★第361回現代中国映画上映会
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●上映作品:
劇映画《正義の行方》
1994年峨眉映画制作所制作
35mmカラー・ビスタサイズ 日本語字幕スーパー 109分
原題:被告山杠爺(The Accused Uncle Shangang)
第15回中国電影金鶏賞最優秀作品賞受賞作
第18回《大衆電影》百花賞最優秀作品賞受賞作
監督:范元(ファン・ユェン)
脚本:畢必成(ビー・ビーチェン)、范元(ファン・ユェン)
撮影:饒仁(ラオ・レン)
主演:李仁堂(リー・レンタン)、楊樺(ヤン・ホァ)
   董丹軍(ドン・ダンチュィン)、閔捷(ミン・ヂェ)
   朱小丹、畢夫
●上映日時:
12月11日(水) 午後6:55開始(午後6:35開場)
●上映会場:
シビックホール(文京シビックセンター内=小ホール)
営団地下鉄丸ノ内線・南北線 後楽園直結
都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅1分
JR中央線水道橋駅8分
●会 場 費:
1200円(会員)、1500円(非会員)
(入会金:500円——その場で入会可、1年有効)
100円引きになる会場費割引券をご利用下さい。
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 ここは四川省の山奥の堆(トゥイ)村。ある朝、この村の共産党支部の責任者である杠(カン)じいさんの家の前で女が首を吊っているのが見つかった。
その女は強英(チャンイン)といい、気が強く手が早いことで有名であった。
 その日も、頭痛で食事の用意ができなかった姑を怒鳴り散らしたあげく、馬乗りになって殴りつけた強英は、姑の体を痣だらけにしてしまった。目に余るその行為に一計を案じた杠じいさんは、野外映画会に集まった人々の目の前で彼女の行為を批判したが、強英は全く反省の色を見せない。それならと、杠じいさんは強英を縛り上げて村中を引き回すことにした。悪態をつく強英に同情の声は聞かれなかった。しかし翌朝、強英は杠じいさんに見せつけるかのように、その家の前で首を吊ったのだった。
 杠じいさんの孫・虎娃(フーワ)は街の学校の寄宿舎住まい。聡明な孫が自慢の杠じいさんだったが、孫から疑問を発せられた。「強英さんを縛り上げて引き回したりしたために、彼女は自殺しちゃったけど、そんなやり方は法律に違反していると授業で習ったよ」。じいさんは答えるのだった。「国には国の決まりが、村には村の決まりがあるんじゃよ」。
 県の検察院は匿名の手紙を受け取った。それには、堆村で起こった事件の顛末と、調査依頼が書いてあった。若い女性検察官の蘇琴(スー・チン)と小丁(シァオティン)、警官の王(ワン)たちは村を訪れて調査を開始した。王は、この村がじいさんの人徳あふれる指導と私利私欲を排した厳しい態度のおかげで30年間も事件と無縁であったことを知っていた。
 調査が進むにつれ、意外なことがわかってきた。金儲けに狂奔して田畑を放置したため連れ戻された明喜(ミンシー)、食糧の供出と罰則を拒絶したため縛り上げられた王禄(ワン・ルー)、貯水池の修理に反対して資金と労働の提供を拒み党員資格を停止された臘正(ラーチェン)たち全員が杠じいさんを恨むどころか、その忠告と処罰に感謝しているのだった。
 30年もの間、村を強力に指導してきた杠じいさん。蘇琴はその功績と人徳に感動した。しかし、彼女にはやらなければならないことがあった…。

 『人治から法治へ』。改革開放に伴い、ハード面だけでなくソフト面の社会基盤が徐々に整備されてゆく中国における『時代の移り変わり』を強く感じさせるのがこの作品である。この映画は、山村の人たちが保持してきた伝統的価値観が、新しく作られた『法律』というもので破壊される苦悩を描いている点で注目に値すると言えよう。
 監督の范元は、村の掟に背いたため追い出した人物に対し、立ち遅れた山村を救ってもらうための資金提供を乞いに出かける村長を描いた《呉二哥請神》(邦題:村長の神頼み)など、四川省を舞台に山村の矛盾を描いた一連の作品で各種の賞を総なめにしている注目株である。最新作は2001年の《太平使命》である。
 主人公の杠じいさんを演じた李仁堂は、この作品で第15回金鶏賞と第18回百花賞の両方の最優秀主演男優賞を受賞した。文革期の映画《青松嶺》《創業》《十月的風云》などに出演したベテランで、1980年にも《泪痕》で百花賞主演男優賞を受賞した実力派である。その他の作品に《子夜》《元帥之死》《如意》など1980年代を代表する数々の作品に主演したが、今年6月24日、惜しまれつつ亡くなった。

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★★★今後の上映予定★★★

12月11日(水) 18:55〜 《正義の行方》(監督:范元、主演:李仁堂)
1月24日(金) 18:55〜 《祝福》(原作:魯迅、主演:白楊,魏鶴齢)
2月22日(土) 18:55〜 《クラッシュ・ランディング〜緊急着陸》
(監督:張建亜 主演:邵兵,尤勇,徐帆)
3月29日(土) 14:00〜 上映作品未定(2作品上映)
 4月19日(土) 10:00〜 上映作品未定(2〜3作品上映)
 5月31日(土) 10:00〜 上映作品未定(2〜3作品上映)
 6月14日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)

上映会場はすべて文京シビックホール(小ホール)になります。
文京シビックホール(文京シビックセンター)の地図は次のアドレスをご覧下
さい。 http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/civic.htm
これ以外にもビデオ上映会を計画しています。

以上

現代中国映画上映会 gentyuei@parkcity.ne.jp
http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/