10日に今年で13回を数える第13回釜山国際映画祭が上映作品を発表した。
会場は、海雲台(ヘウンデ)と南浦洞(ナンポドン)地域で37スクリーンを使用する計画、作品も60カ国、315本。
オープニング作品は、カザフスタンのルステム・アブドラシェフ監督の『The Gift to Station』、クロージング作は韓国のユン・ジョンチャン監督の『私は幸せです』。

日本からは、アジアの風部門では、『ぐるりのこと。』(監督:橋口亮輔/ビターズ・エンド)、『コドモのコドモ』(監督:萩生田宏治/ビターズ・エンド)、『おくりびと』(監督:滝田洋二郎/松竹)、『グーグーだって猫である』(監督:犬童一心/アスミック・エース)、『山のあなた 徳市の恋』(監督:石井克人/東宝)、『蛇にピアス』(監督:蜷川幸雄/ギャガ・コミュニケーションズ)、『歩いても 歩いても』(監督:是枝裕和/シネカノン)など、初夏の話題作が選ばれている。

また、NEW CURRENTS部門では、初の長編作『隼』が第25回バンクーバー国際映画祭や国内外の映画祭で高い評価を得た、市井昌秀監督の『無防備』がエントリーされた。本作は、今年のぴあフィルムフェスティバルで、グランプリならびに技術賞などを受賞した話題作。

ワイドアングル・セクション・コンペ部門では、ニューヨーク在住のドキュメンタリーフィルムメイカーであるMakoto Sasa さんの「雪の下の炎」(英題:Fire Under the Snow)が選ばれている。今、問題になっているチベットをテーマに、33年間、強制労働所で拘束された老僧のドキュメンタリーや、MUSIC-PVなどで活躍している田川貴一監督の短編「Gentle Breeze Blowing 」。田川貴一監督の最新作は、音楽ドキュメンタリー『JUN SKY WALKER(S) “MY GENERATION”』が現在公開中。
友人が選挙に出馬すると聞いて長編ドキュメンタリー第1作目の『選挙』は、2007年のベルリン映画祭フォーラム部門への招待が決定し日本でも公開が話題になったニューヨーク在住の想田和弘監督の長編第2作『精神』(英題:MENTAL、2008年、135分、カラー) や、現在公開中の『パンダフルライフ』(監督:毛利匡/松竹)など。

オープンシネマ部門では、『ハッピーフライト』(監督:矢口史靖/東宝)、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(監督:押井守/ワーナー・ブラザース映画)、『東京少女』(監督:小中和哉/エム・エフボックス)など。

今年は特別企画としてスーパーヒーロー・イン・アジアと題して特集上映を行う、マレーシア、インド、フィリッピンのヒーロー映画を上映する、日本からは、1958年に公開された『月光仮面』(監督:小林恒夫/東映)、2005年に劇場新作としてリニューアルされた『仮面ライダーTHE FIRST』(監督:長石多可男/東映ビデオ)や懐かしい中国ヒーロー映画『中国超人インフラマン』(1975年)などを上映。

第3回を数えるアニメーション企画上映、アニ・アジアでは小林誠監督と作詞家の秋元康のコラボレーション企画アニメ『ICE』や「L’Arc〜en〜Cial」楽曲のカバーをベースにオリジナルアニメーションを制作して話題になったKyung Jo Min監督の作品『Audition』が完成し、ワールドプレミアとして上映される。

ほか、阪本順治、井筒和幸、大森一樹、李相日、崔洋一などが参加した朝日放送制作の「ABC Short Films」やミッドナイト企画では阪本順治監督の『カメレオン』、塚本晋也監督の『悪夢探偵2』、鶴田法男監督の『おろち』などが決定している。

映画祭は、10月2日から10日まで、韓国・釜山・南浦洞、海雲台エリアなどで開催される。

公式サイトは、以下。
http://piff.org/

執筆者

Yasuhiro Togawa