【イルカに魅せられた研究者・ナチュラリスト】

〇キャサリン・ダジンスキー(海洋生物学者)
コネチカット州生まれ。バハマ諸島海域に生息する大西洋マダライルカや、日本の
伊豆諸島御蔵島周辺に生息するバンドウイルカなどを対象にイルカの社会的行動を
10年以上に渡って調査、研究している。空気中の4.5倍の速さで音が伝わる水中で、
音の発せられた方向を識別するために独自に開発した可動型映像音響記録装置(MVA)
を使って、イルカの音声と映像を同時に記録・分析。この調査で解明されたイルカの
生態は、野生イルカのコミュニケーションにおいて大変興味深いものと評価され、
この研究で、1996年に彼女はテキサスA&M大学にて博士号を取得。
現在彼女は、the Ocean Conservation Society(海洋保護協会)の副会長を務める他、
ロサンゼルスに本拠地を置くドルフィン・コミュニケーション・プロジェクトの指導
者でもある。また2000年3月にはナショナル、ジオグラフィック・ブックス社から
「Meeting Dolphins;My Adventures In The Sea」という、子ども向けにイルカの生態
を紹介した本を出版。これらの広い活動により彼女は「ナショナル・ジオグラフィック」
や「アウトサイド・マガジン」などでも注目され、「ガールスカウト・オブ・アメリカ」
のホームページにも。

〇デイーン・バーナル(博物学者)
1987年以来、タークス=カイコス諸島で大西洋バンドウイルカのジョジョと泳ぎ、彼
のその珍しい経験は「ダイアン・フォッシーの”異なる種との親密な相互理解”と、海
版クロコダイル・ダンディーともいうべき”大自然の経験”をミックスした」といわれ
ている。
1989年、ジョジョが無理やり触ろうとした観光客にかみついたことが原因で、ジョジ
ョを危険だとして地元のリゾートオーナーが捕らえようとする。このときバーナルが
行ったジョジョを守る熱心な運動が、当時の英国首相マーガレット・サッチャーに認
められ、彼女の推薦で、ボランティアの”ジョジョの番人”に任命される。その後まも
なく、ジョジョをはじめとする「はぐれイルカ」の医療処置と法的保護をする「ジョ
ジョ・イルカプロジェクト」を発足。現在彼は、イルカの保護だけにとどまらず、タ
ークス=カイコス諸島の国立公園、海洋保護区を発展させる海洋環境保護者として、広
く活動をしている。

〇アレハンドロ・アセベド・グテレス(海洋生物学者)
メキシコシティー育ち。バハ・カリフォルニアのオートノマ大学で海洋生物博士号にあ
たるLicenciature en Biologia Marinaを取得。その後テキサスA&M大学にて、イルカの
採食行動とサメの相互関係についての論文を発表。コスタリカ沿岸の離島からバハ・カ
リフォルニアにいたる地域の、イルカ・クジラの食餌法の研究を専門とする。

〇ベァーンド・ワージッグ(海洋生物字者/サイエンス・アドバイザー)
テキサスA&M大学でのダジンスキーとグテレスの担当教授。20年以上にわたりイルカ・ク
ジラの研究を続け、行動生態学や社会構造、保護生物学に関する著作を多数発表。パタゴ
ニア、アルゼンチン、ニュージーランド沿岸のハラジロカマイルの先駆的な研究は、鯨類
についてなされた研究のなかで、もっとも広範囲にわたってなされた研究として、研究者
の間でも高く評価されている。

【製作スタッフについての詳細】

〇製作・監督:グレッグ・マクギリブレイ
グレッグ・マクギリブレイは、これまでに1996年のアカデミー最優秀ドキュメンタリー短
編部門にノミネートされた『リビング・シー』や、大型映像作品としては初の北米興行成
績トップ10入りを果たした大ヒット作『エベレスト』の監督をつとめた、大型映像業界の
開拓者ともいえる人物だ。
そしてこの『ドルフィン』は、彼の多くの作品のなかでも海の美しさと不思議さを伝える
という使命を持つ点で『リビング・シー』に続く作品であり、そして彼にとってはアカデ
ミー賞にノミネートされた2本目の作品となった。またマクギリブレイは、この作品を1作
目として、今後10年間にわたり『グレート・アドベンチャー・フィルム・シリーズ』と題
した作品を、毎年1本制作するという意欲的な計画を発表。熱狂的なサーファー、船乗り、
ダイバーとしても知られる彼は、まるで貴重で壊れやすい自然に多くの人の意識を向ける
ために、自分の会社を捧げているようにさえ見える。

〇音楽:スティング
グラミー賞の受賞経験を持つ、歌手であり、作詞家、作曲家でもあるスティングは、1987
年に「孤独なダンス」「フラジャイル」の2枚のシングルを含む「ナッシング・ライク・ザ
・サン」を発表したのを皮切りに、人権侵害や熱帯雨林破壊に対して10年以上にわたり反
対運動を続けている。
そして1995年、マクギリブレイ・フリーマン・フィルムズ製作の『リビング・シー』に音
楽を提供。グラミー賞受賞のポップ・スターがコンサート映画以外の映画に音楽を提供し
たということで話題になった。
1983年、アルバム「シンクロニシティ」のなかの「Every Breath You Take/見つめていた
い」で、ポリスとしてグラミー賞を受賞。1991年「ソウル・ケージ」、1993年「テン・サ
マナーズ・テイルズ」ともに、スティングのソロ活動でグラミー賞を受賞。

《スティングによるオリジナル曲も収録されたオリジナルサウンドトラック『ドルフィン
ズ』好発売中!》
オリジナル曲「アイ・ニード・ユー」をはじめ、共作1曲も含め、全11曲中9曲ものスティ
ングの曲が収録されたアルバム。この映画に対する、スティングの思い入れがわかる。現
在。ユニバーサル・ミュージックより絶賛発売中!
2,548(税込)———「ドルフィンズ」(POCP-7495)

〇撮影(バハマロケ・水中シーン)/ボプ・タルボット
ビミニ沖とバハマ諸島で行われた太平洋マダライルカの水中撮影では、イルカ・クジラの
スチールカメラマンとして、またフィルムカメラマンとして世界的に有名なボブ・タルボ
ットが撮影監督兼カメラマンとして参加。イキイキとしたイルカの動きをカメラに収めて
いる。
タルボットは海の神秘を20年にわたり撮り続け、その作品は、「Geo」「ナショナル・ジオ
グラフィック」など多くの雑誌に掲載されるほか、ビデオ作品としても発売され、多くの
人を魅了してきた。このたびその集大成ともいえる「Ocean of Light」という写真集が出
版される。

〇撮影(パタゴニアロケ・野生動物シーン)/ポール・アトキンス
アルゼンチンでハラジロカマイルカの採食シーンなどの撮影を担当したアトキンスは、エミ
ー賞や英国アカデミー賞など多くの賞を受賞している映画製作者であるとともに、7年間に
わたり海洋生物学を学んだハワイ大学海洋生物学科の卒業生でもある。1983年にBBCにて野
生生物のドキュメンタリーを撮ったのを皮切りに、ナショナル・ジオグラフィック、ABC、
TBS、PBSなどのために多くの映画を撮影、さまざまな自然を紹介してきた。

2000年度アカデミー賞ドキュメンタリー短編部門ノミネートされた
『ドルフィン』は、2001年5月12日よりアイマックスシアターにて公開!

□作品紹介
http://cinema.fan.to/works/output2.php?oid=935