2011年パルム・ドッグ賞審査員特別賞に輝いたライカちゃんの出演する、アキ・カウリスマキ監督最新作『ル・アーヴルの靴みがき』がついに到着いたしました。今年は、『アーティスト』や『宇宙兄弟』、『人生はビギナーズ』など、ワンちゃんが活躍する映画が次々と公開されています。

●本作に登場するライカは、犬好きのフィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキ作品には欠かせない、監督の愛犬。同監督の前作、『街のあかり』に登場したパユの娘で『ラヴィ・ド・ボエーム』のライカ(役名 ボードレール)、『白い花びら』のピートゥ、『過去のない男』のタハティ、パユに続く役者犬ファミリーの5代目です。第2回のパルム・ドッグを受賞した三代目のタハティに続く快挙です!

●本作中で主人公・マルセルの家で飼われているライカは、移民の少年・イドリッサと真っ先に打ち解けてしまいます。孤独な少年に寄り添うライカの慈悲に満ちた瞳は、まるで行き場のない悲しみを知っているかのよう。警察に追われる少年を守ろうと、勇敢に立ち向かう一面も。

●カンヌ国際映画祭国際批評家賞、エキュメニック賞スペシャル・メンションなど数々の賞を獲得し、“最高のハッピー・エンディング映画”として世界各国で絶賛を浴びた本作。町の片隅でひっそりと生きる人々に向けられた監督の温かなまなざし。それを体現しているのが、いつでもひっそりと寄り添うライカの存在なのかもしれません。

●『ヒューゴの不思議な発明』、『ヤング≒アダルト』、『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』、『LOVE まさお君が行く!』 など、今年は映画にたくさんのワンちゃんが出演する年。『ル・アーヴルの靴みがき』をはじめ、映画の中の犬に注目してみてはいかがでしょうか?

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執筆者

Yasuhiro Togawa