イギリスの少年院を舞台に、若者たちが体験する凄惨な生き地獄と支配システムの暴力性を容赦なきリアリズムで描き、『さらば青春の光』(79)と表裏をなす、英国映画史上最も物議を醸した、超問題作! 当時として暴力表現最大レベルにつき、本国イギリスでX指定、衝撃の『SCUM/スカム』が35年の時を経て日本初公開!!

平素より大変お世話になっております。先日発表いたしました、今まで一度も日本で上映されてこなかった、世界の驚愕の映画を上映する≪初公開!世界のどす黒い危険な闇映画≫。第一弾の『荒野の千鳥足』に続き、第二弾として1979年イギリス製作の超問題作『SCUM/スカム』を新宿シネマカリテにてレイトショー公開する運びとなりました。
本作は、イギリスの様々な媒体が選出するランキングで「気がめいる陰鬱な映画トップ30」の第19位、「映画史上最も厄介でえげつない囚人TOP50」の第19位、「行き過ぎてしまった映画のシーンTOP10」の第3位、「発禁処分を喰らった経験のある映画TOP10」の第7位などに選出された、70年代末のイギリスの少年院の実態を赤裸々に描いた衝撃作。
もともと1977年にBBCにてTVムービーとして制作、リアルすぎる暴力描写と体制批判により、各方面からの徹底した圧力がかかって放送禁止&お蔵入り。しかしこの状況に屈しなかった映画制作者たちは2年後の1979年、同じ脚本、同じ監督、ほぼ同じキャストで劇場公開映画としてセルフリメイク。「TV」から「映画」へと舞台を移し、当時社会問題ともなっていた少年院の暴力的な支配/管理システムをリアリティ溢れる描写で提示しました。そして本作は、『怒りを込めて振り返れ』(58)、『長距離ランナーの孤独』(62)に代表される“怒れる若者たち”を描いた作品群の流れを汲み、『時計じかけのオレンジ』(71)を経て、同年公開の『さらば青春の光』(79)と表裏を成す、労働者階級の若者たちの反逆精神とそれを圧殺する支配体制の恐るべき実態を描いた、イギリス映画の伝統を受け継いだ正統的作品であります。しかしながらその描写の凄惨と陰鬱を目の当たりにするには、相当な体力と覚悟が必要です。その旨ご注意いただきますようお願いいたします。なお本作の字幕監修は、映画『THIS IS ENGLAND』の監修も手掛けている「the原爆オナニーズ」のTAYLOW氏が担当しております。

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執筆者

Yasuhiro Togawa