日本・ベルギー友好150周年記念作品

◆ベルギーを舞台に、欧州決勝大会進出を目指す吹奏楽団の姿を描いた音楽エンタテインメント。ベルギーは村に一つは吹奏楽団が存在すると言われる程の音楽大国。しかし、そこには地位格差があり、裕福な楽団はたくさんの種類の楽器を揃えられるが、比較的貧しい地域では持てる楽器が限られてしまう。だが、そのように演奏形態はそれぞれ異なっていても、ベルギー国民は各々で音楽活動を楽しんでいる。

◆ベルギーは、大国の狭間に位置している為、欧州の列強に相次いで支配され、翻弄されてきた。その結果、北部フランドル地方はオランダ語、南部ワロン地方はフランス語という主に2つの言語が国を南北に分断する形で存在することになってしまう。北部と南部の言語対立は国家分裂の危機を再三招いてきた。本作、『人生は狂詩曲(ラプソディ)』はそんな北部と南部の吹奏楽団の対決をコミカルかつユーモアたっぷりに描いている。

◆今回解禁された本編一部映像は、ベルギー南部ワロン地方の楽団<アンナバン>の迫力の演奏シーンである。同じ吹奏楽大会に出場していたブルーの制服で北部フランドル地方の楽団<サン・セシリア>は建設会社をスポンサーに持つリッチな楽団である。そんな<サン・セシリア>のメンバーは工場作業員で編成された楽団<アンナバン>の演奏を「どうせ大したことない」、「良いのは制服だけ」と一蹴。余裕の笑みを浮かべて小バカにしていたが、いざ<アンナバン>の演奏が始まると、その予想外の実力に呆然とする。とくにトランペット奏者であるユーグの美しい高音を高らかに吹き鳴らし、ソリストとしての圧倒的な存在感を見せつける演奏に驚きを隠せない。トランペット奏者の実力が演奏の完成度を大きく左右する吹奏楽で、会場内の雰囲気を完全に<アンナバン>に持っていかれてしまう。果たして<サン・セシリア>は逆転できるのだろうか?

本編シーン解禁
https://www.youtube.com/watch?v=J3MI7ezLUS0

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執筆者

Yasuhiro Togawa