米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル& アジア(SSFF & ASIA)」が、いよいよ6月16日(木)から26日(日)まで表参道ヒルズスペースオーほかにて開催されますが、開催に先駆け2011年の話題賞が決定し、映画祭のオープニングイベントにて授賞式が行われました。話題賞は、日本のショートフィルムの発展・普及に貢献した団体・個人・作品に贈られる賞です。2003年より設置された賞で、昨年は『愉快なお手伝い』というショートフィルムを監督した、韓国版「花より男子」のクム・ジャンディ(牧野つくし)役で日本でも有名な韓国の人気女優、ク・ヘソンさんが受賞しています。

これまでにも、ショートフィルムという映像ジャンルを世間に広めた方々が受賞してきています(詳細は次頁をご参照下さい)。そして本年度の話題賞は、アーティスト、そして映画監督としても幅広く活躍している石井竜也さんが受賞しました。石井竜也さんが、約15年ぶりにメガフォンをとった『笹舟-sasabune-』は、2011年2月2日にリリースされたシングル「はなひとひら」のイメージショートフィルムとして製作され、監督・脚本・演出の3役を石井さんご自身が担当しています。氷点下に達する極寒の京都で、わずか2日間で撮影された本作品は、本映画祭終了後、ブリリアショートショートシアター(横浜・みなとみらいhttp://www.Brillia-SST.jp/)にて上映を予定しています。

2011年話題賞

石井竜也/ TATUYA ISHII (アーティスト/映画監督)

1959年生まれ。’85年米米CLUBとしてデビュー。楽曲の作詞・作曲、ステージセット、コスチュームなど総合的にプロデュースする。多くのヒット曲をリリースするかたわら、映画監督としても活動の場を広げ、’94年『河童』’96年『ACRI』を公開。’97年の米米CLUB解散後(’06年再始動)、ソロ活動開始。毎回テーマ性のある趣向を凝らした全国ツアー、アートパフォーマンス、オーケストラライブなどを展開する。音楽活動に加えて’98年「大阪HEP FIVE(商業ビル)」空間プロデュース、’05年には愛知万博「愛・地球博」レギュラープログラムの総合プロデューサーを務め、’08年には近代製鉄発祥150周年記念シンボルキャラクター“AIRA”を制作、さらに’02年からは愛と平和を願うアート・インスタレーション「GROUND ANGEL」を横浜(’02〜’04)、広島(’05〜’06)、東京(’07〜‘09)にて開催し、のべ90万人以上を動員する。
またインダストリアル・デザイナーとしてもノートパソコン、携帯、アクセサリーや食器など様々なデザインを多く手がけるほか、作品制作にも積極的に取り組み、’94年「未来遺蹟展」’97年「空想美術館」’99年「昇展」’02年「NUDE」’06年「Venus White」といった作品展を、’08年には古来より伝わるダルマを用いて制作した不可思議でスピリチュアルなオブジェ“顔魂”を一堂に会した展覧会「顔魂〜KAODAMA〜」を、六本木・森アーツセンターギャラリー(1〜2月)、奈良・薬師寺(8〜9月)にて開催。

「笹舟-sasabune-」
出演:五十嵐令子(お花)、石部雅紀(丈太郎)
ストーリー:
身体を患った父親と一家を支えるため、帯作りの工房「一花工房」へ奉公に出た18歳の娘「お花」と、武家の長男として生まれたものの、心根の優しさからその世界に馴染めずにいる「丈太郎」。江戸時代の京都を舞台に身分違いの恋を描いた、淡く儚い物語。

※映画祭オフィシャルHP:http://www.shortshorts.org/2011/

執筆者

Yasuhiro Togawa