今年、没後40周年を迎える伝説の映画俳優−市川雷蔵。
1969年に37歳の若さでこの世を去り、15年間の役者人生で出演した作品は159本、
その多くが「眠狂四郎」を始めとする著名な主演作を持つ映画黄金時代のスーパースター。
若尾文子や中村玉緒など多くの女優に愛され、市川崑や三隅研次などの日本映画を代表する監督から信頼され、そして永遠のライバルは勝新太郎だったという。

記念すべき本年の雷蔵祭は、主演作から知られざるカメオ出演作まで、史上最大100作品 を集めました。
この上映作品数は、映画祭としても俳優の出演作品数としても、世界最大級の規模です。

市川雷蔵の誕生日(8/29)を目前に、8/28にギネス世界記録に正式申請する運びとなりました。

【映画祭開催概要】

『市川雷蔵没後40年特別企画 大雷蔵祭』

・期間:秋  
・会場:角川シネマ新宿ほか 
・上映作品:「眠狂四郎」シリーズ全作品、「陸軍中野学校」シリーズ全作品、「大菩薩峠」全3部作、「忍びの者」シリーズなど人気作品から特別出演作品まで計100本

【市川雷蔵プロフィール】

1931年8月29日京都生。
歌舞伎俳優市川九団次の養子となり15歳で大阪歌舞伎座にて初舞台を踏む。
1951年、関西歌舞伎界の長老市川寿海の養子となり、「白浪五人男」で襲名披露、
五世市川雷蔵を名乗る。

大映デビュー作は「花の白虎隊」(54)(勝新太郎共演)。55年に巨匠溝口健二監督により「新・平家物語」の主役、平清盛に抜擢され、”線の細い美男子”のイメージを打ち破り情熱的で骨太な演技を見せる。
58年には市川崑監督「炎上」(三島由紀夫原作「金閣寺」)に出演。翌年のキネマ旬報主演男優賞、ブルーリボン主演男優賞、NHK映画最優秀主演男優賞を受賞、確固たるスターの地位を築く。

この頃より代表作「大菩薩峠」(60)、「斬る」(62)、眠狂四郎シリーズ等、独自の清々しさと悲劇性を際立たせた作品が多くなる。その他、”歌舞伎もの”「弁天小僧」(伊藤大輔監督・58)等、年間平均約10本もの作品に主演。忍びの者シリーズが全8作、眠狂四郎が全12作、若親分が全8作、陸軍中野学校が全5作。総出演作品数は159本にのぼる。

1969年7月17日ガンにより逝去。享年37歳。

秋、角川シネマ新宿にて全国順次公開

執筆者

Yasuhiro Togawa