ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム“On the Street”と社交コラム”Evening Hours” を担当する名物フォトグラファー、ビル・カニンガムは、ニューヨークの街角で50年にもわたり毎日ファッショントレンドを撮影してきたニューヨークを代表するファッション・フォトグラファーであり、ストリートファッション・スナップの元祖的存在です。この度は、親しい業界人でさえプライベートをほとんど知らないビルに、リチャード・プレス監督が8年がかりで撮影交渉し、撮影と編集に2年、通年10年の制作期間を経て完成した『ビル・カニンガム&ニューヨーク』(原題Bill Cunningham New York)が2013年初夏に新宿バルト9ほか全国順次ロードショー公開されることが決定しましたので、お知らせいたします。

青い作業着に身を包み、50年以上暮らしているカーネギー・ホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットに占領され簡易ベッドが置いてあるだけ。キッチンもクローゼットもない。仕事以外のことには全く無頓着で、頭の中はいつもファッションのことだけでいっぱいなビル。『ビル・カニンガム&ニューヨーク』は、自分の仕事をこよなく愛し、そしてニューヨーカーたちに愛され続けるビル・カニンガムという希有の人物を通して、人生の普遍的なテーマを追いかけたドキュメンタリーです。また、人々を魅了してやまないニューヨークという街に暮らすビルと彼の周囲の人物の愛すべきキャラクターも満載で、ファッションと街に生きる人々の様子を鮮やかに描き出します。

──2008年にフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを受勲した際のパーティ会場で、「自分のしていることは仕事ではなく喜び」と語ったビル。2012年4月には、カーネギー・ホール主催の「メダル・オブ・エクセレンス・ガラ」が開かれ、長年にわたりニューヨークのファッションやカルチャーを捉え続けてきたビルの功績が称えられました。会場には女優のサラ・ジェシカ・パーカーや米ヴォーグ誌編集長アナ・ウィンターら、ビルと親しいセレブリティたちが続々と来場しビルを祝福しました。『プラダを着た悪魔』の鬼編集長のモデルとして知られるアナ・ウィンターに「私たちはいつも、ビルのために着るのよ。」と言わしめるビル・カニンガムは、世界中のファッショニスタからの尊敬を集める本物のセレブリティです。

ニューヨークの1館の映画館で公開されるやいなや、人気に火がつき、全米で大ヒットを記録。世界中の映画祭で観客賞を受賞し、アメリカの映画レビューサイトRotten Tomatoesで満足度が脅威の99%を記録した本作が遂に2013年初夏に、日本に上陸します!

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執筆者

Yasuhiro Togawa