日本を代表する作家の作品が多くの海外映像クリエイターたちに影響を与えてきた中、ひと際異彩を放つ作品として村上龍の小説がハリウッドで映画化。殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女が出会い、オープニングからラストまで緊迫感が持続するサイコスリラー『ピアッシング』(原題:Piercing)が、6月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国ロードショーとなります。

この原作に魅せられたのが、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ。デビュー作で2016年ファンタスティック映画祭の5部門を受賞した注目の監督が、洗練されたスタイルで映像化。主人公は幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動を抑えるためにSM嬢の殺害を計画。しかし呼び出した女はいきなり自分自身を傷つけはじめる…。
出演は『ファースト・マン』のクリストファー・アボットと、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ。ペッシェ監督は次回作で『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛。劇中に荒木経惟の写真を使っているほか、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与えています。スタイリッシュでありながら現実との境界線が曖昧な建物造形も、オリジナリティあふれる世界観を形作っています。

この度、情報解禁されたのは、今週末から劇場で上映・掲出される日本オリジナルの予告編とポスタービジュアル。まずはサスペンスフルな予告映像に神経を鷲づかみにされます。「オープニングからラストまで緊迫感が持続する」どころではなく、すでに予告編から緊迫感が極限状態となる凄さ。刺激的な映像とスリリングなセリフの数々によって、まるで幻覚をみているかのような世界に引き込まれていきます。

洗練されたスタイルで、サイコスリラーとしてのイメージをさらに増幅させるポスターも話題性十分。通常の映画ポスターらしからぬ、インテリア・アートといってもおかしくないデザインでありながら、アイスピック、下着、電話が配置されているのは・・・。
ますます作品内容への妄想が膨らんでいきます。
もちろんこれらのクリエイティブは、本作品を絶賛している村上龍本人もディレクションに加わっています。その結果、前回発表された「原作者として120%満足しています」――以上のメッセージが到着。劇場版チラシへの掲載と同時に、情報解禁となりました。

■村上龍(原作者)コメント
演技、演出、キャメラ、そして音楽、抑制され、かつ正確だった。
『ピアッシング』という物語のテイストが理解されていると感じた。
単に原作に忠実というわけではなく、不思議な感覚があった。わたしが原作を書くときに思い浮かべたイメージが、スクリーンに再現されている、そんな感覚だ。ホラー映画とカテゴライズされるのだろうが、残酷さの裏側、狂気の最深部に潜んでいる「人の優しさ」が、さりげなく描かれる。タイトルバック、エンドロールのビルの映像には驚いた。すばらしい。

■予告編
https://youtu.be/JLJKYM71t2s

■原作:村上龍「ピアッシング」(幻冬舎文庫) ■脚本・監督:ニコラス・ペッシェ ■撮影:ザッカリー・ギャラー
■美術:アラン・ランパート ■音楽スーパーバイザー:ランドール・ポスター
■出演:クリストファー・アボット、ミア・ワシコウスカ、ライア・コスタ
■提供:カルチュア・パブリッシャーズ ■宣伝:松竹ナビ ■配給:パルコ ■公式サイト piercing-movie.com
2018年/アメリカ映画/カラー/ビスタ/5.1ch/81分 ©2018 BY PIERCING FILM. LLC. ALL RIGHTS RESERVED.