この度、制作を発表させて頂く作品は現在、注目を集めている作家・宮下奈都の小説デビュー作『静かな雨』です。
宮下奈都は『羊と鋼の森』で2016年の本屋大賞1位を受賞し、その『羊と鋼の森』(主演:山崎賢人)は2018年に映画化され話題を呼びました。『静かな雨』は、そんな彼女が2004年に執筆し、第98回文學界新人賞佳作に入選したデビュー作です。
そして今回、様々な役どころを自在に演じ分ける本格派俳優として注目されている太賀と、先日“乃木坂46”を卒業し、新たな一歩を踏み出した衛藤美彩のダブル主演により、『静かな雨』を映画化することとなりました。
メガホンを取ったのは、『四月の永い夢』(2017)で世界4大映画祭のひとつモスクワ国際映画祭コンペティション部門に選出され、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰をダブル受賞し、新作『わたしは光をにぎっている』(2019)で同映画祭に特別招待されワールドプレミアを果たした、昨今の映画界で評価を高めている新鋭・中川龍太郎。
出演者と監督の若い力を結集させた本作で、日本映画界に真の愛を問いかけます。
また明日6月6日には『静かな雨』の文庫本が発売される予定。

【物語】
大学で生物考古学研究助手をしている行助(太賀)は、パチンコ屋の駐車場でおいしそうなたいやき屋を見つける。そこは、こよみ(衛藤美彩)という、まっすぐな目をした可愛い女の子が一人で経営するたいやき屋だった。そこに通ううちにこよみと少しずつ親しくなり、言葉を交わすようになる。
だがある朝、こよみは交通事故で意識不明になってしまう。毎日病院に通う行助。そしてある日、奇跡的に意識を取り戻したこよみだが、事故の後遺症で記憶に障害があることがわかる。事故以前の記憶は残っているが、目覚めてからの記憶は一日経つと消えてしまうのだ。行助は記憶が刻まれなくなったこよみと、変わらずに接していこうとするが……。
外は静かな雨が降っていた。

【太賀さんのコメント】
この作品に対する想いを一言では表現できない。それほど、監督と沢山の言葉を交わし、悩み考え抜いて現場に臨みました。
記憶が失われていくヒロインの目に映るのは、曖昧でどこか不確かな光景なのかもしれません。その世界に僕が持ち寄れるものは、確かで純粋な優しさだけだと思って演じました。
素晴らしいスタッフの方々、素敵なキャストの皆さんと過ごした日々は、中川監督の強烈な個性が引き寄せた、映画作りにおける奇跡のようでした。ぜひ、劇場に観に来てください。

【衛藤美彩さんのコメント】
 初映画が初主演ということで、お話しを聞いた時は私で務まるのか不安な気持ちの方が大きかったです。でも静かな雨の原作を読ませて頂いて、この物語の世界観が本当に素敵で、ユキスケとこよみの生きている時間が優しく温かく、私もこの世界の中で生きてみたい!と素直に感じました。監督、スタッフの皆様、ユキスケ役の太賀さん始め、沢山の方に支えて頂きながら無事撮り終える事が出来ました!早く皆さんに観て頂きたいです。

【中川龍太郎監督のコメント】
山を切り崩して造成された人工の街のその片隅。
そこには、ささやかな生活があって、わずかばかりの自然の残響が音楽として満ちている。その歓びと哀しみと希みを描きたくてこの物語を映画にさせてもらいました。太賀さんが演じる、足を引きずりながらも一歩ずつ前進しようとする青年は僕たちの写し鏡。彼が、衛藤美彩さんの演じる、失われた自然の精霊と出会い、静かな奇跡を起こす姿を劇場の暗闇でみなさまと共有できるのを楽しみにいています。

【キャスト】               
太賀 衛藤 美彩 他
 
   【スタッフ】
原作:宮下 奈都『静かな雨』(文藝春秋刊) 
監督:中川 龍太郎
脚本:梅原 英司、中川 龍太郎
   制作:「静かな雨」製作委員会  
プロデューサー:和田 丈嗣、藤村 駿、新井 悠真

   【オフィシャルHP】 https://kiguu-shizukana-ame.com
              
   【コピーライト】©2019「静かな雨」製作委員会 / 宮下奈都・文藝春秋

2020年新春、全国順次公開             
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