この度、11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開となる塚本晋也最新作『斬、』の本予告編が解禁となった。世界の映画祭表記とともに「ヴェネチアを戦慄させた衝撃の問題作」という言葉から始まる予告編は、第75回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にアジアで唯一選出され、その後トロント国際映画祭、釜山国際映画祭など名だたる映画祭を席巻してきた『斬、』の熱狂を伝えるものとなっている。ラストにはギレルモ・デル・トロ監督をはじめとする世界中からの圧巻の絶賛コメントが羅列され、美しくも力強い予告編が完成した。
舞台はのどかな農村にも変革を予感させるような不穏な空気が流れはじめた江戸時代末期。池松壮亮が演じる浪人の杢之進は、武士の澤村に腕を見込まれ京都の動乱に参加するように誘われる。密かに杢之進を慕っている蒼井優が演じる農家の娘ゆうが、不安な気持ちを「死ぬんですか」という言葉で投げつけ、杢之進が「死にません」とまっすぐに答える台詞が印象的だ。無頼者たちが村に流れ着き状況が一変する中で、人を斬ることに疑問をもつ杢之進の心の葛藤が映し出され、ゆうの「もうやめてください」という叫び声が悲しく響きわたる。「なぜ人は人を斬るのか」というシンプルなコピーが観るものに余韻を残す。

【作品概要】 
太平の世が揺らぎはじめた幕末。人を斬ることに苦悩する一人の侍。生と暴力の本質を問う。
250年にわたり平和が続いてきた国内が、開国するか否かで大きく揺れ動いていた江戸時代末期。貧窮して藩を離れ、農村で手伝いをしている浪人の杢之進(池松壮亮)は、隣人のゆう(蒼井優)やその弟・市助(前田隆成)たちと、迫り来る時代の変革を感じつつも穏やかに暮らしていた。ある日、剣の達人である澤村(塚本晋也)が現れ、杢之進の腕を見込んで京都の動乱に参戦しようと誘いをかける。旅立つ日が近づくなか、無頼者(中村達也)たちが村に流れてくる・・・・。時代の波に翻弄されながらも、人を斬ることに疑問をもつ侍と彼に関わる人々を通して、生と暴力の問題に迫る。観る者の心に刃(ヤイバ)を突きつける衝撃作。

世界中に熱狂的なファンを持つ塚本晋也が挑む初の時代劇
『鉄男』、『六月の蛇』など、海外からも高い評価を受ける塚本晋也が、戦争の恐怖をあぶり出した『野火』を経て、さらに時代を遡り初の時代劇に挑んだ。監督、出演、脚本、撮影、編集、製作を務めた完全オリジナルで、その唯一無二の世界観を爆発させた。

日本映画界を牽引する実力派の共演 池松壮亮×蒼井優
武士としての本分を果たしたいと思いながらも、刀を抜くことに悩み苦しむ侍を渾身の力で演じたのは池松壮亮。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』や、『万引き家族』など話題作への出演が続いている。農家の娘を演じるのは『彼女がその名を知らない鳥たち』や山田洋次監督作品で活躍し、日本アカデミー賞に4度輝いた蒼井優。不穏な時代に精一杯生きる娘を凛とした美しさで体現。共に本作で初めて敬愛する塚本作品への参加を果たした池松と蒼井の演技合戦は圧巻だ。

監督、脚本、撮影、編集、製作:塚本晋也 出演:池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也
2018年/日本/80分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー 製作:海獣シアター/配給:新日本映画社 
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