この度、タンゴを巡る旅を描いたドキュメンタリー『白夜のタンゴ』が2014年11月22日より、ユーロスペースほか全国順次公開致します。
“タンゴはブエノスアイレスで生まれたもので、アルゼンチン人ほどタンゴに情熱を注いでいる人々は存在しないー。”アルゼンチン人はもちろん、世界中の多くの人々がそう思っています。そんな中、その説に異議を唱える人がいます。フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキです。
『タンゴはフィンランドで生まれた音楽なんだ。』カウリスマキ監督を始め、彼の仲間であるフィンランドのミュージシャンたちも、それを確信しています。
この説を聞きつけた、3人のアルゼンチン人ミュージシャン。全く納得いかない彼らは、真実を確かめる為、フィンランドへ旅に出ます。本作は、タンゴのルーツを求めてフィンランドの地を旅する彼らを通して繰り広げられる、ユーモラスで人への愛に満ち溢れた音楽ドキュメンタリーです。

幼い頃、姉とふざけあいながらデタラメに踊った
あのリズムとメロディーは、タンゴだったんだなあ。
タンゴは誰のものでもない。
それぞれのやり方でいいのだと、穏やかな表情で
自由にステップを踏むフィンランドのおばあちゃんたちを
見ていて思った。フィンランド流の穏やかで優しいタンゴは、
フィンランドの自然そのものだった。
ー菊池 亜希子(女優・モデル)

タンゴのように美しく、力強く、そして繊細な作品。
フィンランドの独特な空気が溢れていて、
フィンランド人の男性が女性に愛を伝えるために、
タンゴがどれほど大切なのものなのかを感じとることができる。
白夜の魔法とタンゴ—それさえあれば何もいらない 
ーミンナ・ケメル‐クトゥボネン(マリメッコ・プリントデザインディレクター)

熱い想いをタンゴで告げられてみたい!
タンゴで表現するのは言葉にできない感情
シャイな男たちの愛の告白
それはどこの国でもきっと変わらない
ーKIKI(モデル)

地球の北端と南端にあるフィンランドとアルゼンチン。
ともにタンゴこそ自分達の魂を伝える音楽として熱狂的に愛している。
私はフィンランドに住んで今年で丁度50年。
フィニッシュタンゴなんて野暮でださくて、聴くに値しないとずっと思ってきた。
でも、この映画でブエノスアイレスのタンゴミュージシャン3人とともに北欧での生活や文化との葛藤を経験しながら、ついにはフィンランド・タンゴの調べに滂沱の涙を流している自分がいた。
素晴らしい映画で何度でも見たいと思っている。
舘野 泉(ピアニスト)

「タンゴ」のはじまりを求めフィンランドにくるまを走らせるアルゼンチン3人組。
こたえは、だが過去の霧のむこうにかすみ、そんなことより、いま、発音し、音楽を奏でる人、人たちとつながる実感こそがよろこびに。
小沼 純一(音楽・文芸批評)

「良い物は世界の財産で、悪い物は地域の問題さ」
喧嘩腰で殴り込みに行って、最後にはキスとハグを交わす。
まるで生き別れの兄弟が、大人になって初めて出会う光景を見るようだ。
(カウリスマキ監督はさしずめ、お節介で口うるさい親戚のオバチャンか?)
兄は静かに、弟は情熱的に、どちらも〈親〉を深く愛している。
岡田 育(編集者・文筆家)

広い空と大地、美しい街並み、
そして繊細ながらも情熱を秘めた音楽。
おぼろげに感じていた両国に共通する印象が、
やっと一本の糸でつながりました。
栗本 斉(旅&音楽ライター/選曲家)

恥ずかしがり屋のフィンランド人と、情熱的なアルゼンチン人。
正反対だけど心は1つ。
タンゴとは、彼らの「旅」を導く優しく切ない地球言葉。
愛しいやり取りに何度も微笑み、笑ってしまいました。
平凡な毎日に潜む人間ドラマ、その瞬間や想いを引き出す魔
法がタンゴにはあるように思います。
竹本 祐三子
(H.P.FRANCE アメリカス本部ラテン事業部 ディレクター)

元オルケスタ・ティピカ・フェルナンデス・フィエーロのチーノ・ラ
ボルデ(vo)、そのチーノとのデュオでも活躍するディエゴ・ク
イッコ(g)、ビセベルサのグレコ兄弟の父パブロ・グレコ(bdn)。
誇りと気安さが同居するアルゼンチンの音楽家気質が、清涼
な緑の風景で行なう魂の交歓、音楽版人情噺。
伊藤 亮介(大洋レコード)

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執筆者

Yasuhiro Togawa