中山美穂 渾身の体当たり演技で魅了!
完全女優復帰 12年ぶり待望のスクリーンへ!

 アスミック・エースは、世界中を感動の涙で包み、日本興行収入30億円、韓国で260万人動員の大ヒットを記録した映画『私の頭の中の消しゴム』を生んだ、イ・ジェハン監督 待望の最新作『サヨナライツカ』を公開致します。一生に一度の燃えるような恋、切ない永遠の愛を描いた本作は、2010年1月23日(土) 公開初日が決定致しました。
 本作の主人公・沓子(とうこ)は「愛されることがすべて」だと思っている、自由奔放で欲望に忠実な女性。演じるのは、原作に惚れ込んだイ・ジェハン監督が熱烈なラブコールを贈った中山美穂。日本アカデミー賞優秀主演女優賞に輝いた『東京日和』(97) 以来、12年ぶりの映画主演となる本作で、愛に生きる強く純真な女性を本気の体当たりで演じ、待望の完全女優復帰を果たします。
 バンコク、東京、ニューヨーク。25年の時を超え、一瞬の熱情が永遠の愛になる──。離れていても時がたっても、そこまで人を愛することができるのか。恋をしたことのある人すべての人が涙する、2010年最初の涙、究極にせつないラブストーリーです。

★正式タイトル: 『サヨナライツカ』
★公開表記: 2010年1月23日(土)
新宿バルト9、丸の内TOEI(2)他全国ロードショー

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★イ・ジェハン監督コメント

中山美穂さんは「ラブレター」で国際的に広く知られた女優であり、とてもいい印象を受けていた。沓子はミステリアスな魅力のヒロインである。中山美穂さんが作品に参加したいという意思を示してくれてとても嬉しかった。彼女には日本で会うことになったのだが、感受性が豊かで非常に繊細だと感じた。それ以来、女優と監督として会うことになった。
沓子は時代を超越した女性なので、ファムファタール的な姿だけでなく、イングリッド・バーグマンのような”ハリウッド・グラマー”のイメージなど、多様な姿と変化を見せたかった。私が追求するのは表面と内面の衝突、層の厚い演技であり、その点を重点的に注文したのである。それを大前提として多くのことを話し合い、特に撮影の前半では、美穂さんから感情を準備するために多くの質問を受けた。常に撮影の前半、お互いに息を合わせて演技のトーンを決める時や俳優が役作りをする時、よく話し合った。現場で演技について話す時は、信頼が積み重なれば重なるほど、目を見ただけで、何が言いたいか分かるようになった。

★中山美穂コメント 

一人ひとりの観客を一輪の花だとし、大きなブーケをつくれたとしたら、すぐにでも沓子に届けたい思いです。

■『サヨナライツカ』の沓子という女性を演じてみて思ったこと
この物語は二人(豊、沓子)の出会いによって始まりますが、私が演じさせていただいたということも、大きな出会いになりました。どんな形であれ人であれ、出会っていくということには、計り知れない可能性が秘められていて、想像も付かない未来が訪れたり、自分を成長させてくれます。「いつか」の為に「いま」が用意されている。そのことをこの作品を通してずっと考えていました。そして、そんなことをかみしめることが出来る作品でした。人生の中で大きな出来事が起こるとき、それは必ずしも突然訪れる訳ではないように思います。きっと小さな予備軍としての出来事がいくつもあったはず。個人的で偏った考えかもしれませんが。沓子が、夢に向って真っ直ぐに生きようとする青年に魅かれたことは、一生の中にあるたくさんの出会いのなかのたったひとつ。彼に婚約者がいることや、別れを用意しなければならない現実はあるけれど、出会いを否定しないところが彼女の想いの深さなのだと思います。忘れたことにしない、無かったことにしない、愛すること、愛したこと、全てを体当たりで受け止めて生きようとする彼女に、真の女性像を見たような気がしました。溢れすぎたり求めすぎる沓子の感情は、120%のピュアな心。彼女が泣いたり笑ったりするたびに、演じている私が壊れてしまうのではないかと思うときもありました。それはきっと誰かにとっては愛とは言えない範囲かもしれないから。人は必要以上に自分が傷付かないように、防衛本能を働かせて、気持ちを準備したり、未来を想像しながら上手く切り抜こうと思えば出来る力があるのかもしれない。ですが沓子は、自分が傷付くことに恐れを抱くどころか、ただ、「愛した」のです。それを表現できるのが映画や小説の力なのだと思います。私は、ただひたすらに彼らが愛おしいと思いました。

■『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督とのお仕事について
繊細でシャイで気高い意思を持つ監督は、彼自身が持つ全てのものを投じながら、この作品を作り上げました。アメリカ育ちということで、独特のアイデンティティを全面に打ち出しながら、彼の中のアジア的な精神がスタッフにも支持されていました。監督とのコミュニケーションは、きちんと話し合う時は韓国語を通しての通訳を通してで、切羽詰った時や何気ない会話は英語でした。そのバランスが妙に楽しかったです。スタッフのほとんどが韓国の方で、平均年齢も日本の撮影現場に比べるととても若い。誰もが監督を信じて着いていく姿勢がとても印象的でした。イ・ジェハン監督について強く思うこと。必ずまた一緒に作品を作りたい!もう二度と仕事をしたくない!この両方です。こんな極端な思いをさせていただいたのは初めてです。また機会があればご縁があれば、なんていう社交辞令的なご挨拶をまったくするつもりはありません。それほど監督もスタッフも私も、特別な時間を共に過ごしたのだと思います。笑ったり泣いたり怒ったり、励ましたり励まされたり。演じるということ以外にもたくさんの感情が溢た現場でした。それだけにカメラが回っている時の集中力と緊張感がそれぞれ一体となった時、奇跡のような映像がフィルムに刻まれ、次なる奇跡を起こそうと同時に思ったのだと思います。3年前、 この作品が韓国の製作で行われると言うことで、シナリオを拝見させていただきました。どんな作品になるのか個人的に楽しみにしていました。台詞の言い回しやキャストなど、自分なりに想像を膨らませていたり。観客として感動してみたいという希望があったり。その後、イ・ジェハン監督と会う機会があり、監督のほうから出演して欲しいと直々にお願いされました。私はその時、自分が演じることなどまったく思ってもいませんでした。個人の事情で長期間にわたる仕事は控えさせていただいていたので、思いも寄らぬこのお願いに戸惑いました。その戸惑いから数分、どの気持ちがいちばん正直なものか?ずっと黙って考えていたと思います。かなり沈黙していたと思います。その中で見つけた答えが、沓子を演じたい。自分でも忘れていた、もしくは封印していた思いが甦ったのでした。

■タイというロケ地での撮影についての感想
タイでのロケ現場では韓国語、タイ語、英語が飛び交い、普段日本でどれだけ無意識に現場進行の状況を把握していたかが分かりました。日本では待ち時間を過ごしている際、スタッフの動きや会話や掛け声によって、自然に芝居やもろもろの準備が出来たりしますから。それがまったく言葉が分からない、現場社業の流れがつかめない、という初めての現場で、無意識に行動しないことが出来、とても新鮮に演じることが出来ました。とにかくスタッフの皆さんが,色々と気遣ってくださったり、言葉ではないコミュニケーションが温かく、その一つ一つに助けられました。

■12年ぶりの映画出演し、撮影を終えた今のお気持ち
カメラの前に立ったとき、12年という月日を感じませんでした。撮影現場というのは私にとっていつも特別な空間だと思ってます。それが今回のように国内制作のものでないにしても。私の分の撮影を終えた時は、全体のクランクアップではなかった為、クランクアップの知らせが届くまでは一緒に撮影している気分でした。その後の編集も、音の作業時も、まだまだ終わった気分にはなれませんでした。そしてこうして公開の発表が出来る現在も、撮影時とあまり変わらない気持ちです。皆様に見ていただけて初めて、演じ終えた気持ちになれることを夢見ています。是非たくさんの方にご覧頂きたいです。

■映画を楽しみにしている方々へのメッセージ
長い間お待たせいたししました。是非劇場でご覧になってください。

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執筆者

Yasuhiro Togawa