2012年 秋公開の映画『カミハテ商店』が、世界三大映画祭に次ぐ、国際映画製作者連盟公認映画祭にして、東欧一歴史ある映画祭・第47回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(チェコ/会期:2012年6/29〜7/7)メインコンペティション部門(12作品選出)に招待されることが決定した。

本作は、島根県の全面協力のもと、京都造形芸術大学とプロのスタッフ・キャストがタッグを組み制作した北白川派映画の第3弾。いつしか自殺の名所となった断崖絶壁の傍で寂れた商店を営む主人公の目を通し、人間の死生観への真意をなげかける濃厚な人間ドラマ。
主人公・千代を演じるのは、映画主演は23年ぶりとなる高橋惠子。やり場のない初老女性の複雑な心理を圧倒的な存在感で見せている。弟 ・良雄役を寺島進が演じ、演技派2人が姉弟役として初共演を果たした。
監督は『カミハテ商店』が劇映画デビューとなる。ドラマに初挑戦した本作が権威あるカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のメインコンペに選出される快挙となった。
メインコンペでは、イタリア、ポーランド、ギリシャ、イラン、メキシコ、カナダなどから選ばれた12作品がグランプリ(クリスタル・グローブ賞)を競うことになる。
会期中、山本起也監督と共に主演の高橋惠子も現地入りする予定。彼女の映画祭参加は、関根惠子時代に出演した熊井啓監督作品『朝やけの詩』(1973年)が第24回ベルリン国際映画祭(1974年6/21〜7/2)のコンペティションに選出された時以来、約40年ぶりとなる。《公式上映は7月20日20時からの予定》

【北白川派(北白川派映画芸術運動)】…
映画を通して新たな芸術運動のを上げるために、京都造形芸術大学映画学科から立ち上がった一大プロジェクト。映画学科が一丸となりその全機能を駆使しながらプロと学生が共同で毎年一本の劇場公開作品を完成させて発表。
第2弾作品からは配給・宣伝にも学生が参加している。

第1弾作品:木村威夫監督『黄金花 秘すれば花、死すれば蝶』(08年公開 主演:原田芳雄・松坂慶子)
第2弾作品:高橋伴明監督『MADE IN JAPAN こらッ!』(11年公開 主演:松田美由紀)
第3弾作品:山本起也監督『カミハテ商店』(12年秋公開 主演:高橋惠子・寺島進)
第4弾作品:林海象監督『弥勒』(13年公開予定 主演:永瀬正敏・井浦新)製作進行中

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執筆者

Yasuhiro Togawa