をフルオーケストラで!
生誕90年!作曲家 芥川也寸志(あくたがわやすし)
5月31日に記念コンサート開催

日本映画の傑作を音楽で支えた作曲家 芥川也寸志(1925-1989)の生誕90年コンサートが開催されます。文豪 芥川龍之介の息子でもある芥川也寸志の感動的な音楽をプロのオーケストラでたっぷりと聴けるまたとない機会となるでしょう。

「たたりじゃ〜!」の流行語でも知られる金田一耕助シリーズの映画「八つ墓村」は、映画音楽としても日本映画史に残る傑作です。芥川も「私の映画音楽の集大成である」と語っています。しかし、楽譜が行方不明でした。今回、作曲家の徳永洋明の三年におよぶ綿密な復元作業をへて15分を超える壮大な組曲としてよみがえります。

今なお人気を誇る映画「八甲田山」(1977)もこれまで演奏されたものとは違う新構成で、15分を超えた組曲となります。他には映画「鬼畜」(1978・松本清張原作)の組曲も演奏される予定です。これらは日本アカデミー賞を受けた日本映画の傑作です。

偶然ではありますが、2015年はこの3作の映画に関わった野村芳太郎監督の没後10年でもあるのです。

もうひとつの目玉はバレエ音楽「河童」(1951)です。これは、芥川龍之介が晩年に書き上げた傑作「河童」を原作とするバレエに、その息子である也寸志が音楽をつけたものです。時を越えた親子共演となります。このバレエの存在は、発表当時は話題となりましたが、現在は一部で知られるのみ。資料は殆ど散逸しており、幻の作品となっていました。今回、作曲家の清道洋一によって復元構成され、組曲としてよみがえります。コンサートでの上演は初。64年をへて幻のバレエ音楽復活となります。

幻の音楽の復活となるNHK大河ドラマ「赤穂浪士」組曲や、日本のテレビ放送の最初に流れた「NHKテレビオープニングテーマ」も貴重!

休憩時間中にはストリートオルガンを演奏できるコーナーも設営予定です。

演奏は、映画「ゴジラ」を中心に伊福部昭百年紀で映画音楽を復活させて大きな注目を浴びたオーケストラ・トリプティーク(指揮:松井慶太)。新聞、テレビでも話題となり、クラシックCDチャートで1位も記録した実力派の演奏です。
制作はスリーシェルズ。チケットはカンフェティ、イープラス、東京文化会館から販売中。

カンフェティ
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=27616
イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U14P002149318P0050001
東京文化会館
http://www.t-bunka.jp/ticket/
新聞でも大きく取り上げられ、ラジオでも話題のコンサート、お聴き逃しなく!

2015年5月31日(日) 14時開演
きゅりあん(品川区立総合区民会館) 大ホール
【曲目】
◆映画「八甲田山」組曲(1977)
 第1回日本アカデミー賞最優秀音楽賞作
◆映画「八つ墓村」組曲(1977/復元構成:徳永洋明)
 第1回日本アカデミー賞最優秀音楽賞作
◆映画「鬼畜」組曲(1978/構成:清道洋一)
 第2回日本アカデミー賞優秀音楽賞作
◆芥川龍之介の小説によるバレエ「河童(Kappa)」組曲(1951/構成:清道洋一)
◆大河ドラマ「赤穂浪士」組曲(1964/構成:徳永洋明)
◆小管絃楽のための組曲より(1949/舞台初演)
◆みつばちマーチ(1967)
◆祝典組曲 No.3 マーチインド(1959/編曲:清道洋一)
◆NHKテレビジョンのためのオープニングとエンディング
 ほか。
【料金】
 S席(一般):6,000円 (学生):5,000円
 A席(一般):5,000円 (学生):4,000円
 B席(一般):4,000円 (学生):3,000円
※未就学児入場不可
※学生=小学生〜大学生・大学院生・専門学校他、各種学生
指揮:松井慶太
演奏:オーケストラ・トリプティークhttp://3s-ca.jimdo.com/、森ミドリ(チェレスタ)、今江望(ストリートオルガン)
構成・復元:徳永洋明、清道洋一
企画:スリーシェルズ(西耕一)
助成 公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団
後援 公益財団法人 サントリー芸術財団
協賛 松竹音楽出版、NCネットワーク、unty、山下晶子
協力 松竹音楽出版、東宝ミュージック、日本編作曲家協会、東京ハッスルコピー、伊福部昭百年紀、芥川眞澄
主催 芥川也寸志生誕90年コンサート実行委員会
渡壁?、徳永洋明、清道洋一、小林淳、西耕一、内原康雄、大橋鉄雄、山口翔悟、西脇博光
【お問い合わせ】
スリーシェルズ http://www.3s-cd.net/
TEL. 07054645060
芥川也寸志生誕90年ページ
https://www.facebook.com/akutagawa1925

チケット販売
カンフェティ
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=27616
イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U14P002149318P0050001
東京文化会館
http://www.t-bunka.jp/ticket/
黒柳徹子さんからのメッセージ
芥川也寸志さんとは、本当に、長いおつきあいだった。NHKテレビの音楽の広場は、七年間くらい御一緒した。一番はじめに二人の連弾からスタートするのだけど、私がピアノが下手なため、すべてをハ長調にして弾いた。芥川さんは、いつも、ニコニコして、「いいですよ」といって、G線上のアリアも、ハ長調で弾いて下さった。
その前にも、芥川さんの指揮のコンサートの司会とか、五十年くらい前から、ご一緒に仕事をさせて頂いた。私が、この世界に入ったのは、藤城清治さんの人形劇「雪の女王」を見て、自分の子どもに、絵本や人形劇をしてやれるお母さんになろう、と思ったのが、きっかけだった。後年、芥川さんに、この話をしたら、音楽は芥川さんだった。やっぱり上質なものは、人の心を動かすのだ、とわかった。うんと後年になって、芥川さんから伺った話。芥川さんは、お父さまが早く亡くなって、お金がなかった。私の父が、N響のコンサートマスターをしていて、N響のメンバーからそれぞれのトップの人と四人で、「東京弦楽四重奏団」というのを作って、私の家で練習した。はじめの頃は、チェロは齋藤秀雄さんだった。芥川さんは家が近かったとかで、練習がはじまると、私の家の応接間の下にしゃがんで、練習を聞いた。チケットを買えなかったからだ。音楽学校の生徒の頃だった。「でも、聞けてよかったよ」と、芥川さんは、うれしそうにおっしゃった。「小さかった私を見た?」と聞いたら、「見なかった」とおっしゃった。もし、その頃あっていたら、私達は、本当に、古い友達だったはずだ。
「音楽の広場」で、一緒に行った日本中に、芥川さんは、おみやげの曲を届けた。いまも、演奏されていると思う。

執筆者

Yasuhiro Togawa