「フリーター、家を買う。」や「図書館戦争」など、その作品が次々と映像化される作家・有川浩。中でも、雑誌『ダ・ヴィンチ』の“ブック・オブ・ザ・イヤー2011”で総合ランキング・恋愛小説ランキングでともに第1位を獲得、第3回ブクログ大賞・小説部門を獲得した、発行部数20万部を越える小説『県庁おもてなし課』が、昨年映画化された「阪急電車 片道15分の奇跡」のスタッフたちの手により、関ジャニ∞の錦戸亮を主演、堀北真希をヒロインに迎えて、ついに映画化します。
高知県庁・観光部に観光促進を目的として設けられた実在する【おもてなし課】を舞台に、仕事に奔走する人々と男女2組の愛、親子の愛、ふるさとへの愛を描く心あたたまる本作。実はその本編中に、印象的なアニメーションが挿入されています。それは錦戸亮演じる“掛水”がパラグライダーから自然いっぱいの高知を見下ろし、観光立国となった高知県に思いを馳せるシーン。海・山・川に囲まれ、一大レジャーランドとなった高知の上空を、アニメーションになった“掛水”と“多紀”(堀北真希)が楽しげに飛行します。
この映像を制作したのは、3月9日(土)に公開し、新シリーズ最高記録となる40億越えに王手をかけ、現在大ヒットをとばしている「映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)」の監督を手がける寺本幸代。2005年から「ドラえもん」テレビシリーズに演出として参加し、2007年「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」で映画監督としてデビューした氏は、「新・のび太と鉄人兵団」(2011年)と今年のドラえもん映画も手がけ、日本中の子供たちに夢溢れる映像を届けてきた若手アニメーション監督です。そんな寺本監督の手による鮮やかなアニメーションが彩を添える映画「県庁おもてなし課」。観る人の多くは魅力的な高知県を発見するとともに、さらには自分のふるさとをも彷彿とさせる、愛にあふれた風景に出会うはず。この春、映画「県庁おもてなし課」が、ふるさとから日本を笑顔にします。

アニメーション監督:寺本幸代コメント
今回、この「県庁おもてなし課」の中でアニメーションで描いているのは、主人公“掛水”がパラグライダーで空を飛びながら、観光立国となった高知を夢見るシーンです。
三宅監督のご要望では、実写に近づけるようなタッチではなく、より絵的な、イメージ的な映像にしたいとの事でしたので、キャラクターも背景もあまりリアルにならないよう心がけました。原作の表紙の雰囲気に近いものになったのではないかと思います。
アニメーションパート40秒程の短いものですが、描くに当たって、高知県の様々な名所を写真や映像で調べました。ホエールウォッチングや四万十川など、自然が本当に美しくて、私も高知に行ってこの自然を体験してみたくなりました。
この映画では、そんな高知を愛する人達が観光促進のため悩み、奮闘する姿、そして恋模様があたたかいタッチで描かれています。ちょっと心がホッとして、自分もふるさとに帰りたくなるような、そんなステキな映画です。

監督:三宅喜重コメント
「県庁おもてなし課」はリアルさとファンタジックさが混在する映画だと思っており、主人公が自分のふるさとに自信を持ち始め、いろいろな夢・妄想を膨らませていく様子をファンタジックに表現するためにアニメーションを使用しました。アニメーションが物語のターニングポイントになっており、主人公が夢だったものを現実にしようとしていく中で、アニメで表現されたものが実写に変わっていきます。
アニメーションに関しては登場人物のキャラクターを十分に生かしたファンタジックで微笑ましいものに仕上がったのでとても気に入ってます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa