看護学生の明日美(大塚ちひろ)は、自分の車をじっと見つめている青年・淳一(伊藤祐貴)の顔を見て、はっとした。高校時代に好意を寄せていた同級生に似ていたからだ。思わず声をかけた彼女は、淳一を助手席に誘う。「ドライブしない? 海、とか…」。

『ぼくはうみがみたくなりました』。まるでラブストーリーのような美しいオープニングに驚かせられる本作は、自閉症の青年の「偶然の旅」を通して、旅先で出会う様々な人々との心のふれあいを、明るく爽やかにつむいだヒューマン・ドラマだ。

原作は、自閉症児の父親である脚本家・山下久仁明氏が「一人でも多くの人たちに自閉症のことを知って欲しい」という想いから2002年に書き下ろした同名小説。1000人以上からの寄付金をもとに、7年がかりで映画化を果たした。

「自閉症」「発達障害」というテーマから、本作を教育映画やドキュメンタリーのようなものだと感じる人もいるかもしれない。だが、プロの物書きである山下氏が作り上げたドラマは、自閉症という障害を誤解なく理解できるよう、最大の明解さと具体性をもっている。その脚本を、数々の有名ミュージシャンのミュージック・ビデオを手掛けてきた福田是久監督が、まるでPVのようにリリカルな映像を交えつつ、テンポよく演出。老若男女が楽しめる、感動のエンタテイメントに仕上がっている。

初日には、企画・原作・脚本の山下久仁明氏をはじめ、
スタッフ・キャストが多数来場する舞台挨拶が決定した。

舞台挨拶の詳細は以下のとおり。

■映画『ぼくはうみがみたくなりました』初日舞台挨拶■

・日時:8月22日(土)
  10:30の回上映終了後、
  13:30の回上映前

・ゲスト:伊藤祐貴、秋野太作、大森暁美、
     石井めぐみ、松嶋初音、小林裕吉
     山下久仁明(企画・原作・脚本)、福田是久(監督)

・会場:東京都写真美術館ホール(恵比寿ガーデンプレイス内)
    http://www.syabi.com/index.shtml

初日以降もイベントを予定している。詳細は
オフィシャルサイト http://bokuumi.com/ を随時参照

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=47814

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa