1997 年、第 4 回電撃ゲーム小説大賞金賞を「猫目狩り」で受賞後に文壇デビュー、ライトノベル小説「半分の月がのぼる空」シリーズで知られる橋本紡。同著者によるせつない人間ドラマが描かれた小説『流れ星が消えないうちに』(新潮文庫刊)の映画化が、このたび決定した。本著は、新潮社が毎年選ぶ「新潮文庫の 100 冊」に、ここ数年、連続で選ばれており、広く親しまれている作品。大切な人の突然の死で傷ついた主人公が、想い出の中でたゆたう日々から、再び前に向かってゆっくりと歩き出す姿が描かれる。

本山奈緒子は 21 歳の女子大生。突然の事故死により無二の存在だったかつての恋人を失くして以来、彼のことをいつまでも忘れられず、ことあるごとに思い出してしまう幻影に苦しみ、心の整理が出来ないまま日々を過ごしていた。
「過去」に立ち止ったままでいた奈緒子だが、同じ傷をもつ現在の恋人・巧、そして家族との関わりにより、やがて少しずつ「今」を取り戻していく。流れ星に新たな願いをこめて…。

主人公を演じるのは、波瑠。TV ドラマ「BORDER」(テレビ朝日)では女性検視官を知的かつクールに演じ、また映画
『がじまる食堂の恋』(主演)では恋心に揺れる女性を、来年 1 月公開の『アゲイン 28 年目の甲子園』では震災で亡く
なった父の想いを探す娘を演じている。現在放映中の TV ドラマ「ごめんね青春!」(TBS)にも出演中。さらに女優としてだけではなく、雑誌「non-no」の専属モデルでもあり、同世代の女性たちから多くの支持を得る存在。ほか、CM 出演やバラエティ番組「A-Studio」(TBS)にて MC・笑福亭鶴瓶のアシスタントを今年 3 月まで務めるなど、幅広く活躍中。

今後ますます期待されている注目株の若手女優だ。
メガホンを取るのは、『黒振り袖を着る日』(山形国際ムービーフェスティバル 2007<船越英一郎賞>、 SKIP シティ
国際 D シネマ映画祭 2008<奨励賞>受賞)、『君の好きなうた』(2011)の柴山健次監督。様々な作品の助監督を
務めながらもオリジナルビデオなどの演出を手がけ、練達した演出力により、ヒューマンドラマ作品を撮り続けている。
本作は、12 月クランクイン予定。武蔵野、三鷹両フィルムコミッションの協力により、両市にてオールロケとなる。
2015 年公開予定。

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執筆者

Yasuhiro Togawa