『僕たちは希望という名の列車に乗った』(5月17日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開)は、ドイツが分断されていた時代に、東ベルリン郊外の高校生たちに起きた実話を基にした作品です。

クラスのリーダー的存在で労働者階級の出身ながら一族で初めて大学へ進む予定のテオ、テオの親友で市議会議員の父を持つ正義感あふれるクルト、戦争の英雄だった亡き父に憧れている真面目なエリック、映画監督になるのが夢でお調子者のパウル。ほんの数週間前までは卒業を控え、未来への希望に満ち溢れていたふつうの高校生だった彼らが、政府に追い詰められ、国境を越えることを余儀なくされる。彼らの勇気ある決断の背中をおしたのは、母親や祖母ら女性たちだった。二度と会えなくなるかもしれない我が子の亡命、しかし未来のため、あえて法を犯す道を促した、親の深い愛情だった。母の深い愛を綴ったコメントが、「モーニングショー」コメンテイターでおなじみ浜田敬子さんから届きました。

曇りなき心で声を上げた子どもと、歴史を背負った大人。
我が子の未来を守ろうとした母の言葉が忘れられない。
私たちが、今観るべき物語。
――浜田敬子/Business Insider Japan 編集長・元アエラ編集長

コメントフライヤーも完成しました。武藤将吾さん(脚本家「3年A組ー今から皆さんは、人質ですー」)ら各界から絶賛の声が届いています。コメントは下記。
母の日を記念し、家族シーンのスチールも解禁しました。


◎コメント
鋭く盲目な現実を彷徨った。
彼らに寄り添い、揺さぶられ、涙した
この感情こそが、私にとっては希望だった。
――武藤将吾/脚本家「3年A組ー今から皆さんは、人質ですー」

人間の良心は国家の重圧にどこまで耐えられるのか。
家族と別れても守り続けたものは。
心に響く傑作。           
――姜尚中/東京大学名誉教授

自分で考えようとしただけで「国家の敵」になる時代。
けっして過去の話ではないと思わせる映画です。
――宇野重規/東京大学教授

国や時代は違えど見覚えのある
些細な教室のノリによって生まれる大きな葛藤。
自分だったらと考えずにいられない。
――羽賀翔一/マンガ家「漫画 君たちはどう生きるか」

見終えてすぐには声も出なかった。
ただ真っすぐ権力にも逆境にも立ち向かい、
友情と信義を重んずる若い日が、我々にも確かにあった。
そんなことを静かに思い起こさせてくれる作品だ。
――池田理代子/劇画家・声楽家

追従の楽を捨てて行動する恐怖。
震えながらも抵抗し未来を賭ける若者の姿に、
熱いものが込み上げてきた。
――深緑野分/作家「ベルリンは晴れているか」

まだベルリンの壁が存在していない時代の若者達の姿
を見て、あらゆる年齢の人々に感じてほしい。
希望を追い求める為の「小さな革命」が私達にも必要だと言うことを。
――原沙知絵/女優

曇りなき心で声を上げた子どもと、歴史を背負った大人。
我が子の未来を守ろうとした母の言葉が忘れられない。
私たちが、今観るべき物語。
――浜田敬子/Business Insider Japan 編集長・元アエラ編集長


<概要>
すべては、たった2分間の黙祷から始まった――
なぜ18歳の若者たちは国家を敵に回してしまったのか?
東西冷戦下の東ドイツで起こった衝撃と感動の実話

『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(16)でドイツ映画賞6部門を制した気鋭の ラース・クラウメ監督が、旧東ドイツで起こった知られざる史実に触れ、新たな創作意欲をかき立てられた実録ドラマ。

 1956年、東ドイツのスターリンシュタット(現在のアイゼンヒュッテンシュタット)の高校に通うテオとクルトが、西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。クラスの中心的な存在であるふたり は、級友たちに呼びかけて授業中に2分間の黙祷を実行した。それは自由を求めるハンガリー市民に共感した彼らの純粋な哀悼だったが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。やがて当局が調査に乗り出し、人民教育相から直々に一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。大切な仲間を密告してエリートへの階段を上がるのか、それとも信念を貫いて大学進学を諦め、労働者として生きる道を選ぶのか……。
その残酷な政治弾圧は、たった2分間の黙祷から始まった。 無垢な少年少女が人生のすべてを懸けて下した決断、 そして大人たちに抗う彼らが成し遂げた“小さな革命”とは?  

著者のディートリッヒ・ガルスカが自身の体験を記したノン フィクションに基づく本作は、高校生たちが行ったわずか2分間の黙祷が国家機関の目に留まり、政治的な弾圧へと発展していく衝撃的な物語だ。
1956年秋、ソ連の支配に反発したハンガリー市民数千人が死亡したとされるハンガリー動乱に世界中の注目が集まるなか、ごく普通に青春を謳歌していた東ドイツの無垢な若者たちがなぜこのような行動をとり、国家を敵に回してしまったのかについて緻密なリサーチを行ったクラウメ監督は、その驚くべき事の成り行きを映像化。迫真のサスペンスと、繊細にして深みのある人間ドラマで観る者をぐいぐい引き込んでいく。
惜しくも2018年にこの世を 去った原作者ガルスカは、事件の当事者となった19人の生徒のひとりであり、劇中のクルトのキャラクターに彼の実体験 が反映されている。
映像は青春映画らしいみずみずしいきらめきに満ちあふれ、無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった若者たちが、仲間との友情や恋を育みながら、あるときはまっすぐに主張をぶつけ合い、「人間として正しきこと」とは何かをひたむきに模索していく姿をドラマティックに描き、新進俳優たちのフレッシュな演技にも目を奪われる。

このうえなく過酷な現実にさらされた彼らが、人生のすべてを懸けた決断を下すクライマックスは、あらゆる観客の心を熱く揺さぶる。

監督:ラース・クラウメ『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』 原作:ディートリッヒ・ガルスカ「沈黙する教室」(アルファベータブックスより4月発刊予定)
出演:レオナルド・シャイヒャー、トム・グラメンツ、ヨナス・ダスラ―、ロナルト・ツェアフェルト『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』、ブルクハルト・クラウスナー『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』
2018年/ドイツ/ドイツ語/シネスコ/111分/PG-12/日本語字幕:吉川美奈子 協力:ゲーテ・インスティトゥート東京 配給:アルバトロス・フィルム/クロックワークス © Studiocanal GmbH Julia Terjung
公式サイト:bokutachi-kibou-movie.com

5月17日(金)Bunkamuraル・シネマ,
ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開