。12月シネスイッチ銀座にて公開するアルゼンチンのパブロ・ソラルス監督『家へ帰ろう』(彩プロ配給)の日本版のポスタービジュアルと場面写真を解禁いたします。なお、十代目 柳家小三治ら各界のオピニオンらによる応援コメントも到着いたしました。シネスイッチ銀座にて12月22日(土)公開と初日が決定いたしました

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに住む 88 歳の仕立屋アブラハムは、ブエノスアイレスからマドリッド、パリを経由して故郷ポーランドに住む 70 年以上会っていない親友に、最後に仕立てたスーツを届ける旅に出る。親友はホロコーストから逃れてきたアブラハムを助け、匿ってくれた命の恩人だった。旅の途中で出会う女性たちが、様々な困難に陥ったアブラハムの力になりたいと助けてくれる。果たしてアブラハムは親友と再会できるのか?人生最後の旅に奇跡は訪れるのか…?

監督・脚本を手掛けたパブロ・ソラルス自身がユダヤ人で、ホロコースト体験者だった祖父の家では「ポーランド」という言葉を発することすらタブーであったことから本作の着想を得、自身のアイデンティティーを確立させるために避けて通れないテーマを感動のロードムービーとして結実させた。
主人公のアブラハムを『タンゴ』(カルロス・サウラ監督)で知られるミゲル・アンヘラ・ソラが演じ、『シチリア!シチリア!』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)のアンヘラ・モリーナら女優陣が旅先で出逢う女性たちを演じる。
ミゲル・アンヘラ・ソラの実年齢は 68 歳だが、監督の熱烈なオファーに応え、2 時間かかるという老けメイクで 88 歳の老紳士に“変身”。見事にアブラハムを演じきった。
また、ミゲル演じるアブラハムが宿泊するマドリッドの女主人を演じたアンヘラ・モリーナは『欲望という名の電車』でのルイス・ブニュエル監督との撮影エピソードをパブロ・ソラルス監督に明かし、「彼は撮影前の打ち合わせで狙いとカメラアングルを綿密に説明し、ほぼワンカットで撮影を進めていった」と聞いた監督もその方法を取り入れていたそうだ。世界の映画祭で 8 冠の観客賞に輝き、戦争が人に残す傷跡という重いテーマを内包しつつも、ユーモアと軽やかなテンポで繰り広げられる老紳士のロードムービー。
見知らぬ人との出会いによって再生していく主人公が迎えるラストは、7 月に開催された SKIP シティ D シネマ国際映画祭で見た観客にも深い感動を呼び、「ラストは涙が止まりませんでした」「笑いあり、涙ありの素晴らしい作品」「いつまでも心に残る作品」「2018 年 NO.1!」などの声があがっている。
今回解禁となるポスターは日本版オリジナルのビジュアル。ミシンやトルソー、仕立てあがったスーツが所せましと置かれたブエノスアイレスのテーラーの一室。狭いその空間から 70 年越しの約束の地ポーランドへ向け、踏み出していく老紳士。帰郷でもあり冒険でもある旅。長く音信不通の親友との再会を信じる気持ち、予期せぬ出会いへの期待…ほんの少しの不安を振り払い、一歩を踏み出す勇気を主人公アブラハムの表情で感じさせるポスターとなっている。
解禁となった場面写真では、アブラハムを演じるミゲルとともにマドリッドでアブラハムが泊る宿の女主人を演じるアンヘラのくったくのない笑顔が印象的なメインカット。演じる役柄も、そして自身も、互いに人生経験豊富な熟練の俳優同士の人生の深みを感じさせる表情だ。
また、88 歳ながら子供のように悪戦苦闘しながら進むアブラハムの道中を切り取った場面写真が解禁となる。


さらにその深い感動は広がりを見せ、各界のオピニオンたちからも応援コメントが続々到着している。

【十代目 柳家小三治】
誰にでも観てもらいたいけど誰にも教えたくない気持ちもある。
たまたま観た人と良い映画だったねと言えたら嬉しい。
【余 貴美子 (女優)】
個性的で味のある演技に、辛くて悲しくて泣きたくなる物語なのになんとも気持ちが温かくなる。人間が信じられなくなっている人におススメです。
【宇田川 彩 (日本学術振興会・文化人類学/ユダヤ学)】
出発した場所が家だったのか、向かう先が家なのか?道中、幾度となく過去の記憶に侵される彼の苦悶は想像を超える。それでも、耳を傾けようとする旅の道連れのおかげで私たちは彼の物語を聴くことができる。
【高橋諭治 (映画ライター)】
トラウマと人間不信にとらわれた老人の 70 年間の空白を埋める旅。その曲がりくねった道程に苦みの利いたユーモアと悪夢的なサスペンスをちりばめた作り手のセンスが、このロードムービーの味わいをいっそう深めている。
【川端美都子 (香川大学経済学部准教授)】
人はどこに帰りたいと思うのか。主人公の旅が象徴するのは、流浪というユダヤ的テーマだけではない。リア王的家族関係、戦後社会、高齢者問題という日常も内包されている。行き着く先に待つ希望に、心が震える作品。

監督・脚本:パブロ・ソラルス
音楽:フェデリコ・フシド (『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』『瞳の奥の秘密』)
撮影:フアン・カルロス・ゴメス
出演:ミゲル・アンヘル・ソラ (『タンゴ』『スール その先は…愛』)、アンヘラ・モリーナ(『ライブ・フレッシュ』『シチリア!シチリア!』『題名のない子守唄』)、オルガ・ボラズ、ユリア・ベアホルト、マルティン・ピロヤンスキー、ナタリア・ベルベケ
2017 年/スペイン・アルゼンチン/スペイン語/カラー/スコープサイズ/5.1ch/93 分/原題:EL ULTIMO TRAJE/
英題:The Last Suit 配給:彩プロ 公式サイト:http://uchi-kaero.ayapro.ne.jp/
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