現在、韓国の鬼才、キム・ギドク監督の最新作『アリラン』がシアター・イメージフォーラムで公開中です。
3年の沈黙を破って発表した本作は、カンヌ国際映画祭<ある視点>部門最優秀作品賞を受賞。 世界が認める巨匠でありながらも映画を撮れなくなるという袋小路に入り込んだ自分自身を内省するだけでなく、一級のエンターテインメントとして見事な復帰作となった作品です。
これまでに撮った作品は15作品。その多くが世界の映画祭で賞賛され、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアと世界三大映画祭を制覇する快挙を成し遂げました。そこで、『アリラン』公開記念として、世界三大映画祭受賞作を集めた“キム・ギドク 一日限りの世界三大映画祭”を開催する運びとなりました。
ベルリン映画祭・監督賞受賞『サマリア』(04)、ヴェネチア映画祭・監督賞受賞『うつせみ』(04)、そして2011年カンヌ映画祭の本作『アリラン』を特別上映します!

キム・ギドク監督 とは?
中学卒業後、工場勤務を経て海兵隊に入隊。90年にパリにわたり絵画を学ぶ。93年に帰国して脚本を書きはじめ、96年に『鰐(ワニ)』で監督デビュー後は、1年に1本のペースで映画を作り続けてきた。学歴社会と言われる韓国の中でも異色の経歴を経て、世界的映画監督にのぼり詰めた異端児。『悲夢』から4年近い沈黙の後、2011年『アリラン』で復帰した。現在、最新作『ピエタ』を韓国で撮影中。天涯孤独と信じてきた非情な金貸し業の男の前に母親だと名乗る女性が現れる。悪のDNAはあるのかという、挑戦的なテーマで、また世界を驚かす作品となりそうだ。カンヌ映画祭への出品も視野にいれ、完全復活した鬼才の今後に、注目が集まっている。

<上映スケジュール>
3月30日(金)
11:00 『アリラン』
13:00 『サマリア』
15:00 『アリラン』
17:00 『うつせみ』
19:00 『アリラン』

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa