邦画『ウィーアーリトルゾンビーズ』第69回ベルリン国際映画祭、日本映画初となるスペシャル・メンション賞(準グランプリ)受賞の快挙!
2017年、第33回サンダンス映画祭(ショートフィルム部門)にて、監督・長久允が日本映画初のグランプリを獲得。そんな長久允監督が長編作品に初挑戦した『ウィーアーリトルゾンビーズ』が異例の早さで本年のサンダンス映画祭からの招待を受け、見事日本人初の快挙となる審査員特別賞オリジナリティ賞を受賞!出席した多くの関係者から絶賛の声も頂いた。
そんな世界中から大注目の本作が、この度、第69回ベルリン国際映画祭にて、ジェネレーション(14plus)部門のオープニング作品として選出され、先日ヨーロッパプレミアが上映された。
ベルリン国際映画祭は社会派の作品が集まる傾向があり、毎年世界各国から選りすぐられた作品は世界に向けて発信され、受賞作品の多くは世界的な興行で成功を収めている。近年は若手の新人監督発掘に力を入れており、同映画祭から輩出される監督は常に注目を集めている。
そんな中、長久監督は本映画祭に“正式招待”されていたため、世界中から大きな期待が寄せられていた。そして2月15日(金)(日本時間16日(土))に授賞式が開催され、見事
“日本映画初“となるスペシャル・メンション賞(準グランプリ)受賞!
受賞の行方に誰もが期待を膨らませていたが、授賞式で本作が発表された瞬間、安堵と歓喜に変わり、会場は熱い拍手で包まれた。今回受賞したスペシャル・メンション賞とは、同部門の準グランプリにあたる賞であり、7名のティーンエイジャーの審査員より作品が選出される。ベルリン国際映画祭「ジェネレーション部門14plus」の長編作品として本賞を受賞したのは、日本映画の中で初の快挙である!
選出理由について、Youth Jurorからは下記のようにコメントしている。
In this film, various camera perspectives and editing techniques defy narrative conventions. Surreal and real images coincide in this work of art. As the plot advances, the characters reach a new level. Sound effects, music and visual elements support the video-game-like structure. With this Special Mention, we would like to honour a film with an extraordinarily distinctive style.
「訳:様々なカメラの視点と編集の技法が、これまでの映画では見たことのないものだった。シュールな画とリアルな画が融合している芸術作品だ。ストーリーの進行に沿って、主人公たちが新たなレベルに進んでいくゲーム的構造を、音、音楽、そして映像が演出している。素晴らしく独特のスタイルを持つこの作品を表彰する」
この結果に長久監督は「ベルリン映画祭、会場のみなさん、ここにいるチームのみんな、そして家族へ、ありがとうございます。」と感謝の旨を英語でコメント。続いて今回の受賞に関して「(ティーンの鑑賞が可能な)ジェネレーション部門で評価されたことが非常にうれしいです。なぜならこの映画はかつてティーンだった自分や、今ティーンの人を救うために作ったからです」と感激を語った。
先日のサンダンス映画祭では日本映画初である審査員特別賞オリジナリティ賞受賞し、1993年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞したジェーン・カンピオン審査員からは「この映画はとってもクレイジーで、とても革新的で、すごく新しい!」と、プログラムディレクターを務めたキム・ユタニ審査員からは「この作品は、独創的で、これまで見たことのない映画。長久允は天才だ。」と今までにない革新的な映画であり、作品の持つオリジナリティ性を高く評価された。また、ベルリン国際映画祭でのヨーロッパプレミア上映時には、観客から「面白くて、騒がしくて、カラフルで。ところどころメタファーが散りばめられているのに興味が惹かれた。」「様々な感情がバラエティ豊かに表現されていて最高。こんな映画に出会うことが、私が映画を楽しむ理由の一つ。」「死というテーマは誰しもの中にある。この映画はすべての人と関わりがある作品だと言える。」とサンダンスとはまた違った視点からの熱いコメントが多く寄せられた。
今回の受賞もあわせて、海外メディアでさらに多く取り上げられ、
世界各国の映画会社からもオファーの問い合わせが殺到中。
サンダンスで観客賞を受賞した『THE GUILTY ギルティ』や『新感染』などの日本でも話題となった良質の作品を多く手がけ、本作を高く評価するフランスの映画配給会社ARP Sélection、『万引き家族』『この世界の片隅に』など幅広いジャンルの日本作品を多数配給している香港最大手の映画配給会社のEdko Films Ltd. 、『あん』『そこのみにて光輝く』などの作家性の高い日本映画や『婚約者の友人』『私はあなたのニグロではない』など世界各国の良質な作品を配給している台湾のJoint Entertainment International Inc.、そして中国の映画配給会社といった4カ国での『ウィーアーリトルゾンビーズ』の配給が異例の速さで決定した。また、北欧・ヨーロッパ・南米・アジアといった世界中の映画祭からのオファーが続々決定しており、海外からの絶大なる支持と熱い視線を受け、今後の他映画祭での展開にも期待がかかる!
ベルリン国際映画祭は、これまでに441本の日本映画が上映されており、 黒澤明監督、今井正監督、今村昌平監督、 宮崎駿監督、 園子温監督など、数多くの監督や俳優が賞の受賞を経験。長久允監督もこの名だたる監督たちと同じく、本映画祭の歴史に名を刻 む結果となった。しかしそれよりも驚くべきことは、本作が長編初監督作品という点である。初監督作品であるにもかかわらず、世界から圧倒的オリジナリティが評価された才能は計り知れない。本作の日本公開は今年 6 月を 予定している。世界中の映画祭で大絶賛を受けた本作は、本国でどのような旋風を巻き起こしてくれるのか、目が離せない。
■池松壮亮さん
劇中バンド<LITTLE ZOMBIES>マネージャー望月役
「この度はおめでとうございます !
サンダンス、ベルリンといいニュースが聞けてこちらもとても嬉しくなっています。
この映画とこの映画に触れた同じ世界に生きる他者が繋がって、zombiesと共に未来を勝ち取っていく、
その始まりを後押ししてくれる素晴らしい受賞だと思います。
日本公開が更に楽しみですね。
そちらはくそ寒いでしょうから皆さん風邪ひかないように素晴らしいおみやげと共に無事に帰って来てください。おめでとうございました!」
■工藤夕貴さん
(ヒカリ(二宮慶多)の伯母・リエ役)
「サンダンス映画祭に続いての受賞おめでとうございます。
10代の才能が輝く今作が、同世代の共感を得て「スペシャル・メンション賞」を受賞されたことを非常に嬉しく思います。
長久監督による映画の新しい形が、映画を愛する多くの方々へ届くのを楽しみにしております。」
長久允監督
<プロフィール>
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店にてCMプランナーとして働く傍ら、映画、MVなどを監督。2017年、脚本・監督を務めた短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』が第33回「サンダンス映画祭」ショートフィルム部門にて日本人史上初めてグランプリを受賞した。今作が長編映画デビュー作となる。
映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』 作品概要
サンダンス映画祭グランプリ監督と、感情をなくした4人の13歳。
2019年、新時代の才能による、映画革命
★2019年サンダンス映画祭World Cinema Dramatic Competition部門正式招待作品
★第69回ベルリン国際映画祭 ジェネレーション部門正式招待・オープニング作品
第33回サンダンス映画祭(ショートフィルム部門)にて、埼玉県・狭山市で実際にあった事件を題材とした短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』が、日本映画初のグランプリを獲得した監督・長久允。審査委員から「これまで誰も見たことがない!何にも似ていない!」とその圧倒的なオリジナリティと表現力から“ネオジャパニーズ”と称された長久允監督の長編デビュー作となる。物語の主人公であり、劇中バンド<リトルゾンビーズ>を演じるのは、『そして父になる』にて福山雅治の息子役を演じた二宮慶多。テレビCMや『クソ野郎と美しき世界』での好演も記憶に新しい中島セナ。ドラマ『嘘の戦争』など多くの作品に出演するぽっちゃり俳優水野哲志。天才似顔絵師として話題の奥村門土。4人の新しい才能の発掘により、瑞々しくもかつてない少年少女像が誕生した。
また、佐々木蔵之介、永瀬正敏、菊地凛子、池松壮亮、村上淳など日本を代表する豪華名優たちも、監督の才能に共感して大集結!「音楽を通じて成長する子どもたち」といった普遍的な物語を、まるで冒険RPGゲームを想起させるかのようなギミック満載の映像表現や、天性のリズム感で放たれ続ける台詞回しなど、その独創的スタイルが観るものの想像力を掻き立てる!
〈ストーリー〉
「両親が死んだ。悲しいはずなのに泣けなかった。
彼らはゴミ捨て場でとびきりのバンドを組むと決めた。こころをとりもどすために」
火葬場で出会ったヒカリ(二宮慶多)、イシ(水野哲志)、タケムラ(奥村門土)、イクコ(中島セナ)は両親を亡くしても泣けなかった。ゾンビのように感情を失った少年少女たちはこころを取り戻すために、もう誰もいなくなってしまったそれぞれの家を巡リ始める。冒険の中でたどり着いたゴミ捨て場で、結成したとびきりのバンド、その名も“LITTLE ZOMBIES”。そこで撮影した映像が話題となり、社会現象となるまでに大ヒット。しかし、小さなゾンビたちは予想もしない運命に翻弄されていく。嵐のような日々の中で、4人が最後に見つけたのはー?
【第69回 ベルリン国際映画祭 情報】
・会期:2019年2月7日~2月17日※現地時間
・開催場所:ドイツ ベルリン
ベルリン国際映画祭は、ドイツの首都ベルリンで開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並び、世界三大映画祭のひとつに数えられ、開催67回を誇る歴史と権威を併せ持った映画祭である。三大映画祭の中で唯一世界的大都市で開催される事から注目度も高く、他の映画祭を圧倒する存在感を示し続けている。2016年度は、来場者50万人、チケット販売33万枚、映画関係者1万7千人、上映本数395作品を記録し、同映画祭の特徴として社会派の作品が集まる傾向があり、毎年世界各国から選りすぐられた作品はワールドプレミアやインターナショナルプレミアとしてベルリンから世界に向けて発信され、受賞作品の多くは世界的な興行で成功を収めている。近年は若手の新人監督発掘に力を入れており、同映画祭から輩出される監督は常に注目を集めている。
これまでに441本の日本映画が上映されており、 黒澤明監督、今井正監督、今村昌平監督、 宮崎駿監督、園子温監督など、数多くの監督や俳優が賞の受賞を経験している。2018年度は行定勲監督の『リバース・エッジ』、黒沢清監督の『予兆 散歩する侵略者 劇場版』、山中瑶子監督作『あみこ』などが正式出品された。
主な部門には、約25本のワールド&インターナショナルプレミア作品を上映し、ジャン=リュック・ゴダール、シドニー・ルメット、アニエス・ヴァルダ、フランソワ・トリュフォー、クリント・イーストウッド、マーティン・スコッセッシなどの名だたる監督たちが現地に赴き、新作を紹介している「コンペティション」部門や、有名監督、新人監督などバラエティ豊かな作品を上映し、斬新な演出が光るミニシアター系作品が多数を占め、監督のオリジナル作品が中心となって構成される「パノラマ」部門などがある。本作が招待された「ジェネレーション」部門は、本来18歳以上でなければ鑑賞出来ない本映画祭のなかで、本部門のみ14歳以上であれば鑑賞が出来る部門。世界的に映画芸術から発掘された作品や若者が出演する作品を対象としており、「Generation 14plus」と「Generation Kplus」の2つのコンペで構成されている。
【ベルリン国際映画祭 「ジェネレーション部門」 過去に上映された日本人監督作品】
2008 「カンフーくん」(小田一生)
2009 「そらそい」(石井克人・三木俊一郎・オースミユーカ)
2010 「サマーウォーズ」(細田守)、「宇宙ショーへようこそ」(舛成孝二)、「ユキとニナ」(諏訪敦彦・イポリット・ジラルド)
2011 「くちゃお」(短編/奥田昌輝)
2012 「663114」(スペシャルメンション受賞(ジェネレーション14plus短編部門)/平林勇)、「聴こえてる、ふりをしただけ」(スペシャルメンション受賞(ジェネレーションKplus部門)/今泉かおり)
2013 「チチを撮りに」(中野量太)、「Ninja & Soldier」(短編/平林勇)
2014 「人の望みの喜びよ」 (スペシャルメンション受賞(ジェネレーションKplus部門)/杉田真一)、「リゾーム(短編)」(大須賀政裕)、「SORITON」(短編/平林勇)
2015 「ワンダフルワールドエンド」(松居大悟)
2018 「Blue Wind Blows」(富名哲也)
【第35回 サンダンス映画祭 情報】
・会期:2019年1月24日~2月3日 ※現地時間
・開催場所:アメリカ ユタ州 パークシティ
毎年、冬のユタ州で開催される国際映画祭。 1978年に映画製作者たちをユタ州に惹きつけるのを狙いとして、「ユタ・US映画祭」として始まる。 1985年、俳優・映画監督のロバート・レッドフォードが主宰する非営利団体 サンダンスインスティテュートが舵を取り、今の「サンダンス映画祭」として再スタートを切る。
サンダンス映画祭はケヴィン・スミス、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュなどの映画監督を、世界的に注目を集めるきっかけとなった。また『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『セックスと嘘とビデオテープ』『ソウ』などのインディペンデント映画を、世界的大ヒット作として世に送りだすきっかけとなる映画祭としても有名。これらは「サンダンスドリーム」と呼ばれ、この映画祭での上映がきっかけで巨額の配給契約を締結し、ワールドヒットを収めた作品やブロックバスター映画に抜擢された監督などが後を絶たない。サンダンス映画祭での成功が北米だけでなく、世界的活躍が約束される映画祭。
【映画公式サイト】 https://littlezombies.jp <Twitter> @littlezombies_m <instagram>@little.zombies.movie
脚本・監督:長久 允 (サンダンス映画祭短編部門グランプリ 『そうして私たちはプールに金魚を、』)
出演:二宮慶多 水野哲志 奥村門土 中島セナ
佐々木蔵之介 工藤夕貴 池松壮亮 初音映莉子
村上淳 西田尚美 佐野史郎 菊地凛子 永瀬正敏
<出演順>康本雅子 夏木ゆたか 利重剛 五月女ケイ子 山中崇 佐藤緋美 水澤紳吾 黒田大輔 忍成修吾 長塚圭史 池谷のぶえ 戌井昭人 赤堀雅秋 清塚信也 山田真歩 湯川ひな 松浦祐也 渋川清彦 かっぴー いとうせいこう CHAI 菊地成孔 森田哲矢(さらば青春の光) 吉木りさ(声) 柳憂怜 三浦誠己
製作:吉崎圭一/新井重人/水野道訓/井上肇/加太孝明 プロデューサー:山西太平/ 高橋信一/ 横山治己/ 長谷川晴彦 ラインプロデューサー:鈴木康生/小柳智則
アソシエイトプロデューサー:國枝礼子/橘佑香里/熊澤瑠里 撮影:武田浩明 照明:前島祐樹 サウンドデザイン:沖田純之介 美術:栗林由紀子 装飾:渡辺誉慶 衣裳:下山さつき
ヘアメイク:光野ひとみ 助監督:平井淳史 キャスティング:田端利江 スクリプター:大西暁子 演出補:長田亮 制作担当:宮森隆介 編集:稲本真帆 カラリスト:根本恒
VFXスーパーバイザー:二瀬具洋 音楽プロデューサー:山田勝也 リトルゾンビーズ音楽:LOVE SPREAD リトルゾンビーズ衣裳:writtenafterwards リトルゾンビーズメイク:加茂克也
アートワーク:magma 8bitデザイン/オープニング:たかくらかずき アートディレクション/ロゴデザイン:間野麗
製作幹事:電通 配給:日活 制作プロダクション:ROBOT 特別協賛:フェイスマスクルルルン/ グライド・エンタープライズ
©2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS(電通/日活/ソニー・ミュージックエンタテインメント/パルコ/ ROBOT)