2008年3月に渋谷ユーロスペース他にて公開された、松井良彦監督『どこに行くの?』(製作:エースデュースエンタテインメント、バイオタイド、ワコー、ツイン)が、6月19日から行われる第30回モスクワ国際映画祭パースペクティブ・コンペティション部門に正式出品されることが決定した。

モスクワ国際映画祭は国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の世界12大映画祭の一つ。近年では2004年に草?剛が主演する『ホテルビーナス』が同部門で最優秀賞を受賞。本年度のモスクワ国際映画祭への日本映画の出品は本作のみ。今回、モスクワ国際映画祭での現地での公式上映時には、監督の松井良彦、主演の柏原収史が舞台挨拶に立つ予定だ。『どこに行くの?』は、日本国内では、6月20日にエースデュースエンタテインメント(発売・販売)より、DVDが発売される。

■松井良彦(『どこに行くの?』監督)コメント
「国際映画祭。さまざまな地に生まれ、さまざまな文化に育った人々が、私たちが創った映画を観る。彼らは、何を感じ何を思うのか。私は、その彼らに出会えるということに、至福を感じます」

<松井良彦監督プロフィール>
1956年、兵庫県生まれ。75年、映画製作集団“狂映舎”の設立に参加。79年、『狂い咲きサンダーロード』(80)をはじめ、石井聰亙監督作品のスタッフを務める。79年にはホモセクシュアルの三角関係を描いた処女作『錆びた缶空』を完成させ、ぴあ誌主催のオフシアター・フィルム・フェスティヴァル(現PFF)に入賞。一部に熱狂的なファンを持つ、いわば“カルト・ムーヴィー”の草分け的存在となる。続く第二作『豚鶏心中』(81)は故・寺山修司氏の天井桟敷館で長期ロードショーを果たした。脚本段階で「映画になったら事件だね」と故・寺山修司に言わしめた第三作『追悼のざわめき』(88)は、今はなき中野武蔵野ホール(2004年5月閉館)史上最も多くの観客を動員。当時、数ヶ国の映画祭に出品が決定していたにもかかわらず、そのすべてで上映禁止となるも、10年後の98年には、ドイツやデンマーク、ノルウェイの7都市で上映をされ、好評を博す。同作は 07年9月、デジタルリマスター版として、シアターイメージフォーラムなどで公開された。

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Naomi KannoNaomi KannoNaomi Kanno