アルコールとギャンブルをこよなく愛するちょい悪オヤジのヴィンセントは、街で評判の気難し屋だ。ある日隣に引っ越してきた12歳のオリバーの放課後の面倒を見ることに。いい年をして物わかりのいい大人になれないヴィンセントと、両親の離婚で早く大人になってしまったオリバー。初めは反発しあっていた2人だったが、オリバーがヴィンセントの本当の優しさに気付いてから、意気投合して行く店。これは、人生に空しさを感じ始めていた男が、年のかけ離れた少年との友情を通して、もう一度‘生きる力’を取り戻していく物語だ。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』(原題「ST.VINCENT」」は、2014年北米でたった4館からスタートし、4週間後には2500館に拡大、最終的には4400万ドルを突破する驚異の快進撃を果たし、全米を笑いと涙で包んだハートウォーミングな感動作。

昨年トロント国際映画祭でワールド・プレミアが行われると、たちまちビル・マーレイへの高い評価が飛び交った。「オスカー候補入り間違いなし」「彼のキャリアで最高の演技」と言われ、残念ながらオスカーノミネーションはかなわなかったものの、2015年のゴールデン・グローブの主演男優賞にノミネートされたほか、多くの批評家から絶賛を浴びた。監督と脚本を手掛けたセオドア・メルフィはこれが初長編作ながら、同作品賞にノミネートされ、各地の映画祭でも話題をかっさらった。ほかメリッサ・マッカーシーが悩めるシングルマザーを、ナオミ・ワッツが妊婦のストリッパーを演じ、それぞれ型破りな役柄で観る者に新鮮な驚きを与えている。また、オリバー役でビル・マーレイ相手に堂々と渡り合ったジェイデン・リーベラーは、ラスベガス映画批評家協会賞始め数々のベスト子役賞を受賞した。

ティザーキーアートも同時に発表、クラシックカーを運転し、サングラスをして助手席にはロシア人ストリッパーを乗せたヴィンセントと、その車に必死に併走しているオリバー、後ろには心配そうなオリバーのママ・マギーを配置して、問題だらけの彼らの関係性を表した、疾走感あふれるキービジュアルとなっている。

はたしてタイトルが示す‘ヴィンセントが教えてくれたこと’とは一体なんなのか。
『ヴィンセントが教えてくれたこと』は、秋全国ロードショーとなります!

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執筆者

Yasuhiro Togawa