「おろち」「洗礼」「まことちゃん」など、独特の世界観を持つ数々の作品で社会現象を巻き起こした恐怖漫画の巨匠・楳図かずおが、77歳にして長編映画監督デビューを果たす映画『マザー』のポスタービジュアルがついに完成しました!

 1995年以降、腱鞘炎のため休筆を続けている楳図が、自ら脚本も手掛け挑む映画の内容は、今まで数々の作品で読者を魅了してきた「楳図ワールド」の秘密を解き明かすような自叙伝的なストーリー。
幻想と現実の狭間で繰り広げられる恐ろしくもせつない最恐ホラーです!

 ポスターでは、主人公の「楳図かずお」役を演じる歌舞伎俳優・片岡愛之助が、楳図のトレードマークともなっている赤白ボーダーシャツ姿で登場。鬼気迫る表情で創作する中で、彼の想像が具現化し別世界の中に入り込んでいく姿を表現しています。

ポスタービジュアルについて、楳図監督は、

「愛之助さんがボーダーシャツを着て、僕になること自体がホラー。そんな愛之助さん演じる楳図かずおが
これから一体何をするのか、意味深で、期待感のあるポスターになりました。愛之助さんの背後の壁には、この映画を読み解く大切なメッセージが散らばっています。完成した映画は、ホラーの既成概念にとらわ
れている方がご覧になったら、こんなホラーもあるのかと感じるような、超恐いけど、グッとくる、恐ろしくも悲しく切ないお話に仕上がったと思います」

と語り、初監督作品に手ごたえを感じています!!

<楳図かずお プロフィール>

1936年9月3日和歌山県生まれ、奈良県育ち。1955年、18歳で「森の兄妹」でプロデビュー。1966年には講談社「少女フレンド」に連載した「ねこ目の少女」「へび少女」で恐怖漫画の第一人者として知られるようになる。1967年「少年画報」にて連載した「猫目小僧」は1976年にTVアニメ化されている。1975年「漂流教室」ほか一連の作品で小学館漫画賞を受賞。一方で1976年から発表した「まことちゃん」でシュールなギャグが大ブレイクし、“グワシ”ポーズが社会現象となった。その後も「おろち」「わたしは真悟」「14歳」など、時代を先取りした独創的な作品を次々に発表、その多くが映像化されている。創作活動と並行して活発に音楽活動も行っており、1975年にLP「闇のアルバム」、2011年セカンドアルバム「闇のアルバム2」をリリース。現在は腱鞘炎悪化のため休筆中だが、タレント、音楽家として稀有な独創性を発揮し続けている。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52181

執筆者

Yasuhiro Togawa