★第387回現代中国映画上映会特別上映会★
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●上映作品:劇映画《草ぶきの学校》
      1998年南京映画制作所・江蘇電視台など共同制作  107分
      35mmカラー・ビスタサイズ     日本語字幕スーパー
      原題◎草房子(Thatched Memories)   原作◎曹文軒『草房子』
      監督◎徐耿(シュィ・ゴン)
      脚本◎曹文軒(ツァオ・ウェンシュェン)
      撮影◎劉利華(リゥ・リーホァ)   音楽◎鄒野(ヅォウ・イェ)
      美術◎呉黎中(ウー・リーヂョン)
      主演◎曹丹(ツァオ・タン)、杜源(トゥ・ユェン)
         呉琴琴(ウー・チンチン)、金喜栄(ヂン・シーロン)
         許雁青(シュィ・イェンチン)
         徐成峰(シュィ・チェンフォン)
●上映日時:11月13日(土) 午後6:55〜(開場は6:35)
●上映会場:文京シビックホール(小ホール)
(文京区役所がある文京シビックセンター2F)
東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅 直結
都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅 直結
地図: http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/civic.htm
●会 場 費:(その場でお支払い下さい=チケット方式ではありません)
      1200円(会員)、1500円(非会員)
●入 会 金:500円(同時入会可、有効期間1年)
年間フリーパス(7000円)もあります。
100円割引券がHPにありますのでご利用下さい。

1962年のある日、水に恵まれた江南にある油麻地小学校。その学校は湖の近くにある草ぶきの小さな学校だ。そこへ白髪の老婆に連れられた転校生がやってきた。おどおどしながら現れたその転校生は弱々しい印象の少女だった。彼女は桑桑(サンサン)のいるクラスに入ってきた。桑桑の父親・桑喬(サンチァオ)はこの小学校の校長で、学校の敷地に家族と一緒に住んでいる。転校生は学校に上がるのが遅かったので桑桑よりは2歳年上だ。その名前は紙月(ヂーユェ)。母親が亡くなったのでこの学校に転校してきたのだ。彼女をめぐって、実は校長先生の身内ではという噂もあったが、真偽のほどは定かではない。
桑桑は校長の息子であるが、勉強が嫌いでいたずらばかり。いつも父親に叱られていた。クラス委員でもなく、普通の悪ガキの1人だった。
クラスで一番背が高い陸鶴(ルー・フー)は1人だけ頭に毛がなく、みんなから「禿鶴」と呼ばれていた。それでなくても背が高く目立つ陸鶴の頭を行事の時に帽子で隠したがる先生たちだったが、彼はそれに反抗し、学校側のメンツを潰して溜飲を下げた。学校で文芸大会が開かれることになった。クラスの中から選ばれた人だけが参加できる大会だ。紙月は主役に選ばれ、桑桑にも端役が回ってきた。みんなが嫌がる禿頭の軍人役を陸鶴が買って出た。おかげで文芸大会は成功を収めた。みんなは陸鶴を見直した。
学級委員の杜小康(トゥ・シァオカン)の家は比較的裕福で、彼の自転車はクラスの羨望の的だった。桑桑は誘惑に負け、杜小康の自転車をこがせてもらった。疲れてお腹が空いた2人は焼き芋をしようと焚き火を始めたが、その火が藁山に燃え移り大火事になってしまった。翌日の全校集会で誰が火遊びをしたのかと追及する校長に名乗り出たのは杜小康だけ。彼は自分一人で責任を負ったのだった。桑桑は自分が恥ずかしく思った。しばらくして杜小康が学校をやめるという。父親が病気になり仕方がなかったのだ。
蒋(ヂァン)先生は村の白雀(バイチュエ)と恋愛中。しかし、白雀の父親はそれを認めず、彼女の外出を許さない。ラブレターを白雀に手渡して欲しいと蒋先生から頼まれた桑桑。監視の目をかいくぐって首尾よく手渡せたものの、受け取った返信を桑桑は不注意にもなくしてしまった。2人はお互いに相手からの手紙を待っていた。しかし、桑桑がなくしてしまい届かない。ついに白雀は無理矢理嫁がされてしまった。桑桑は心痛を覚えた。
ある日、杜小康が学校の門前で物売りをしているのに出会った。桑桑は複雑な気持ちになった。彼は杜小康のために父親がとても大事にしていた賞品のノートを持ち出し、授業のノートを取って渡してやった。事情を知らない父親はノートを盗んだ桑桑をひどく折檻した。
桑桑は突然原因不明の奇病になってしまった。医者に診せても首を振るばかり。
諦めきれない父親は桑桑をおぶり、良薬を求めてどこまでも歩いた。もはや桑喬は校長先生ではなく、桑桑の父親に過ぎなかった。偶然出会った老漢方医の見立てで薬を処方してもらったら奇跡的に直った。そして、桑桑は父親の背中に負ぶわれているとき紙月を見たことを伝えた。満面の笑みたたえた知らない男に連れられて行く紙月を。しかし、誰もそれを信じてくれなかった。
全てが子供の時のほろ苦い思い出である…。

日本では余り公開されることのない「児童映画」に分類される作品である。ベストセラーとなった曹文軒の同名小説を原作とし、作者自身が脚本を担当した。有名な俳優が出ているわけではないが、非常に落ち着いた画面で、中国内外で多くの賞を受賞したのも頷ける。
監督の徐耿は児童映画の名作といわれる《豆kou年華》(1989)をはじめ、魯迅の子供時代を描いた《風雨故園》(1991)などの作品で知られるが、最近は《給太太打工》(1997)や《家在樹?坊》(2000)、《面対生命》(2002)、《警察有約》(2003)といった一般作が多くなっている。

《草ぶきの学校》のオフィシャルページは次をご覧下さい。
http://www.herald.co.jp/kusabuki/