東野圭吾氏、桐野夏生氏、今野敏氏らの絶賛を受け、『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞した、茨城県取手市在住の作家・竹吉優輔の小説「レミングスの夏」の映画化が決定いたしました。

是枝裕和監督の『奇跡』で兄・航基とW主演を果たした前田旺志郎が、本作で単独主演デビュー。語り手となる旭役に菅原麗央(連続ドラマW「かなたの子」)。レミングスのメンバー・松田基夫役で遠藤史人(『藍色少年少女』主演)、茅野陽子役で、藍坊主の「魔法以上が宿っていく」のMVでフレッシュな存在感を放っていた瑚々、神林美都役で、斎藤工主演のテレビ東京系8/23(水)放送のドラマスペシャル「最上の命医2017」に14歳で妊娠してしまう大塚寧々の娘役で出演した桃果、誘拐される白石宏美役で、パンテーンの“綾瀬はるか、現役中学生と’バージンヘア対決’編”で注目を浴びた美少女・平塚麗奈が出演。

その他、モロ師岡、中村ゆり、田中要次、渡辺裕之らが集結。さらに、出演と音楽提供でスネオヘアーが参加しました。スネオヘアー提供の音楽を使用した予告編がこの度完成しました。

茨城県取手市・牛久市を中心として、つくば市、つくばみらい市において地元の支援を受けて制作された、
“少年少女の固い決意の理由に迫っていく青春ミステリー映画”『レミングスの夏』(監督・脚本:五藤利弘)。

<南木秀平役  前田旺志郎 コメント>

はじめは何も考えずに読んだのですが、どんどん引き込まれていって、アサミさんの目線、ナギたちの目線の両方で家で泣いてしまいました。

僕が今回演じさせていただいたナギという役は普段の自分とは違う部分が多く、新たな挑戦という意味で是非ともやってみたい!と思いました。ナギはレミングスの中心人物でありリーダー的な存在です。普段はみんなをまとめていますが、責任感と執着心の強さから目的を果たす事にとらわれて周りが見えなくなってしまうところがあります。
普段僕はずっと笑ってニコニコしているのですが、それを封印して演じた、“常に何か闇を抱えてるナギ”の暗い表情を見て欲しいです。

今回は復讐という内容ですが、そういった暗い感情であっても仲間と一つの目標に向かって進む姿勢というのは同じだと思います。なので、何かを諦めずに頑張ろうとする人の励みに少しでもなれれば嬉しいです。

<原作 竹吉優輔 コメント>
年齢を重ね、不条理なことを「仕方ない」と思うことが増えたと感じ、本気で不条理に立ち向かう人間を書いてみようと思ったことが始まりで、本作を執筆しました。

キャラクター達は読者の方々のものであり、それを固定化してしまうことには少なからず抵抗がありました(もちろんキャストの皆さんのお陰で、良い意味で裏切られましたが)。ただ、五藤監督の「静」の描写が好きなので、作者のエゴとして映像を観てみたいと映画化のオファーに快諾しました。

映画化にあたり、レミングスの旅路を、爽やかなものにしてほしいとお願いしました。社会問題の要素もあるので、暗く描こうと思えばどこまでも暗くできてしまう。それでもやはり、これは少年達の物語なのだということを伝えました。

前田旺志郎さんには頼もしくも繊細なナギを演じていただいて、本当に感謝です。

この映画のクランクアップの際、レミングスの皆さんはソーダで乾杯をしていました。その姿はとても綺麗で眩しくて、尊いものでした。若い俳優さんの「全力」、他の役者さん達の妙技、スタッフさん達の努力、そして五藤監督の演出。そのどれかに一つでも唸っていただければ、なぜか私が嬉しいです。あと、もちろん原作も面白いですよ!

手前左から前田旺志郎、菅原麗央、桃果、後ろ左から遠藤史人、瑚々

<監督・脚本 五藤利弘 コメント>

初めて原作を読んだ際、少年たちの繊細な心と、理不尽なものへ挑む勇気と、仲間を思いやる友情など、当たり前のようでなかなか気づくことのできないものが盛り込まれていて、忘れていたものを思い起こされたような感動を覚えました。江戸川乱歩賞作家らしいミステリー要素と、映画がお好きな竹吉さんらしい躍動感溢れる描写が新鮮で、読みながら映像が浮かびました。今を生きる自分たちが忘れかけている友情や、少年たちの瑞々しい姿を映画で描きたいと思っていたこともあり、ぜひこれを映像にしたいと思いました。原作から感じた少年たちの大胆で勇気を振り絞った行動の反面にある繊細さ、仲間との友情、そして理不尽なことを許せない、見過ごせない、真っ直ぐな心を描きたかったです。

モデルとした映画は特にはありませんが、ナギとアキラの友情と、友情が強いからこその裏切りと反目を浮かび上がらせたいと一番に思い、特に、ナギとアキラの関係性、描き方などは、『スタンド・バイ・ミー』や『少年時代』を参考にしました。

本作は、少年たちが自分たちの心に向き合いながら葛藤しながら大きな行動を起こす映画です。皆さんもぜひ「レミングス」の一員になって少年少女たちの揺れ動く心を一緒になって感じて頂けましたら幸いです。

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