この度、フランスの名匠フィリップ・ド・ブロカ監督作品、『まぼろしの市街戦』が、製作より半世紀超の時を経て、東京 K’s cinema、大阪シネ・ヌーヴォ、名古屋 名演小劇場他にて、4K デジタル修復版で正式にリバイバル公開となることが決定いたしました。

『まぼろしの市街戦』は映画史上に燦然と輝く、時代も常識も超え、類をみない卓越したユーモアたっぷりに戦争の狂気を活写した、カルト映画の歴史的傑作。第一次大戦末期、敗走中のドイツ軍は占拠したフランスの小さな街に大型時限爆弾を仕掛けて撤退。イギリス軍の通信兵は爆弾解除を命じられ街に潜入するも、住民が逃げ去った跡の街では精神科病院から解放された患者とサーカスの動物たちが解放の喜びに浸り、ユートピアが繰り広げられていた。通信兵は爆弾発見を諦め、最後の数時間を彼らと共に過ごそうと死を決意するが…。巧みなストーリー展開に反戦のメッセージを込めた、『カトマンズの男』『リオの男』等で知られる名匠フィリップ・ド・ブロカの代表作で、世界中の映画ファンに愛され続ける唯一無二の一作。『恋する女たち』のアラン・ベイツ、『1000日のアン』『愛のメモリー』のジュヌヴィエーヴ・ビジョルドが主役を務め、ジャン=クロード・ブリアリ、ピエール・ブラッスールらフランスの名優が脇を固める。音楽は、トリュフォーとのコンビで知られるジョルジュ・ドルリュー。常識が常識でなくなる不安を抱える現代(いま)こそ必見の映画史上に残る奇跡の一篇です。上映される本編は海外で一コマづつ 4K にてデジタル修復が施された最新のデジタルマスター。若干エンディングが異なった日本公開版ではなく、オリジナル版での DCP 上映となります。また本作が生涯のベストという、来年に最新作『楽園』の公開が発表されたばかりの瀬々敬久監督からもコメントが届きました。

中学生の頃、テレビの洋画劇場で見て大衝撃を受けて以来、生涯ベスト。
あの淀川長治さんも、その日は本気で大興奮していた。
-瀬々敬久(映画監督)

戦争が非現実にみえるユートピア。まさにヒッピー天国だ。
-Los Angeles Times
面白可笑しく、感動的な映画体験。
-The New York Times
『まぼろしの市街戦』<4K デジタル修復版>
監督:フィリップ・ド・ブロカ/製作:フィリップ・ド・ブロカ、ミシェル・ド・ブロカ
脚本:ダニエル・ブーランジェ、フィリップ・ド・ブロカ/原案:モーリス・ベッシー
撮影:ピエール・ロム/音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:アラン・ベイツ、ピエール・ブラッスール、フランソワーズ・クリストフ、ジャン=クロード・ブリアリ、
ジュリアン・ギオマール、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ミシュリーヌ・プレール、アドルフォ・チェリ
1966 年|フランス映画|102 分|カラー|シネマスコープ|DCP|原題:Le roi de coeur|英題:KING OF
HEARTS
提供:パンドラ+キングレコード
配給:パンドラ
© 1966 – Indivision Philippe de Broca