この度、松本監督が映画の殿堂入りを果たしました。
2012年3月23日に、“映画の殿堂”である文化施設「シネマテーク・フランセーズ」(フランス・パリ)で、松本人志監督作品「大日本人」「しんぼる」「さや侍」の特集上映が行われることが決定しました。

「シネマテーク・フランセーズ」は、1936年創設の4万本以上の世界中から集められた映画の他、衣装、資料、初期のカメラや機材、セット、ポスターなど、映画に関する膨大なコレクションを保管するフランス政府出資の私立文化施設です。同館で上映されることは、全映画人の憧れでもあり、名誉なことでもあります。
さらに、特集上映が組まれることは、世界的に認められた監督のみで、過去に特集上映が行われるのは、ヌーヴェルヴァーグを代表する監督フランソワ・トリュフォー、ジャン・リュック・ゴダールやヒッチコック、スピルバーグと言った映画界の巨匠に限られており、監督作品が、3作品での特集上映は異例のことで快挙であります。

その映画の殿堂「シネマテーク・フランセーズ」に3月6日に松本人志監督が表敬訪問しました。(日本時間3月7日2時)
プログラムディレクター ジャン・フランソワ・ロジェ氏の案内で、3月23日に上映されるアンリ・ラングロア・スクリーンや3月7日より始まるティム・バートン展などを観覧した松本監督は映画の殿堂の雰囲気を味わっておりました。

松本監督は「シネマテーク・フランセーズ」で特集上映されることに対して
「プロ野球でいうと入団して2年目ぐらいの選手が名球会に入ったぐらい凄い話だと思うし、うれしいこと。」と喜びながらも一方で、「日本でも、もう少し、この凄さを伝えてもらいたいですね。 “まっちゃん監督”と言われるように、軽く見られてるというか、ダウンタウン松本というテレビのイメージが強いですからね」と考え深い意見も。

プログラムディレクターのジャン・フランソワ・ロジェ(Jean-François Rauger)氏に、特集上映にあたり以下質問をさせていただきました。

・シネマテークフランセーズとはどういう場所か?
映画のルーブル博物館を目指して作られました。
全世界の秀逸した映画や映画文化を芸術として保存していきたいという考えで運営しています。
・シネマテーク・フランセーズで松本監督作品が特集上映されることはどういう意味?
彼へのオマージュを捧げるという意味を込めて特集上映しました。
彼は独創的な映画作家で今までの3本の映画作品は似ているといえば似ているが、違うと言えばそれぞれ違う。
彼の作品はフランスではまだ公開してされていないので、それを1本ずつ上映し、まだ彼を知らない人に対して発見していってもらいたい。
・松本監督作品の印象は?
彼の作品は伝統的な日本映画でもある。「大日本人」は“怪獣映画”や「さや侍」は“侍映画”といった風に日本映画を見直していたり、また、からかっているように、独創的な日本映画への視点を提供している。
そこにはユーモアとシュールレアリズムがちりばめられている。

松本人志監督作品 特集上映
「Cinéma bis」
・上映日:2012年3月23日(金) ※現地日程
・上映スクリーン:アンリ・ラングロア・スクリーン (the Henri Langlois screen)
※シネマテークにある3つのスクリーンの中でも最大席数(415席)

・上映作品:「大日本人」「しんぼる」「さや侍」

・公式ホームページURL: http://www.cinematheque.fr/
・松本人志監督作品 特集上映「Cinéma bis」URL
http://www.cinematheque.fr/fr/dans-salles/rendez-vous-reguliers/fiche-manifestation/cinema-bis-phenomene-hitoshi-matsumoto,13985.html

執筆者

Yasuhiro Togawa