松竹は、<木下惠介生誕100 年記念プロジェクト>の一環として、大阪シネ・ヌ—ヴォでの全作特集上映をはじめとした全国各地での上映を実施することを決定!特集上映としては、史上最大規模のものとなります。

木下惠介監督は、戦後の日本において、小津安二郎、黒澤明と並び称される日本映画界の巨匠でした。
映画の持つあらゆる可能性を追求し、大胆な実験もいとわず、多彩な作品群を生み出してきた稀代の天才監督で、『二十四の瞳』『カルメン故郷に帰る』『楢山節考』など数々のヒット作を生み出し、『永遠の人』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど世界的評価も高く、さらには黒澤明監督と毎年映画賞ベスト・テン入りを競うライバルとして、戦後の日本映画界を牽引しました。
また、テレビ界にもいち早く進出し、一世を風靡した「木下恵介アワー」「木下恵介劇場」で現在のテレビドラマの基本を築き上げ、木下組からは脚本家・山田太一ほか多くの映画人が巣立っていきました。
当社では木下惠介生誕100 年記念事業の一環として、木下惠介監督が残した映画作品(全49 作品)及び、日本のTVドラマの礎を築いたドラマシリーズ(「木下恵介劇場」「木下恵介アワー」)作品をパッケージ化することも決定しています。

7 月21 日(土)より大阪シネ・ヌ—ヴォ(※)にて開催する、映画全作品の特集上映では、先にあげた有名作品の他に、木下監督のデビュー作『花咲く港』(43 年)から遺作となった『父』(88 年)までを4 つのカテゴリー“抒情的作品”“コメディ作品”“革新的芸術作品”“社会派作品”に分け、生涯の49 本を一挙上映致します。注目は、『カルメン故郷に帰る』白黒版の上映!!日本初のカラー撮影に挑戦した本作は、撮影のバックアップと映写機の対応機種という意味合いから、全て白黒フィルムでも撮影されていました。今回はその貴重な映像である白黒版も特別上映が可能となり、カラー版と白黒版を見比べられるまたとない機会となっております。
さらに、「映画全作品上映」開催を記念して、“木下恵介アワー”の代表作『3 人家族』の特別上映が決定し、7 月14 日(土)には本作の主演の栗原小巻さん登壇のトークショーも開催いたします。
また、東京国立近代フィルムセンターでは、“コメディ作品”の特集上映、第13 回東京フィルメックスでは“革新的芸術作品”の特集上映を行うことが決定、木下監督のスタイルならではのバラエティに富んだラインナップとなっています。
その他にも、全国各地での特集上映やイベントが続々と開催予定となっており、生誕100 年のアニーバーサリーイヤーの本年にふさわしい大きな盛り上がりを見せています。是非この機会に日本映画界の巨匠と呼ばれた木下惠介監督の作品に触れてみてはいかがでしょうか。

※大阪シネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条1丁目20の巨匠シャトル九条2)
アート系映画館。信念とセンスある上映作品選定に定評がある。

<今後の上映ラインナップ>
①大阪シネ・ヌーヴォ全作上映(7/21-8/31)【全作品】

②木下惠介生誕100 年特別上映会(2012/7/14) 【ドラマ「3 人家族」】
栗原小巻登壇トークショー会場:大阪歴史博物館4階講堂開場13:30/開演:14:00
(16:00 終了予定)

③東京国立近代美術館フィルムセンター(2012/9/30〜10/28) 【コメディ作品】
【上映予定作品】
「花咲く港」ほか木下喜劇10 作、木下惠介監修アニメ「赤い鳥のこころ」(26 話)ほか

④木下惠介生誕100 年記念特集上映@東劇【全ジャンルよりセレクション上映】
第13 回東京フィルメックス(2012/11/23〜12/2)【芸術・革新的作品】
※映画祭期間後も継続して特集上映予定(2012/12/3〜12/7)
【上映予定作品】「楢山節考」デジタルリマスター版ほか、木下映画約20 作品

⑤その他の記念上映等
◆木下映画を毎月上映中@木下惠介記念館(静岡県浜松市)
http://www.hcf.or.jp/facilities/kinoshita/
◆「二十四の瞳」を毎日上映中@二十四の瞳映画村(香川県小豆島町)
http://www.24hitomi.or.jp/
◆4/1 より「楢山節考」ほか毎月1作品上映@下関市(田中絹代ぶんか館)
◆4/28-9/22「生きている孫六」ほか計6作品@江東区(古石場文化センター)
◆6/9-29 「二十四の瞳」ほか@仙台市(桜井薬局セントラルホール)
◆7/28「海の花火」記念上映@唐津市(唐津シネマの会)

※その他、蒲郡市薩摩川内市(川内まごころ文学館)、御前崎市(「喜びも悲しみも幾歳月」)、高松市(さぬき映画祭)ほか予定

執筆者

Yasuhiro Togawa