ラジウム・ガールズ——1910〜20年代アメリカ、時計の文字盤に夜光塗料を塗るペインターとして働き被爆した若い女性たちがいた。筆先をなめて尖らせるよう指導された彼女たちは、その後、腫瘍や骨障害で苦しみ、多くが亡くなっていった。『ラジウム・シティ 〜文字盤と放射線・知らされなかった少女たち〜』は内部被曝の存在が広く知られるきっかけとなったラジウム・ガールズの物語、その後の街に生きる人々を描いたドキュメンタリーである。

舞台となるのは、アメリカ中西部、イリノイ州オタワ市。半世紀以上たってもなお、取り壊された工場の欠片が町中に散らばり、ホットスポットを生み出している。キャロル・ランガー監督は、かつてのラジウム・ガールズやその家族、そしてオタワの住民たちによる証言を記録し、一本のフィルムとして完成させた。目に見えない放射能による被害、企業や政府の隠蔽体質、恣意的に引き上げられる安全基準値、地域経済における産業と雇用の抱える困難……浮き彫りにされるさまざまな問題は、現代を生きるわたしたちにとっても決して無縁のことではない。

本作は国内外の映画祭で高い評価を受け、米国のみならず各国のTV局で放映、アカデミー賞候補と目された。また、米国環境保護庁がオタワの除染作業にスーパーファンド法を適用するきっかけにもなった。

4月13日(月)渋谷アップリンクにて公開!
シネマ ジャック&ベティ、名古屋シネマテーク、京都みなみ会館、第七藝術劇場、神戸アートビレッジセンター、山口情報芸術センター[YCAM]など、全国順次上映!!

☆渋谷アップリンクにて限定上映+ライヴ・トークショー!

上映期間:4月13日(月)より6月中旬まで

<Phewライヴ+上映>
4月13日(月)19:00〜

<トークショー+上映>
4月18日(土)15:00〜 ゲスト:小林エリカ(作家・マンガ家)
4月28日(火)19:00〜 ゲスト:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
5月27日(水)19:00〜 ゲスト:大澤真幸(社会学者)
 いずれも聞き手は松村正人(編集者)

※以降もライヴ・トークショー付上映を開催予定、詳細はHPに順次UPいたします。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53571

執筆者

Yasuhiro Togawa