ケルティック・フィルム・フェスト/CELTIC FILM FEST
2000年4月4日〜9日 草月ホール

 『ローカル・ヒーロー』という映画を覚えていますか。『ビーナス・ピーター』、
『カルラの歌』、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』に『トレインスポッティング』。
どれもスコットランドが薫台でした。『スターダスト』という映画がありました。
『コミットメンツ』、『フィオナの海』、『スナッパー』、そして最近のロングヒ
ットが記憶に新しい『ウェイクアップ!ネッド』がありました。アイルランドを描
いた映画です。ヒュー・グラントが丘に登ったはずなのに山から降りてきた『ウェ
ールズの山』という映画、これはもちろんウェールズです。「ケルト」という括り
で映画を特集するのは、日本ではおそらく今回が初めてなので、なじみがないよう
に感じるかもしれませんが、どこかで心惹かれた映画があるのではないでしょうか。

 「ケルト」というルーツ・カルチャーを持つ国や地域として知られるアイルラン
ド、ウェール、スコットランド、さらにコーンウォール、ブルターニュ、ガリシア
。これらのケルティック・カントリーでは近年、映画製作にカを注いています。ケ
ルト圏の多くは英国の一部、フランスの一部、スペインの一部であり、それぞれに
歴史を重ねているため、映画それ自体に、トラディショナル・ミュージックのよう
な明らかなケルト的特徴を見ることは難しいのですが、これらの国や地域では、ケ
ルトというルーツにアイデンティティのひとつを見いだしている映画人たちが目立
ちはじめ、映画産業もまた地域の独自性を重視しようとしていることは事実です。

 ケルティック・カントリーで開催されている「ケルト映画テレビ映画祭(Celtic
Film and Television Festival)」が年々活況となっていることもその表れですが
、中でもケルト圏の映画への意欲と独自性へのこだわりを、いちぱんに感じさせる
のが、アイルランド、ウェールズ、スコットランドの短編映画とケルト系言語作品
の製作スキムです。これらのスキムから生まれた若い才能がここ数年の国際映画祭
で多くの賞を獲得し、世界的な注目を集めているのです。

 今回この映画祭で上映するカースティン・シェリダン、リン・ラムゼイはまさに
世界が期待する新しい才能であり、短編映画のスキムが生み出した監督です。また
ケリ・シャーロック、キャロル・ムーアなどはケルト系言語映画のスキムから生ま
れ、その独自性によって世界に通じるユニヴァーサルなカを作品にもたらしました
。今回の私違のプログラムは、ケルティック・カントリーでもっとも映画製作が活
発なアイルランド、ウェールズ、スコットランドの映画を特集し、わけても若い才
能を紹介できる作品、そして、ケルト系言語をはじめとするルーツ・カルチャーや
地域の独自性を背景に持つ作品を中心に選んでいます。

 伝説に題材をとったもの、社会の形讐や土地・風景からの影響を描いたもの、歴
史を見つめたもの、そして土地柄を生かしたユンタテイメントなど内容はさまざま
ですが、今回の上映作品を通レてイギリスとも、大陸ヨーロッパとも、もちろんア
メリカとも違う、イマジネーション、ユーモア、物語の伝統人間味を感じていただ
けれぱと願っています。

ケルティック・フィルム・フェスト,務局長武井みゆき(ムヴィオラ)

ケルト圏出身の主な監督・俳優=
 ニール・ジョーダン、ジム・シェリダン、ガブリエル・パーン、
 ピアース・ブロスナン・ジョナサン・リース:マイヤーズ(アイルランド)、
 ダニー・ホイル、ユアン・マグレガー、ロバート・カーライル(スコットランド)、
 ピーター・グリーナウェイ、アンソニー・ホプキンス、
 キャサリン・セタ=ジョーンズ(ウェールズ)

主な短編映画賞:
 ’94アカデミー貰最優秀短編賞/
  『Franz Kafka’s It’s A Wonderful Life』
    ピーター・カバルディ(スコットランド)、
 クレルモンフェラン国際短帽映画祭’96グランプリ/
  『35 aside』
    ダミアン・オドンネル(アイルランド)、
 同  ’98グランプリ/
  『パターンズ’カースティン・シェリダン』(アイルランド)、
 ’98年カンヌ映画祭短蘭賞
  『ガスマン』
    リン・ラムゼイ(スコットランド)

全作品・全監督、日本初の劇場上映。幻の民のルーツからいちばん新しい才能へ。
ケルティック・カントリーの中で特に映画制作が活発なアイルランド、ウェールズ、
スコットランドから、すべて日本未公開の新作・話題作がやってきます。’99年ペス
ト・フィルムの呼び声高い秀作やヒット作を集めた長編、アイディアや感性がきら
めく短編傑作選、また各地域が文化の継承として力を注ぐ美しい響きをもったケル
ト系言語の作品。イギリスとも大陸ヨーロッパとも、もちろんアメリカとも違う、
イマジネーション、ユーモア、物語の伝承、人間味にあふれた映画の数々です。
しかも全作品の監督が日本で初めての劇場上映。近年、世界の映画祭で受賞が相次い
でいるケルト圏の新しい才能がズラリと登場します。未来の大物たちの日本での
初めての観客になってくたさい。

期間■2000年4月4日〜9日(6日間)
会期■草月ホール(地下鉄銀座線・半蔵門線 青山一丁目駅/
         丸ノ内線・銀座線 赤坂見附駅)
一般お問い合せ■ムヴィオラTEL03-5366-1675
チケット■前売券
1回券 1300円(当日1500円)
3回券 3300円
各回入替制
チケットぴあ、CNプレイガイド、ローソンチケット、他プレイガイドにて発売
イベント■【ケルティック・シネマ・パーティー】
日時:4月4日(火)18:30〜
司会:ピーター・バラカン氏
内容:ワンドリンク付き
  短編映画上映(約1時間)
  ケルティック・トラッド・バンド”Anam”のミニライブ
  来日監督を因んでのオープニング・パーティー
チケット:前売り1500円チケットぴあのみ発売(当日券なし)

ケルティック・バンド”Anam”プロフィール
魂の意味を持つ期待のケルティック・トラッド・バンド。メンバーはアイルランド
、スコットランド、コーンウォールなどの出身。94年にデビューし、ヨーロッパに
おいて高い評価を受ける。99年のStonehaven Folk Festivalではヨーロッパ・トラ
ッド・ミュージック・ペスト・ライブに選ばれた。
3月23日に新作「燃えさかる炎」をリリース。

宣伝/制作■ムヴィオラ
主催■ケルト映画祭実行委員会
協力■草月ホール
後援■アイルランド大使館
賛助■アイルランド外務省/ブリティッシュ・カウンシル