離れ離れになった妹を探す旅は自分自身を探す旅でもあった…。
そのことに気づいたとき、少女は大人へと変化を遂げていく。

『センチメンタルシティマラソン/Sentimental City Marathon』
2000年/日本映画/75分/ヴィスタサイズ/ステレオ

・4/22より台湾先行公開決定! 6月10日シネセソン渋谷にてレイトショー公開!

<INTRODUCTION>
喧騒の街角。離れ離れになった姉妹、マチネとソワレ。マチネは暗殺者として、ソ
ワレは言葉を失いフラワーショップの店員として生きている。姉は絶対の指令にと
まどい命を危険にさらしながら、妹は失望と希望の中で前向きに生きることを誓い
ながら、境遇の違う二人は互いに互いを捜し求める…。

タイランドでの約1ヶ月のロケを敢行、TV、舞台で活躍、大人の女優として変貌を
続けるともさかりえの主演最新作がついにスクリーンに登場! 共演に佐伯日菜子
を迎え、運命に翻弄される二つのスパイラルストーリーが完成しました。無国籍感
溢れる中、日本版『恋する惑星』として早くも注目を集めています。

『トランスミッション』のTHEYELLOW MONKEY、『ワイルド・ゼロ』のギターウルフ
と話題のアーティストたちを取り上げてきたギャガ・コミュニケーションズの音楽
映画第3弾となる本作『センチメンタルシティマラソン』は期待の新人、小泉恒平
が挿入曲『瞳の記憶』を担当しました。小泉の製作した曲は全てTV番組のテーマ曲
に取り上げられており、実力、人気を兼ね備えたブレイク寸前のアーティストとし
て音楽関係者たちから熱い視線を送られています。

<STORY>
熱気のこもる街の片隅で、ある男が背後から拳銃を突きつけられる。「汚れた空気
はいらない」男が聞いた最後の言葉だ。マチネは雇われ殺し屋。元締Xからの指令
に基づいて、暗殺する。彼女には生き別れた妹がいる。妹を探すため仕事をし、そ
の傍ら新聞の尋ね人欄に妹を探す情報を求める。彼女の生きがいは妹ともう一度逢
うこと。いつものように元締からのミッションを果たすマチネ。ただ、今回の仕事
は違った。彼女が背後から銃を突きつけた瞬間、男が崩れ落ちた。すでにターゲッ
トは殺されていた。

マチネは驚き、元締へそのことを報告する。先手を取ったのが話なのか、彼にはあ
る予感があった。そんな時少女コミケが町で叫んでいた。「私は見た。女が男を殺
した。私の兄さんを殺したのもあの女がもしれない」コミケは兄が死んだ後独りで
暮らしていた。そのコミケに近づき力になる女フェイ。壁に免れ銃に弾丸をこめる
マチネ。そこに女が近づいてきた。フェイだ。「換気屋の仕事、本当に人のために
なってると思う? ただ不幸な人を増やしているだけなのに」いきなりマチネを襲
うフェイ。かわすマチネ。息詰まる攻防。一瞬の間があきフェイは姿を消す。

フェイは元締めの娘だった。しかし欲望のため自分の妻と娘を殺そうとした父を、
フェイは決して許さず、父を殺す時を虎視眈々と狙っていたのだ。フェイを殺せと
指令をだす元締。だがマチネにはフェイに言われて以来、自分の仕事に自信が持て
ずにいた。私が汚れた空気だったのかもしれないと。蒸し暑い夜の街角で元締の手
下モンドに襲われ、息も絶え絶えのフェイに近づくマチネ。マチネに母の形見を渡
し、自分の意志を引き継ぐよう頼むフェイ。全てを終え、町を出ようとするマチネ
に近づくコミケ。腕には一杯の花束を携え、胸には「汚れた空気はいらない」の言
葉を隠して…。

花屋の中で忙しく働く女、ソワレ。彼女は幼いころ事故で言葉を無くした。
少女二人が写った古い写真を見つめるソワレ。失ったのは言葉だけではなかった。
生き別れになった姉がどこで暮らしているのか、お金を貯めていつか姉に会いに行
くことを夢見て毎日を過ごしている。
そんな彼女を優しく見つめ、いつも1本の花を買い求めるミカミ。彼女にいつか自
分の気持ちを伝えられたら…。ミカミはソワレが姉を探していることを聞き、なん
とか逢えるようにと甲斐甲斐しくソワレの力になっている。
街のおばさんたちも、ソワレと姉の写真をチラシにして一緒に張り出してくれてい
た。ソワレを見つめるのは彼だけではなかった。町で出会った女性に「妹を探して
ほしい」と頼まれたユウスケ。「きっと彼女があの娘の妹に違いない」と確信し、
ソワレにその旨を伝える。喜び半面、不安反面のソワレ。その女性の名はルルナと
いった。ルルナは頭に入った金属片を取り除く手術を控えており、失敗すれば記憶
を失ってしまうという。その前に妹に逢いたいのだと懇願するルルナ。ルルナは古
い新聞記事をユウスケに見せる。

そこには“深夜のドライブ大惨事”とリードがつき、家族四人の乗った車の衝突事故。
同乗していた幼い姉妹が行方不明、と書かれてあった。ある目、ルルナは妹に早く
逢いたい一身で病院を脱走する。彼女の担当医はユウスケに意外な事実を伝えた。

「彼女は珍しいタイプの記憶喪失で、いろいろな人の情報を取り入れて自分のもの
にすることで安心しているのです」すべての状況が飲み込めたユウスケはルルナを
探すため走り出すが、ルルナはソワレを探し当て、ソワレの眼の前にいた。しかし
ソワレにその顔の記憶は見出せない。この人はお姉さんではない…。ソワレは姉を
探すため町を離れ、旅に出ることを決める。きっと出会うはずの姉を求めて…。

<STAFF>
製作:ギャガ・コミュニケーションズ
エグゼクティブ・プロデューサー:田中和彦
チーフ・プロデューサー:竹本克明
プロデューサー:小野浩次、八木欣也
監督:新藤薫
脚本:赤松裕介
撮影:津田豊滋
照明:川井稔
録音:三澤武憲
美術:石井巌
スタイリスト:安野ともこ
ポストプロ・ディレクター:須賀大観
制作:OMG(オーエムジー)
仕上げ制作:小椋事務所
挿入歌:「瞳の記憶」作詞:MIEKO作曲:小泉恒平
唄:小泉恒平
(ビクターエンターテインメント株式会社)サントラ盤発売:Ajaレコード
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝・配給協力:ベイサイド・オフィス

<CAST>
マチネ/ソワレ:ともさかりえ
フェイ:佐伯日菜子
元締X:寺田農
ユウスケ:松田ケイジ
ミカミ:菊地健一郎
コミケ:大村彩子
BB:ビビリョン
モンド:薬師寺保栄