第90回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、ジアド・ドゥエイリ監督作『判決、ふたつの希望』が8/31(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開となります。本作は、クエンティン・タランティーノ監督のアシスタント・カメラマンという経歴を持つジアド・ドゥエイリ監督最新作。ふたりの男性の間に起きた些細な口論が、ある侮辱的な言動をきっかけに裁判沙汰となり、国家を揺るがす騒乱にまで発展する・・。監督自身の実体験をもとに作り上げた物語は、宗派や信条の違いを超えレバノン国内で爆発的な大ヒットを記録!さらに、第90回アカデミー賞ではレバノン史上初となる外国語映画賞ノミネートの快挙を成し遂げ、第74回ベネチア国際映画祭では、主演俳優のひとりが最優秀男優賞を受賞を果たした話題の最新作です。

この度、本作に登場する魅力的な女性キャラクター3人の本編映像が解禁となりました!
ささいな口論を、国家を巻き込むまでの大騒動にまで発展させてしまう二人の男。彼らを支え、この諍いをなんとか収めようと奮闘する妻たちトニーの妻・シリーンとヤーセルの妻・マナール。そして信念を持ちヤーセルの弁護を務める女性弁護士のナディーン。今回、本作でとても重要な役割を担う彼女たちに焦点をあてた3つのシーンを公開。
本作で女性キャラクターを描くにあたり、ジアド監督は、『この映画では、緊迫した事態を収束させるために中心となって動くのは女性たちなんです。』と語っており、その言葉通り、妊娠中のトニーの妻シリーンは、大きなお腹を抱えながらも、夫を諌めようと必死な姿が映し出され、「あなたは変化を嫌う頑固者よ」とトニーを鋭い一言で一括する場面が。
一方で、ヤーセルの妻のマナールは、優しい口調の中に、強い眼差しで、はっきりと「争いごとは収めて」と夫を諭す様子が映し出され、夫を支える、妻たちたちそれぞれの心に秘めた強い意思が感じられる一コマ。また、ヤーセルの弁護をかってでる女性弁護士ナディーンも、裁判に巻き込まれ現状にとまどうヤーセル夫妻を熱心に説得し、「なぜこの裁判を?」と投げかけるヤーセルに対し、「難民の権利を守るため」と正義への静かな情熱を垣間見せます。彼女が法廷で繰り広げる論戦と、“ある衝撃の事実”は是非劇場でお確かめください。

監督は本作での彼女たちの役割について『女性は男性とは全く違うアプローチをするし、より敏感にニュアンスを感じ取ります。そうした聡明な女性たちのおかげで、バランスが取れるんです。』と語り、『アラブ地域のリーダーが女性になったらどうなるでしょうね。』ともコメント。また、本作の制作にあたり、今もなお現役の弁護士として活躍する自身の母から、裁判シーンでは劇中で起きる “ふたりの諍い”を法で裁くことができるのか、といった作品の核となる法廷シーンにも多くのアドバイスをもらったと明かしています。
一見、男っぽい話のように見える本作に、実はなくてはならないとても重要な役割を担う“美しく聡明”な女性キャラクターたち。激しく対立する男たちの裏で、彼女たちが心に秘めた優しさと強さにも大注目です!


【STORY】
レバノンの首都ベイルート。その一角で住宅の補修作業を行っていたパレスチナ人のヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーが、アパートのバルコニーからの水漏れをめぐって諍いを起こす。このとき両者の間に起きたある侮辱的な言動をきっかけに対立は法廷へ持ち込まれる。やがて両者の弁護士が激烈な論戦を繰り広げるなか、この裁判に飛びついたメディアが両陣営の衝突を大々的に報じたことから裁判は巨大な政治問題となり、“ささいな口論”から始まった小さな事件はレバノン全土を震撼させる騒乱へと発展していくのだった……。
監督・脚本:ジアド・ドゥエイリ 脚本:ジョエル・トゥーマ 出演:アデル・カラム、カメル・エル=バシャ 提供:バップ、アスミック・エース、ロングライド 配給:ロングライド longride.jp/insult/
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