被写体は父、母、兄、自分の4人家族。“家族でやってみたいこと”をテーマに様々なシチュエーションでコスプレして撮影する、そんなユニークな家族写真を世に送り出した写真家・浅田政志。
バンドマンや消防士、ラーメン屋などになりきったその姿を収めた写真集「浅田家」は、思わず笑みがこぼれてしまう仲睦まじい家族の光景が好評を博し、写真界の芥川賞ともいわれる第34回木村伊兵衛写真賞(2008年度)を受賞。この写真集「浅田家」のほか、東日本大震災の津波で泥だらけになってしまったアルバムや写真を洗浄し、元の持ち主に返すボランティア活動をする人々を約2年間にわたって撮影した「アルバムのチカラ」など現在の日本写真界において独特の存在感を放つ。その浅田政志の2つの写真集「浅田家」「アルバムのチカラ」を原案に、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)で、第41回報知映画賞作品賞・邦画部門、主演女優賞、助演女優賞、新人賞、第29回日刊スポーツ映画賞主演女優賞、石原裕次郎賞、第59回ブルーリボン賞助演女優賞、第40回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、新人俳優賞ほか、その年の映画賞を総なめにした中野量太監督が、独自の視点と脚本で、実在する家族の物語に挑みます!
物語は、4人家族の次男坊として育ち、幼い頃から写真を撮ることが好きで、写真家になった浅田政志を主人公に、家族の「愛の絆」「過去と今」をユーモアを交えながら描き、“家族とは何か?”を深く問いかけます。
“家族”という、この煩わしくも愛おしい、身近でかけがえのない存在を写真に撮ることの意味、写真に残すという行為そのものの意味。写真とは―。故郷とは―。家族とは―。本作では、実話をベースにオリジナル要素を加えながら、写真家・浅田政志が写真を撮り始め、東日本大震災という未曽有の天災を通して、それでもなお彼が家族写真を撮ることに向き合い成長する姿を描きます。

主人公・浅田政志を演じるのは、クリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』で国内外に鮮烈な印象を残し、『母と暮せば』で第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、昨年『検察側の罪人』で若き検事を演じ、第43回報知映画賞助演男優賞、第42回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した二宮和也。今や日本映画界に欠かせない俳優・二宮が、無茶で自由奔放ながらどこか許せてしまう人間味溢れるキャラクター・政志を、圧倒的な存在感と演技力で魅せます。(主演作は2017年公開『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』以来となります。)

共演は、『家族はつらいよ』シリーズ、『悪人』『怒り』などで好青年から殺人犯まで幅広い役を常に全身全霊で挑む妻夫木聡。『悪人』で第34回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、『怒り』では第40回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。確かな演技力で日本映画界を支えてきた妻夫木が、やんちゃな弟・政志をあたたかく見守り、政志のコスプレ写真の依頼にもいやいや付き合う心優しい兄・幸宏を演じます。

これまでクリント・イーストウッド、山田洋次、ホウ・シャオシェン、周防正行、三谷幸喜など巨匠・名匠と共に作品を作り上げてきた実力派の二宮・妻夫木が若き俊英・中野量太監督と初タッグを組み、実在する兄弟を演じます!また二宮、妻夫木は、今回が初共演となります!
撮影は、3月~4月、オールロケにて行い、公開は2020年を予定しております。

■二宮和也コメント
(妻夫木さんとの初共演について)たくさんの作品で演じている姿を観ていて本当にうまいなぁといつも感動していました。一緒に演じると自分の粗が目立つので、なんとなく捕まらないように逃げていたのですが、ついに捕まったか。という感覚です(笑)
しかし、こんな機会も滅多にないので目一杯楽しみたいと思っております。
今回実在する人物ですが、僕は普段から役作りというものをやった事がないので、今回もやりませんが、衣装や髪型を決めたり、色々話し合っていく中で高まった物を現場でぶつけていこうと思います。
(中野監督初参加について)
とにかく愛情に溢れた監督なんだろうなと作品を拝見してそう思っていました。
実際に一緒にロケ現場を下見に行った時も色々説明して頂いた姿が、本当にこの作品に対する愛情が伝わってきて、この期待に応えられるよう頑張ろうと思いました。一緒に作品を作れて光栄です。

■妻夫木聡コメント
今回二宮さんとの初共演に対してようやくご一緒できることに喜びを感じています。ずっと近くにいるのになかなかご縁がなかった二宮さん。感受性が豊かな二宮さんならば、政志を自由に魅力的に演じてくれると信じています。僕はそんな二宮さんをそっと隣で支えていければと考えています。
実在する人物を演じるにあたって「政志と僕が仲が良いことが最大の親孝行」お兄様から頂いたこの言葉が胸に響きました。自分の幸せより誰かの幸せを願うことは簡単なことではありません。その思いやりの心を胸に精一杯浅田家を愛すること、それだけです。
中野組初参加についてとにかく楽しみで仕方ありません。形はデコボコでも、浅田家の長男としてしっかりと家族を支えていければ幸せです。

■中野量太監督
約四年前に、プロデューサーの小川真司さんから、“この家族”を映画化したいと一冊の写真集を渡されました。そこに写っていたのは、今まで見たこともないくらい奇抜でヘンテコな家族で、なのに、どこか可笑しくて、ホッとして、懐かしくて。ずっと家族を映画で描いてきた僕にとって、堪らなく魅力的な家族だったんです。その写真集が『浅田家』でした。
じゃあ、この実在する魅力的な家族を誰に演じてもらうか?
映画の中に嘘なく存在して欲しい、人を惹きつける優しさと、憂いを持っていて欲しいなど、キャスティングには強いこだわりがありました。今回、浅田家の兄弟役のオファーを、希望通りの二宮和也さん、妻夫木聡さんに受けていただき、ほくそ笑んでいます。
この映画では、カメラマンになった浅田家の次男・政志を通して、家族の愛を、そして、東日本大震災の時に実際に行われていた、被災写真の洗浄返却活動を描きます。事実を元に構成した物語です、真摯に丁寧に大胆に、僕にとって、大きな挑戦をする映画になると思っています。

あらすじ
父・母・兄(妻夫木聡)という4人家族の次男として育った浅田政志(二宮和也)は、幼い頃から写真を撮ることが好きだった。政志が撮るのは「撮っていて楽しいもの、わくわくするもの」。どこか個性的でのんびりした家族や幼馴染で初恋の相手・若奈。写真専門学校に進学した政志は、卒業制作のテーマ「たった一枚で自分を表現すること」にも、迷わず被写体に家族を選んだ。それは、実際の浅田家の思い出のシーンを、当人達がコスプレし再現したものだった。そして、それは学校長賞を受賞した。
卒業後に地元に戻るも、定職には就かずパチスロ三昧。3年が過ぎ、ようやくもう一度写真と向き合おうとした政志が被写体に選んだのは再び「家族」だった。家族それぞれが“なりたかった自分”をテーマにコスプレをして家族写真として撮影した。これをきっかけに、家族写真の妄想が広がり、様々なシチュエーションを設定しては、家族でコスプレをしてそれを再現し、写真に収めるようになる。個展を開催したところ、写真を気に入った出版社が写真集を出版。その写真集「浅田家」は、第34回木村伊兵衛写真賞を受賞する。
プロとして活動を始め、全国の家族写真の撮影も引き受けるようになり、写真家として順調に歩み始めた政志。しかし、その家族にインタビューし、その家族ならではの家族写真を模索・撮影するうちに、戸惑いを感じ始める。“写真ってなんだろう?家族写真を撮ることってなんだろう?”自問するうちに、政志は写真が撮れなくなってしまう。
そんなとき、展示会の準備をしている最中、東日本大震災が起こりー。

作品概要
監督:中野量太
脚本:中野量太、菅野友恵
企画・プロデュース 小川真司
原案:浅田政志『浅田家』『アルバムのチカラ』(赤々舎刊)
製作:東宝映画、ブリッジヘッド、パイプライン
配給:東宝
©2020「浅田家(仮)」製作委員会
撮影スケジュール:2019年3月~4月(予定)
公開:2020年全国東宝系公開予定

キャスト
■二宮和也(浅田政志役)
1983年6月17日生まれ、東京都出身。
<代表作>
『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』(02)『青の炎』(03)
『硫黄島からの手紙』(06)『黄色い涙』(07)『大奥』(10)
『GANTZ』(11)『GANTZ:PERFFCT ANSWER』(11)
『プラチナデータ』(13)『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶん HAPPY』(14)
『母と暮せば』(15)
『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』(17)『検察側の罪人』(18)

■妻夫木聡(浅田幸宏役)
1980年12月13日生まれ、福岡県出身。
<代表作>
『ウォーターボーイズ』(01)『ジョゼと虎と魚たち』(03)
『ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT』(06)『涙そうそう』(06)
『パコと魔法の絵本』(08)『悪人』(10)『ぼくたちの家族』(14)『渇き。』(14)
『バンクーバーの朝日』(14)『怒り』(16)『ミュージアム』(16)
『愚行録』(17)『家族はつらいよ2』(17)
『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(17)『来る』(18)

脚本・監督
■中野量太
1973年7月27日生まれ、京都府育ち。大学卒業後、日本映画学校に入学。卒業制作の『バンザイ人生まっ赤っ赤。』(00)が日本映画学校今村昌平賞、TAMA
NEW
WAVEグランプリなどを受賞。卒業後、助監督やテレビディレクターを経て6年ぶりに撮った短編映画『ロケットパンチを君に!』(06)が、ひろしま映像展グランプリ、長岡インディーズムービーコンペティション
グランプリ、福井映画祭グランプリ、水戸短編映像祭準グランプリなど7つの賞に輝く。08年には文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35㎜フィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。その後、『チチを撮りに』(12)が、第9回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて日本人初の監督賞を受賞、第63回ベルリン国際映画祭正式招待を皮切りに、各国の映画祭に招待され、第3回サハリン国際映画祭グランプリなど国内外で14の賞に輝く。商業映画デビュー作となる『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)では第41回報知映画賞作品賞・邦画部門、主演女優賞、助演女優賞、新人賞(中野量太監督)、第29回日刊スポーツ映画賞主演女優賞、石原裕次郎賞、第59回ブルーリボン賞助演女優賞、第40回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、新人俳優賞ほか、その年の映画賞を席巻。19年5月には第二作『長いお別れ』が公開となる。いま日本で最も注目の若手監督の一人。

原案
■浅田政志
1979年7月生まれ、三重県出身。日本写真映像専門学校研究科卒業。関西にて浅田政志写真展「浅田家」ほか個展を多数開催し、09年に第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。「浅田家」のほか、東日本大震災の津波で汚れてしまったアルバムや写真を洗浄し、元の持ち主に返す活動をする人々を約2年間にわたって撮影した「アルバムのチカラ」や、ファッションデザイナーの神田恵介とタッグを組んでデタラメな制服を作り、高校生たちの卒業アルバムには載らない卒業写真を制作した「卒業写真の宿題」など話題作多数発表。現在、各地で個展を開催や書籍の刊行など精力的に活動中。

2020年全国東宝系にて公開!