名画座 ラピュタ阿佐ヶ谷:溌剌〈HA・TU・RA・TU〉たる昭和の女たち− 脚本家 井手俊郎のめくばせ −


名作『青い山脈』をはじめ、数多くの良質な脚本を世に送り出した万能脚本家・井手俊郎。
膨大な作品群のなかから厳選38作品を9週間にわたり一挙上映!
原節子、吉永小百合、美空ひばり、岡田茉莉子、司葉子、酒井和歌子といった昭和を代表するスター女優たちの華やかで繊細な演技の数々を、ぜひスクリーンで!
解説:
49年、石坂洋次郎の小説を脚色した『青い山脈』(原節子、池部良主演)で脚本家デビュー。戦後の新しい風俗や時代思潮を吸収し、活力あふれる良質な脚本を世に出しました。
都会から農村、笑いから涙まで、社会問題を鮮烈に批判しながらユーモアと人情をたやさず、大衆に寄り添う「生」のホンを、「権藤利英」「三木克巳」などいくつか名義を用いて、幅広いジャンルで書き続けました。
喜びも悲しみもたくましく生き切る、女優たちの弾む演技は見ものです。『兄貴の恋人』『二人の恋人』や、このたびニュープリントの千葉泰樹監督『銀座の恋人たち』などで、若者の青春をエネルギッシュに謳い上げ、岡田茉莉子や主演・中村登監督の『斑女』『河口』では微妙に揺れ動く女心を浮き彫りにします。
また、『伊豆の踊子』『風と樹と空と』など、麗しき吉永小百合の60年代主演作も7本上映いたします。
また『若い娘たち』『丘は花ざかり』など、石坂洋次郎原作の映画も必見です。『河のほとりで』では味わい深い中年男女の恋愛に若さを見出して原作者からも称賛を得、その実力を遺憾なく発揮しました。また、成瀬巳喜男監督『夫婦』『妻』『女の中にいる他人』や、久松静児監督「警察日記』『月夜の傘』など、巨匠とタッグを組んだ傑作も見逃せません。
特集名:
溌剌〈HA・TU・RA・TU〉たる昭和の女たち ー脚本家 井手俊郎のめくばせー
会期:
2016年6月12日(日)〜8月13日(土)
会場:
ラピュタ阿佐ヶ谷
執筆者
Yasuhiro Togawa