イランと米国の危うい国際情勢の中、本年度第84回アカデミー賞外国語映画賞受賞で、イラン映画に初のオスカー獲得をもたらし、歴史に新たな1ページを刻みこんだ映画『別離』。監督のアスガー・ファルハディの前作で、第59回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞した『彼女が消えた浜辺』が、1週間限定で、渋谷Bunkamuraル・シネマにて特別上映することが決定!

『彼女が消えた浜辺』は、これまでに日本で公開された多くのイラン映画と一線を画す心理ミステリー作品として、2010年9月に劇場公開された。
アスガ—・ファルハディ監督の得意とする、スリリングなシチュエーション設定のもとに展開する濃密な人間ドラマは、この『彼女が消えた浜辺』からもうかがえる。この作品でイラン映画の新たな才能としてファルハディ監督に注目し、夢中になった観客、映画ファンは多いはず。スクリーンで堪能できる貴重な機会が、アカデミー受賞記念として実現した。

前作と見比べると、新作『別離』での監督の成長ぶりは顕著。精巧な脚本と演出で人間心理の複雑さを掘り下げていく手腕にさらに磨きがかかり、いままで描かれてこなかった「現代イランのいま」を鋭くえぐり出している。離婚、介護、教育、宗教、司法など、現代社会が抱える普遍的なテーマを浮き彫りにし、世界中の観客を観了することにも成功していることが分かるだろう。
新作『別離』を鑑賞する前に、ヒューマンミステリーの傑作と謳われた前作をぜひ、チェックして頂きたい。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=48529

執筆者

Yasuhiro Togawa