「日本におけるイタリア年」をきっかけに、2001年春に始まったイタリア映画祭は、今年で9回目を迎えます。多くの映画ファンやイタリアファンに支持され、毎年1万人を超える観客が訪れるゴールデンウィーク恒例の映画祭に成長し、今年は2007年以降に製作された新作12本の上映が決定致しました。本年もまさに最新のイタリア映画をお楽しみ頂ける、極上のラインナップとなっております。

今回は、「ジョヴァンナのパパ(原題)」主演のシルヴィオ・オルランドなど俳優3名、前作「スリー・ステップ・ダンス」が「イタリア映画祭2005」で上映された『ソネタウラ——”樹の音”の物語』のサルヴァトーレ・メレウなど監督5名のほか、セールス会社、同行取材陣など、20名近いゲストが来日します。

 本年も俳優と監督は、4月30日(木)の開会式と5月2日(土)の座談会に出席するほか、座談会終了後にはサイン会も予定しており、その充実した内容は毎年多くの方にご好評頂いております。また、4月30日(木)から5月3日(日・祝)10:20の上映の回まで、それぞれの作品の上映後に質疑応答を予定しています。

★来日ゲスト★

シルヴィオ・オルランド  Silvio Orlando
『ジョヴァンナのパパ(原題)』主演/08年ヴェネチア国際映画祭主演男優賞受賞
07年のイタリア映画祭で上映された『カイマーノ』を始めとしたナンニ・モレッティ作品や、ダニエレ・ルケッティなど、イタリアを代表する監督の作品に多数出演してきた名優。
本作の演技により、ヴェネチア国際映画祭主演男優賞に輝いた。

イザベッラ・ラゴネーゼ  Isabella Ragonese
『見わたすかぎり人生』主演
「イタリア映画祭2007」で上映された『新世界』でスクリーンデビューを果たし、『見わたすかぎり人生』では、懸命に定職を探す才色兼備の新卒女性を熱演した。
エリオ・ジェルマーノと共演するダニエレ・ルケッティ監督作品など多数の作品が待機している。

クラウディオ・サンタマリア  Claudio Santamaria
『赤い肌の大地』出演
吹き替え声優としてキャリアをスタートさせ、その後舞台を経て映画俳優に。
日本公開作品では、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『シャンドライの恋』などに出演。07年のイタリア映画祭で上映され、イタリア映画批評家連盟賞の主演男優賞にも輝いた『犯罪小説』の演技が記憶に新しい。

パオロ・ベンヴェヌーティ Paolo Benvenuti
『プッチーニと娘』監督/08年ヴェネチア国際映画祭特別招待作品
映画産業の外側で芸術的な作品を作り続けてきたベテラン監督で、若い頃にはストローブ=ユイレの作品で助監督を務めたこともあった。本作では、プッチーニのメイドが自殺した事件について、長年をかけてたどりついた新解釈が、優美な映像の下で披露される。

ジュリオ・マンフレドニア Giulio Manfredonia
『やればできるさ』監督/08年ローマ映画祭招待作品
ルイジ・コメンチーニに影響を受け、彼、そして娘のクリスティーナの作品で助監督を務めた経験を持つ。精神病というきわどい題材を絶妙な演出で映像化した本作は、イタリア本国でヒットし、このたび発表されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で9部門にノミネートされている(授賞式は5月8日)。

サルヴァトーレ・メレウ Salvatore Mereu
『ソネタウラ——”樹の音”の物語』監督/08年ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品
長編第1作「スリー・ステップ・ダンス」が、03年のヴェネチア国際映画祭批評家週間で3賞を受賞するなど輝かしいデビューを飾る。中等学校で映像についての教育をしながら、サルデーニャという舞台にこだわった壮大なスケールの2作目である本作を完成させた。

アンナ・ネグリ Anna Negri
『私を撮って』監督/08年サンダンス映画祭出品
18歳でパリに移り、大島渚を含むさまざまな監督の作品でアシスタントとして働いたという。その後イギリスを経て、イタリアに戻り、主にテレビの分野で活動してきた。映画としては長編2作目となる本作では、イタリアの若者たちの今が洗練された演出で提示される。

マルコ・ポンテコルヴォ Marco Pontecorvo
『パ・ラ・ダ』監督/08年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品
今回の上映作『パ・ラ・ダ』では、心を閉ざしていたストリートチルドレンが、一人の道化師との出会いによって、人間性を回復していく過程を温かいまなざしで映し出す。08年のヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品された本作は高い評価を受け、受賞に至った。

「イタリア映画祭2009」上映予定作品
A.『よせよせ、ジョニー』 ファブリツィオ・ベンティヴォッリョ監督、2007年、104分
B.『ソネタウラ−”樹の音”の物語』 サルヴァトーレ・メレウ監督、2008年、157分
C.『見わたすかぎり人生』 パオロ・ヴィルツィ監督、2008年、117分
D.『私を撮って』 アンナ・ネグリ監督、2008年、93分
E.『イル・ディーヴォ』 パオロ・ソレンティーノ監督、2008年、110分
F.『赤い肌の大地』 マルコ・ベキス監督、2008年、108分
G.『パ・ラ・ダ』 マルコ・ポンテコルヴォ監督、2008年、100分
H.『プッチーニと娘』 パオロ・ベンヴェヌーティ監督、2008年、84分
I.『やればできるさ』 ジュリオ・マンフレドニア監督、2008年、111分
J.『運命に逆らったシチリアの少女』 マルコ・アメンタ監督、2008年、110分
X.『ゴモラ』 マッテオ・ガッローネ監督、2008年、135分
Y.プレミア上映『ジョヴァンナのパパ(原題)』 プーピ・アヴァーティ監督、2008年、104分
短編作品 a.『ミケランジェロのまなざし』 ミケランジェロ・アントニオーニ監督、2004年、15分

※上映作品はイタリア側の都合により、変更の可能性があります。
※上映作品はこの映画祭のために輸入するプリントのため、英語字幕などが入っている可能性があります。
※来日ゲストやスケジュールはやむを得ない事情により変更の可能性があります。ご了承ください。

会期:2009年4月30日(木)〜 5月5日(火・祝)
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2−5−1マリオン11階)
主催:イタリア映画祭実行委員会、イタリア文化会館、朝日新聞社、チネチッタ・ホールディング㈱フィルミタリア部門
後援:イタリア大使館、イタリア文化財・文化活動省
公式サイト:http://www.asahi.com/event/it09
一般の方 お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル: 4月29日まで)
          03-3213-8610(会場、会期中のみ)

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa