現在映画出演作が相次ぎ最も注目を集める若手俳優・松坂桃李を主演に迎え、若手女性作家・辻村深月(つじむらみづき)による感動のベストセラー小説『ツナグ』の映画化がこのたび決定致しました!
原作は、吉川英治文学新人賞受賞作『ツナグ』(新潮社刊)。原作の辻村深月は、若者の微妙な心情や、思春期独特の揺れ動く気持ちを捉えた透明感のある作風が女性からの強い支持を集めており、著書「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」「オーダーメイド殺人クラブ」で二度にわたり直木賞候補となるなど、いま最も受賞に近い実力派作家といえます。
死者との再会を望む人のために、その仲介を司る“ツナグ”。この“ツナグ”を通して他人の人生に深く関っていく一人の青年の葛藤と成長を描いた感動のファンタジー。そこには、人との「絆」「つながり」という今の日本人にとって最も大切なものが、上質に描かれています。

主人公の高校生・歩美(あゆみ)を演じるのは、いま最もフレッシュで注目株の俳優・松坂桃李。昨年は「僕たちは世界を変えることができない。」「アントキノイノチ」で印象的な演技を披露し、第85回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。2012年は、映画「麒麟の翼」、NHK朝の連続テレビ小説、映画「今日、恋をはじめます」主演と、作品が目白押しです。そして、歩美のことを、人生の先輩として、“ツナグ”の師匠として、時に厳しくも温かく見守る祖母・アイ子役には、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」「悪人」「ゴースト」など日本映画に必要不可欠の実力派個性女優・樹木希林。更に、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、別所哲也、本上まなみ、浅田美代子、八千草薫、そして仲代達矢と、蒼々たるキャストが脇を固め、作品に確かな品質を与えます。正にこれから旬を迎えるフレッシュな俳優から、邦画界を支える実力派まで、幅広いキャスティングが実現しました。

監督・脚本は、大ヒットメーカー・平川雄一朗。「陰日向に咲く」「ROOKIESー卒業ー」「JINー仁ー」等、手がける映画・ドラマの数々が大ヒットを飛ばす、“感動ドラマ演出の達人”。彼自身が原作に深く共感し、映画化を熱望。自ら脚本まで手がけました。音楽は、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなど、作品のテーマに沿った壮大な楽曲制作を得意とする、日本映画音楽界の大ヒットメーカー・佐藤直紀が本作の脚本を読んで、楽曲制作を即座に引き受けました。今の日本映画界でベストなスタッフ・キャストの手で、老若男女万人が感動するヒューマン・エンターテインメント大作に仕上げます。今月中旬にクランクインし、5月上旬にクランクアップ予定。10月6日(土)より全国東宝系にて公開となります。

キャストコメント
≪松坂桃李≫
台本を読んで面白い設定だと思いました。“ツナグ”の仕事はすごく特殊な仕事なので、観客が歩美を通して「ツナグ」の世界観に入っていけるよう、普通の青年としての演技を心がけています。単独の主演は初めてですが、変に気負わずに、自然体で現場に存在していようと思っています。「リアルに、そこにいる人を撮りたい」と、監督もおっしゃっているので、歩美のフィルターを通して感じたことを常に意識してやっていこう、と思いました。こういったお話は初めてで、演じるのが楽しいです。樹木さんとの共演も刺激だらけで、貴重でいい経験をさせていただいています。実際の現場はライブ感があり、毎日ワクワクしています。そういった(現場の)おもしろさ、人との絆は伝わると思うので、是非完成をお楽しみに!
Q:もし亡くなった方に一度だけ会えるとしたらどなたに会いたいですか?
A:僕は祖父ですかね。僕が子供のころに亡くなっているので、今自分がこの仕事をやっているということを伝えて、20歳を過ぎて大きくなった姿を見てもらいたいです。歴史上の人物なら宮本武蔵かな。巌流島の戦いの結末を聞いてみたいです。

≪樹木希林≫
“ツナグ”については、目に見えない、人の力が及ばないところがおもしろいなと思いました。人間の将来に不確かなものが多くなったから、最近はこういった設定の映画が多いのかもしれないですね。死とは非日常なものなので、死が日常に当たり前にある、という風に意識して演じました。彼岸と此岸の区別がないように、死が特別にならないようにしました。松坂くんは顔がいい、身長はある、でもお金はない! それがいいところね! ハンサムな青年と仕事が出来て、乞うご期待です!
Q:もし亡くなった方に一度だけ会えるとしたらどなたに会いたいですか?
A:もし会えるなら秦の始皇帝に会ってみたい。ただ言葉が分からないからね。聖徳太子かな? とも思ったけど… やっぱり空海に会ってみたいかな。男の死霊の方が聞き分けがいいらしいからね。空海には会ってみたいと言うより見てみたい。なぜ会いたいかはご想像におまかせします。一言では語りつくせないからね。
自分の親族はないですね。みんな十分に「さようなら!」と逝きましたからね。

≪平川雄一朗監督≫
原作を読んだ時、死者と生者の仲介という“ツナグ”の仕事を、リアリティを持って演じられるのは樹木希林さんしかいないと思いました。そして樹木さんの孫について考えた時に、松坂さんが浮かんだ。松坂さんは、それまでのドラマなどを見ていて、クールな役所が多いイメージでしたが、本当の松坂さんは、主人公の歩美という役に近くて、透明感のある人なんじゃないかと。その素の部分を演技で見たいと思いました。実際、松坂さんはこちらの要求にも柔軟に対応してくれて、リハーサルから全力で役に挑む姿が良いです。樹木さんは、衣装を自ら準備されたり、役作り面での提案など、日々、色々と作品全体へ寄与してくださっています。そんな風に、キャスト・スタッフみんなノッてくれているのを感じているので、日々驚きがあって、モノ作りの現場の良い緊張感を感じています。
ファンタジー要素の強い物語だからこそ、リアリティーを持った人間ドラマ作品にしたいと考えています。
今回の企画が立ち上がったのは、東日本大震災よりも前ですが、企画開発中に震災が起こり、改めて、本作のテーマについてより深く考えさせられました。「亡くなった人に一度だけ会えるとしたら、自分は誰と会いたいか」と。
映画の中でも主人公が言ってますが「人は、いつか必ず死んでいく」。それは震災や事故だけでの話ではなく、かけがえのない人との関係も、永遠ではない。と改めて考えさせられました。「今、生きている私たちにできること」
そして、亡くなった身近な人を思いながら日々を生きている人がたくさんいるという事に改めて気付き、そうした思いを何とか脚本に入れ込みたいと思いました。作品を通して「人と人との絆の大切さ」を一人でも多くの方に共感してもらえるとうれしいです。

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執筆者

Yasuhiro Togawa