大森立嗣監督の最新作『タロウのバカ』演技未経験の15歳が主役に抜擢
オフ・ホワイト、ヘルムート・ラング、X-GIRLなど
ファッション界の最先端を走る、モデルYOSHI。
演技未経験の15歳が映画初主演!
大森立嗣が初監督作『ゲルマニウムの夜』を発表して13年。以降も様々なジャンルの作品を世に送り出し、国内外で高く評価されてきた大森監督が長年温めてきた企画。監督自身が脚本も手掛けた最新作のタイトル『タロウのバカ』が発表された。
本作は一度も学校に行ったことがない少年タロウの物語。内容はかなり過激でセンセーショナルな問題作。国家。社会。家族。何にも頼るものがないタロウは、ただただ「自由」に生きている。常識の枠にとらわれない少年という難しい役どころの主役タロウを選ぶために、監督は、プロダクション所属の有無は問わず、たくさんの俳優、若者たちを対象にオーディションを実施した。しかし、監督のイメージ通りの人物はなかなか見つからなかった。そんな中、監督が以前から、その存在を少し気にかけていたモデルのYOSHIに、まったく面識の無い中、アプローチを敢行。そして、監督は出会ってすぐに、彼が「タロウ」だと確信した。それほどに、YOSHIの雰囲気と存在感は異彩を放っていた。
YOSHIはインスタグラマーでモデルとしても活躍している15歳。中学生の時に、カニエ・ウェストのクリエイティブディレクターで、建築家、グラフィックデザイナーなど複数の肩書を持ち、今年ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任したヴァージル・アブローと出会い、彼が手掛けるストリート・ファッションブランド「OFF-WHITE(オフ・ホワイト)」のモデルを始め、その後も、「HELMUT LANG(ヘルムート・ラング)」、「X-GIRL(エックス・ガール)」、「NIKE(ナイキ)」など世界的ファッションブランドのモデルとして活躍している異端の存在。
※今年8月に雑誌「Forbes JAPAN」が開催した、アートからビジネス、スポーツにサイエンスまで、次代を担う30歳未満のイノベーター30人を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」にて、YOSHIは「The Arts」部門で、その1人に選出されています。
YOSHIはこの大抜擢となるオファーを快諾し、本作『タロウのバカ』の製作が本格的に動き出した。演技経験がまったく無い為、撮影に入るまでに監督からの演技指導および入念なリハーサルが行われた。本作は9月中旬にクランクインして、現在撮影中。YOSHIは初めての映画撮影においても、まったく臆することなく、緊張感ある現場をむしろ楽しんでいる。この余裕すら感じさせる堂々たる演技を見せるYOSHIにスタッフ一同、本作が傑作になることを確信している。『タロウのバカ』は2019年公開予定。
■主演YOSHI コメント
この話を頂いたとき、台本の内容も強烈だったので、家族には最初は反対されたんですが、僕の気持ちとしては今回、興味本位でやってみる、って感じですね。演技自体が初めてですが、不安よりも楽しみの方が大きいです。でも、一発目が主役となるとプレッシャーはすごいです。演じることがどういうことかは、まだわからないところが多いんですけど、自分のできる限りの表現をしていきたいと思っています。大森監督の第一印象は“変態”ですね(笑)。僕は「男は変態であるべき」って勝手に思ってるんですよ。そっちの方がかっこいいんじゃないかって、男として。映画の完成が今から楽しみですが、とにかく、頑張ります!自分の座右の銘は「今、この瞬間を生きろ」です。
■大森立嗣監督 コメント
今回主役に選んだのは演技経験の全くないYOSHIという15歳の少年です。300人以上の中から選ばれた少年です。でも500人に会っても千人に会っても、出会えなかったかもしれません。これまで映画をやってきてこんな子供を見たことがありません。私にとって彼は純粋な驚きでした。決して物分かりのいい、躾のできた、行儀のいい子供ではないです。だからこそ彼は今この世界で闘っています。僕はここにいると叫んでいます。僕は振り向かない。振り向くのはあなたたちだと言っているようです。彼の純粋な眼差し、未完成な体で駆け回る姿、叫び、笑い、涙する姿がこの映画に命を注ぎ込みます。彼の純度がスクリーンを通してやがて観客に、感動を呼び込むと確信しています。