沖縄の離島・南大東島を舞台にした初めての映画『旅立ちの島唄〜十五の春〜』(吉田康弘監督/製作:「旅立ちの島唄〜十五の春〜」製作委員会 配給:ビターズ・エンド)が、先週末4/27(土)、沖縄・桜坂劇場、リウボウホールにて全国に先駆けて公開され、4/27(土)〜4/29(月・祝)の3日間で計1905名来場という大ヒットスタートを切りました。これは同劇場で公開された作品と比較すると、本作同様に家族を描いたヒット作『エンディングノート』(11)や、故若松孝二監督作品で、慰霊の日に先行上映されるなど沖縄ではひときわ大きな話題をよんだ『キャタピラー』(10)をしのぐ集客となる好成績。さらに、2013年の公開作としては同劇場のNo.1の記録です。

公開前には、沖縄キャンペーンで訪れた主演の三吉彩花、小林薫、吉田監督のインタビューが連日テレビ、ラジオ、新聞に登場し、4/27の初日には待ちわびた人々による行列ができ、小中高生からその家族、若者など幅広い客層が来場。なかでも目立ったのが、シニア層。「沖縄のおじいおばあはめっちゃ元気」と日頃から評判だが、「初日からこんなにたくさん足を運んでくれるなんて感激」と劇場スタッフを驚かせました。
上映後は、映画の余韻が冷めやらぬ観客が号泣する姿が多く見られ、特に主演の三吉彩花の健気さ、可愛らしさに「孫にしたい」「沖縄の子みたいで、本当に良かった」「父親(小林薫)の気持ちに泣ける」とおじいおばあがこぞって感涙!ほかにも「当たり前の日常が輝いて見えた。毎年春になるときっとこの映画を思い出す」「いずれは巣立つ娘と照らし合わせ、涙なしには観られなかった」「よくある観光案内の沖縄映画じゃないところがいい。こんな沖縄映画が観たかった」「離島の人々の気持ちを初めて知った」「さとうきび畑の光景に感動。映画を観たすべての人がTPPに反対してくれたらいい」「南大東島出身なので監督に感謝を伝えたい」など、自分と家族を重ね合わせ号泣したという感想や、これまでにない沖縄映画だという感想が多く寄せられました。28日には琉球放送で30分番組の特番が組まれ、今後も口コミによってさらに広がることが期待されています。

沖縄での大ヒットを受け、主演の三吉彩花は、「沖縄の方々に受け入れていただけた映画なんだと思い、とても嬉しい気持ちでいっぱい」とコメント。吉田監督は「美化せずリアルに描いた映画が、沖縄の皆様に温かく受け入れられ大変嬉しい」と、現地で受け入れられたことへの喜びを語っています。現代の日本が失ってしまった家族の想いがいまも生きていると東京のマスコミ試写でも評判の本作、現地の大きな支持を得て、5/18から上映が始まる全国公開でもぜひこの感動を経験していただきたい。

三吉彩花と吉田監督のコメント全文は以下。

●主演・三吉彩花(仲里優奈役) 今回初主演という事で嬉しさもあり、方言や三線、島唄なども初挑戦でプレッシャーもありましたが、この映画がとても良い反響だと聞き、沖縄の方々に受け入れていただけた映画なんだと思い、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。これから全国上映が始まるので、是非たくさんの方に見ていただきたいですし、愛される映画になるといいなと思います。

●吉田康弘(監督・脚本) 沖縄の晴れ渡った青空や美しい風景だけじゃなく、鉛色の曇り空や、島で生きる葛藤も、美化せずリアルに描くことがテーマでした。沖縄の皆様の反応が怖かったのですが、温かく受け入れてもらっていると聞き、大変嬉しく思ってます。離島で生きる家族の姿には、私たちが忘れてしまった原点があると思います。この映画を、家族の在り方を見つめ直すきっかけにして頂けると幸いです。

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執筆者

Yasuhiro Togawa