6月27日から公開された『渇き。』。『告白』の中島哲也監督最新作で、公開後、ソーシャルやレビューサイトにあげられる感想は真っ二つに分かれ、近年稀にみる賛否両論の嵐になっている。
そんな中、配給会社ギャガから映画公開に際して中島哲也監督から寄せられた観客へのメッセージが公開された。

「人間の愛と、憎しみの感情は決して対極にあるものではない。日々を生きながら、そして「告白」という映画を作りながら強く感じたその気持ちは、僕の次なる映画のテーマになりました。映画『渇き。』僕が初めて、どうしても撮りたい、撮らなければならないと思った映画です」と、本作の製作にあたっての思いを綴り、「この映画の主人公は、暴力でしか人とつながれない。でも、つながった途端、その人を傷つけ、壊し、失ってしまう。そんな人間の孤独は悲劇であり、喜劇です。」と、役所広司演じる藤島という主人公に惹かれたからこそ映画化に至ったことを明かす。
最後に、「ロクデナシの父、藤島とアクマの娘、加奈子の愛と憎の物語をぜひ劇場でご覧下さい。グロ過ぎたらホントに申し訳ありません」と直筆でコメントが書かれている。
近年稀に見る、賛否両論の嵐!

◆学生に見せてはいけない映画?
本作を見たユーザからは、「学生に見せてはいけない映画」と酷評な意見が続出。というのも、初日から8日間限定で学生1000円キャンペーンを実施していることから、「子供である学生に割引で見せるという事の見識を疑う」「R18の間違いじゃない?」という見解。「とにかく、一刻も早く上映中止にすべきだ!」という主張を示す意見もでてきており、普段レビューを投稿しないユーザまでもが過激すぎる暴力描写の映画に対して学生への鑑賞抑止のために投稿している。一方、「そんなに今の高校生がバカではないと信じたいし、そういったものを映画の中で美化した表現の映画ではないと感じました」という意見もあり、絶賛組との対立意見がレビューサイトでは交錯する。

◆グロテスク×エロス×バイオレンス!
このような意見がでた理由はすばり、とにかく「グロテスク×エロス×バイオレンス!」な映画であるということ。「史上最悪の不快度100%のクソ映画!出演者は全員、悪人か、バケモノか、キチガイ。ヒューマンドラマでもないし、ハッピーエンドでもない。まともな感覚でこの映画を観ると、確かに大きなしっぺ返しを招く」ことから映画の好き嫌いがはっきりと分かれている。「今まで見た映画で一番最悪。自分の脳から消し去りたい」「気持ち悪くなったし気分が悪くなった」と生理的に受け付けない意見が後を絶たない。しかし、「映画の力を感じる」「語られているのはとてつもなくひどい話なのだが、観終わってシャキッと元気が出た」「グロテスクでありながら、美しい」「傑作でした。これ以上の作品はたぶんしばらく観ないだろ」とただの不快な映画ではなく、「スクリーンにエネルギーがほとばしる映画」だという絶賛の声が挙がる。

◆合言葉は「衝撃作!」「めちゃくちゃ!」「最低!」「ぶっ飛んでいる!」
賛否両論とされているが、一貫して挙げられるワードが「衝撃的!」「めちゃくちゃ!」「最低!」「ぶっ飛んでいる」。このワードが人それぞれによっていい意味でも悪い意味でも捉えられ、反響を呼んでいる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa