「「第2回したまちコメディ映画祭in台東」特集上映作品決定!!

〜昭和の光と闇を体現した喜劇人の世界〜生誕100周年「伴淳三郎」特集
—戦後喜劇界を代表する「伴淳」の名作が、スクリーンに蘇る—

 今年、生誕100周年を迎える伴淳三郎。生前、数多くの映画に出演し、「アジャパー」で一世を風靡した彼の作品は今もなおオールドファンに愛され、語り継がれています。したコメでは、彼のかつての活躍の場である浅草にて、代表的な3作品を上映。さらに、ゲストに落語家で映画監督の立川志らく氏、スタイリストでご子息でもある山本康一郎氏を迎え、喜劇人/俳優、そしてひとりの人間としての「伴淳」を語り合っていただきます。

【日時】
9/23(水・祝) 9:10開場/9:30開演
『飢餓海峡』

9/23(水・祝) 12:45開場/13:15開演
『喜劇 駅前温泉』

9/24(木) 18:00開場/18:30開演
『喜劇 婚前旅行』

【場所】
浅草中映劇場

【料金】
前売1000円/当日1200円 全席自由

 9/24(木)18:00開場/18:30開演の回では、作品上映前に立川志らく氏(落語家/映画監督)と伴淳三郎のご子息、山本康一郎氏をお迎えし、喜劇人、俳優、人としての「伴淳」を語っていただくトークイベントを開催します。どうぞお楽しみに!

【伴淳三郎】(ばん じゅんざぶろう)
 1908年、山形県米沢市生まれ。役者を志して上京し、いくつかの軽演劇の劇団に所属する。その後、しばらくして映画の世界へ。端役が続いていたが、ずっと矯正できなかった山形弁が奏功し、喜劇俳優として重用されるようになる。1951年には、斎藤寅次郎監督の『吃七捕物帖 一番手柄』でのセリフ「アジャジャーにしてパーでございます」が大うけし、これを短くした言葉「アジャパー」も大流行。
 
 53年には映画『アジャパー天国』が作られるまでとなる。50年代には数多くの映画に出演していたが、60年代、70年代にはテレビが活動の中心に。「寺内貫太郎一家」、「ムー」などさまざまなドラマでコミカルだが味のある芝居を見せていた。その一方で、シリアスな演技を披露することも。65年の映画『飢餓海峡』では弓坂刑事役を熱演している。81年、死去。今もなお、オールドファンの心を揺さぶる俳優である。

【上映作品紹介】
『飢餓海峡』(1964年/日本/183分/東映)
 水上勉の小説『飢餓海峡』の映画化。戦後の混乱がまだ残る1947年、青函連絡船が台風に襲われ、沈没する。船客たちの命が奪われるが、収容された遺体の数は、乗員名簿より2人多かった…。船の転覆事故に別の事件が絡む推理劇の名作。

監督: 内田吐夢
出演:三國連太郎、左幸子、高倉健、伴淳三郎、三井弘次、加藤嘉、沢村貞子

『喜劇 駅前温泉』(1962年/日本/103分/東宝)
 デラックス・ホテルの進出でさびれる一方の駅前旅館。観光理事局長(森繁)は誠実なサービスが重要と力説するが、孫作(伴)は時代にあったセンスが重要と譲らない。何かと対立しあう2人だが…。駅前喜劇シリーズ第4弾。

監督:久松静児
出演:森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、司葉子、森光子、淡島千景

『喜劇 婚前旅行』(1969年/日本/94分/松竹)
 田村家は初代・吉五郎(伴)、二代目・宏吉(フランキー)、三代目・昭太(森田)と、三代にわたる国鉄マンで、しかも早熟という家系。宏吉は昭太の母校の女教師・圭子に惚れていたが、圭子が見合いをすると知り、思い切ってプロポーズする。しかし…。当時、大人気だったピンキーとキラーズも出演している。

監督:瀬川昌治
出演:フランキー堺、倍賞千恵子、伴淳三郎、森田健作、ピンキーとキラーズ

公式HP:http://www.shitacome.jp

執筆者

Yasuhiro Togawa