2012年2月にRKB毎日放送のディレクターとして数々のドキュメンタリー番組を手掛けてきた木村栄文(きむら・ひでふみ)の特集上映をオーディトリウム渋谷にて開催しました。多くの方にご来場いただき好評をいただきました。そしてこの度、「公開講座 木村栄文 レトロスペクティブ リターンズ」と題して6/24(日)より同館にて再び開催することが決まりましたので、ご案内申し上げます。また、大阪:シアターセブン [6/30(土)〜7/13(金)]、愛知:名古屋シネマテーク[7/7(土)〜7/13(金)]での開催が決まりました。

空前絶後の喜怒哀楽 ミスター・ドキュメンタリー 木村栄文との遭遇
ようこそ、めくるめく“エーブン”の世界へ

木村栄文(きむら・ひでふみ)。通称“エーブン”。2011年3月に逝去。RKB毎日放送のディレクターとして、1970年代から90年代にかけて、数々のドキュメンタリーをお茶の間に届けてきた。その多彩な作風は自由奔放、ときに荒唐無稽。画面から溢れだすのは、人間の美しさ、哀しさ、そして可笑しさ。水俣病を題材にした作家・石牟礼道子の同名小説を映像化した「苦海浄土」、先天的な障がいを持つ愛娘に木村自身がカメラを向けた「あいラブ優ちゃん」、不屈の新聞記者・菊竹淳を三國連太郎が演じた「記者ありき 六鼓・菊竹淳」、作家・壇一雄の晩年の足どりを高倉健が追う「むかし男ありけり」など。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に集まった人々を激しく興奮させた比類なき作品群を一挙公開。

上映作品│全12作品、9プログラム
「飛べやオガチ」1970年│57分 「いまは冬」1972年│35分  「鉛の霧」1974年│41分
「まっくら」1973年│48分 「苦海浄土」1970年│49分 「あいラブ優ちゃん」1976年│48分
「記者ありき 六鼓・菊竹淳」1977年│86分 「鳳仙花 〜近く遙かな歌声〜」1980年│72分
「むかし男ありけり」1984年│85分 「絵描きと戦争」1981年│92分
「桜吹雪のホームラン 〜証言・天才打者大下弘〜」1989年│81分
「記者それぞれの夏 〜紙面に映す日米戦争〜」1990年│81分

●木村栄文(きむら・ひでふみ)……1935年1月22日福岡県福岡市生まれ。59年西南学院大学卒業後、RKB毎日放送入社。70年、「苦海浄土」が高く評価され文化庁芸術祭大賞を受賞。その後、「まっくら」「鉛の霧」「あいラブ優ちゃん」など約40年に渡り数多くのドキュメンタリーを制作し、ギャラクシー賞大賞などテレビ界の数々の賞を受賞。賞獲り男の異名を持ち、他局を含めドキュメンタリー制作者たちに広く影響を与えた。94年には民放の制作者として初めてNHK衛星第2で「木村栄文の世界」と題した特集が組まれる。個人賞として放送文化基金賞(88)、日本記者クラブ賞(95)、紫綬褒章(2002)を受賞。11年3月22日逝去(享年76)。

主催 RKB毎日放送/映画美学校/東風

2012年6月24日[日]—7月6日[金] オーディトリウム渋谷にて再会!!公式HP:http://www.kimura-eibun.com

執筆者

Yasuhiro Togawa