1944年に執筆され、世界的ベストセラーとなった「愛人 ラマン」を発表した翌年の1985年に出版されたマルグリット・デュラスの自伝的小説「苦悩」を映画化した「メモワール・オブ・ペイン(英題)」が、日本公開タイトル『あなたはまだ帰ってこない』として2019年2月22日(金)よりBunkamuraル・シネマ他 全国順次公開されることが決定いたしました。
 本作は、第2次世界大戦下のフランスを舞台に、レジスタンス運動家であった夫ロベール・アンテルムの帰還を待ち続けるマルグリット・デュラスの苦悩の日々を描く作品。パリのアパルトマンの一室で、自らの愛の行き場を失い、葛藤の中で夫を待ち続ける主人公デュラスを演じるのは、ハリウッドや世界中の映画監督から愛され、活躍するメラニー・ティエリー。ゲシュタポの手先でデュラスに近寄るラビエにはフランス映画界を代表する名優ブノワ・マジメル、そしてレジスタンス運動のメンバーでデュラスを支えるディオニスをフランスの敏腕音楽プロデューサーでソロミュージシャンや俳優としても才能を発揮するバンジャマン・ビオレが演じ、多彩なキャスティングが、物語に深みを与えています。
 監督は、ジャン=リュック・ゴダール、クシシュトフ・キェシロフスキらの助監督を経て95年に監督デビューを果たしたエマニュエル・フィンケル。映画化にあたり、「デュラスの「苦悩」を初めて読んだのは20歳の頃。30年ぶりに再読し、まるで初めて読んだかのように激しく揺さぶられた」、「これは愛の物語です」とフィンケル監督は語ります。
 また、本作は、ギャスパー・ノエ監督「Climax」やクロード・ランズマン監督の遺作「The Four Sisters」等を抑え、米国アカデミー賞外国語映画部門のフランス代表作品としてエントリーされました。

監督・脚本: エマニュエル・フィンケル
出演: メラニー・ティエリー『ザ・ダンサー』『海の上のピアニスト』、ブノワ・マジメル『ピアニスト』、バンジャマン・ビオレ『パーソナル・ショッパー』
グレゴワール・ルプランス=ランゲ『キリマンジャロの雪』、エマニュエル・ブルデュー
原作:マルグリット・デュラス「苦悩」 原題:La Douleur  2017年/フランス・ベルギー・スイス/フランス語/126分/ビスタ  配給:ハーク